退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「21世紀の『植民地支配』」について

2012-03-23 04:01:42 | Weblog
晴れ。寒さはまた緩む。

堤未果「ルポ 貧困大国アメリカ」を今頃読む。

あくまで「利益を追求するだけの機械=大企業」に公共的な仕事をまかせると
いわゆる「普通の人々」は「貧困」に陥るのだという具体例があれこれ。

貨幣量を表す数字は単純だから人を「人扱い」しないことがむしろ奨励される。
あまりに「あっけない事実」には呆然とするよりない。

中でも「不法移民」であるヒスパニッシュ系の人々が
「貧困」から逃れるため軍のリクルートに応じるほかない境遇なのが「悲惨」。

いわゆる「移民問題」と「徴兵」を同時に「片付けられる」ので
ある種の人々にとっては「好都合」な模様。

教育予算が削られ学費が値上がりしたせいで
まともに「学歴」をつけても就職できず「貧困」に落ち込むしかない若者たちも同様に。

彼らに束の間「夢」を見させた挙句「カモ」にしたという意味で
「サブプライムローン」を代表とする「借金制度」の「罪深さ」がわかろうというもの。

そもそもまともに英語を理解しない「弱者」を
何のためらいもなく「餌食」にできる「神経」はかつての「植民地支配」を思わせる。

「国民皆保険」という制度がないと
一度病気になったら「貧困」に転落しなおかつ二度とそこから抜け出せないという「現実」もあり。

アメリカが「世界の実験場」であり彼らに「逆らえない」のがわが国だとすれば
その姿は「近未来のわれわれ」。

本書は4年前の作品なので
その後「現実」がどう動き今後どうなりそうなのかについては注意しておきたいところ。

たとえばTPP。

ただでさえ崩壊しつつある農業や医療はどうなるのか。
「賛成派」には是非ともそのあたりにつて納得できる説明をお願いしたい。
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