退屈日記

とりあえず日々のつれづれを。

「古いものに詳しかった『坊ちゃん』とヴェトナム戦争における豪州軍の姿」について

2021-10-13 02:00:12 | Weblog
くもり。仕事場付近ではスコールも。

坪内祐三「最後の人声天語」を読む。

イラストに中野翠。
彼女は「友人の死」に「骨折」というかたちで反応して。

内容は相撲の話が多く。
個人的にはあまり興味がない分野なのでそういうものかと。

タイトルはもちろん朝日新聞のコラム「天声人語」から。
かつては読むに足る文章だったようだけれど。

本書はラストが「ポツンと切れているようなもの」が多く。
徐々に「自分の中で完結するパターン」になっていったのか。

「古いもの」をよく知っていた「お坊ちゃん」は彼岸へ。
享年61というのはいかにも若い。

クリフ・ステンダーズ「デンジャー・クロース 極限着弾」(’19)を観る。

ヴェトナム戦争におけるオーストラリア軍の姿を描いた作品。
前半が緩く後半になってようやく盛り上がる趣き。

さっきまで隣りにいた人がいつの間にか死んでいる現実。
種類の如何を問わず銃はいとも簡単に死をもたらして。

「視点」はオーストラリア軍だがヴェトナム兵とて同じ恐怖の中を生きて死に。
「敵味方図式」だと相手はただの「標的」に。

この種の作品は「戦争を知らない者たち」にいたずらに「感情移入」させる憾みがあり。
そもそも「戦わなくてもよかったのでは」という視点を忘れさせることを覚えておこう。

「命をかけて戦う」前に「なぜ戦わなければならなかったのか」を問いたいもの。
おそらくその前提は「誤った正義」で。

その問いは常に問われなければならず。
いたずらに「愛国」が浮かび上がるのでご注意を。
コメント
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