雨。しょぼしょぼ降る。
仲正昌樹「貨幣空間」を読む。
柄谷行人「マルクス、その可能性の中心」以来の
突っ込んだ読みと紹介が非常に面白い。
社会にいる個人は交換価値を媒介にしてしか自己を表現できず、
「個人の自由な活動」は社会によってそのように決められているので
誰も貨幣システムの外に出ることはできないということ。
「商品」とは見たり触ったり使ったりすることのできる「物」でもあるが
一方で人間の生活の形を「決めるもの」でもあるということ。
「私」という概念は「あなた」と同時に生まれるもので
個人が相手のことをよく知らないままに関係を持てる「貨幣」のあり方が
「私/あなた」という「等価な概念」のあり方によく似ているということなど。
勝手に「翻訳」したのでわかりにくいとは思うが
とにかく再読決定(ドトールで初めてコーヒー2杯飲んじゃった)。
*
増村保造「くちづけ」を観る。
選挙違反と公金横領でそれぞれ小菅刑務所にいる父親に面会に行った男女の話。
知り合ったふたりは気晴らしに江ノ島で遊んだ後で別れる。
「ひねくれた男」と「ひとりぼっちな女」は
10万円という保釈金をめぐって再会することに。
増村作品の女はいつも男を「二人だけの世界」に引き込もうとし成功する。
誤字混じりで旧字体の書き置きが決定打。
奥に長く続く道が何度か映される。
*
ルドルフ・マテ「欲望の谷」を観る。
牧場を売って東部に帰るはずが部下を殺されて
土地を独占しようとする牧場主と戦うことになる元北軍兵士の話。
ただし牧場主エドワード・G・ロビンソンの妻が
バーバラ・スタンウィックなので話はそれだけではすまない。
牧場主は12年前に農民と戦って足が不自由になっているので
できれば争いごとは避けたい気がなくもない。
わざわざ牧場主の弟を呼び戻して土地の独占を図るのは
もちろん妻のバーバラ・スタンウィック。
兄弟ふたりを演説と嘘でたぶらかし
叱咤激励して戦いを始めさせるあたりの「女丈夫ぶり」。
おまけに主人公の仕返しで自分の牧場を焼かれると
役に立たない夫を炎の中に置き去りにしたりもする。
ただし彼女と対照的な女性ふたりのことも忘れずに。
「西部劇の中の悪女」を楽しむ作品だけれど
原題が「the violent man」というの皮肉でもあり、そうでもないのが微妙。
仲正昌樹「貨幣空間」を読む。
柄谷行人「マルクス、その可能性の中心」以来の
突っ込んだ読みと紹介が非常に面白い。
社会にいる個人は交換価値を媒介にしてしか自己を表現できず、
「個人の自由な活動」は社会によってそのように決められているので
誰も貨幣システムの外に出ることはできないということ。
「商品」とは見たり触ったり使ったりすることのできる「物」でもあるが
一方で人間の生活の形を「決めるもの」でもあるということ。
「私」という概念は「あなた」と同時に生まれるもので
個人が相手のことをよく知らないままに関係を持てる「貨幣」のあり方が
「私/あなた」という「等価な概念」のあり方によく似ているということなど。
勝手に「翻訳」したのでわかりにくいとは思うが
とにかく再読決定(ドトールで初めてコーヒー2杯飲んじゃった)。
*
増村保造「くちづけ」を観る。
選挙違反と公金横領でそれぞれ小菅刑務所にいる父親に面会に行った男女の話。
知り合ったふたりは気晴らしに江ノ島で遊んだ後で別れる。
「ひねくれた男」と「ひとりぼっちな女」は
10万円という保釈金をめぐって再会することに。
増村作品の女はいつも男を「二人だけの世界」に引き込もうとし成功する。
誤字混じりで旧字体の書き置きが決定打。
奥に長く続く道が何度か映される。
*
ルドルフ・マテ「欲望の谷」を観る。
牧場を売って東部に帰るはずが部下を殺されて
土地を独占しようとする牧場主と戦うことになる元北軍兵士の話。
ただし牧場主エドワード・G・ロビンソンの妻が
バーバラ・スタンウィックなので話はそれだけではすまない。
牧場主は12年前に農民と戦って足が不自由になっているので
できれば争いごとは避けたい気がなくもない。
わざわざ牧場主の弟を呼び戻して土地の独占を図るのは
もちろん妻のバーバラ・スタンウィック。
兄弟ふたりを演説と嘘でたぶらかし
叱咤激励して戦いを始めさせるあたりの「女丈夫ぶり」。
おまけに主人公の仕返しで自分の牧場を焼かれると
役に立たない夫を炎の中に置き去りにしたりもする。
ただし彼女と対照的な女性ふたりのことも忘れずに。
「西部劇の中の悪女」を楽しむ作品だけれど
原題が「the violent man」というの皮肉でもあり、そうでもないのが微妙。