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サンタクロースのこと

2012年11月29日 | 日々雑感
そろそろクリスマスの季節が到来します。
そんな折、サンタクロースをめぐる謎 -サンタクロースを問う-という話を聞く機会がありました。


 サンタクロースの由来は、ギリシアのアカイア州生まれ、後に小アジアのミュラ(現在のトルコのデムレ)
 という町の司教だったニコラウス(西暦270年~352年ごろ)の伝説から始まったようだ。

 ドイツでは、12月6日の夜に 司教帽、司教杖に白い髭の格好で、茶色と黒の衣装を纏った付き人(名はルプレヒト) を連れて現れ、良い子には贈り物(乾燥果物やビスケット)を、悪い子にはルプレヒトによるお仕置きがなされたとか。

 オランダでは、海運業(貿易)が盛んで、水夫たちが海難を避けるため守護聖人として聖ニコラウスを
 崇めていた。聖ニコラウスの祭り(12月6日)の前夜に、聖ニコラウスが 白馬にまたがり空を駆け巡り
 (トナカイではない)、家々に贈り物を届けたとされている。

 その伝説は、オランダからアメリカへ。
 現在のサンタクロースの呼び名は、そのアメリカで生まれ、さらに今のイメージが生まれたのは1822年、
 アメリカの神学者ムーアが「聖ニコラウスの訪問」という詩を書いたのが その始まり。
 その一部を紹介すると
        「クリスマスの前の晩
        あしたは楽しいクリスマス
        床下のネズミもひっそりと
        静まり返った家の中
        暖炉の前に靴下が
        願いを込めてかけてある
        『サンタクロースは来るかしら』

 このサンタクロースは、8頭のトナカイに曳かれた橇に乗って空からやってくることや、
 煙突から煤だらけで家の中に入ってきて、おもちゃを袋の中から次々に出す様子が書かれていて
 最後に「みなさん、クリスマスおめでとう!」と言って去って行ったという。

 この詩によって今日のサンタクロース像が作られ定着していったという。
 さらに、赤い服装は、1849年ボイドという人によって描かれたムーア作の詩の本の挿絵から。

こうした経緯はともかく、印象に残ったことがいくつか。

 聖ニクラウス(彼は、どこからきて、どこへいくのかは謎のまま)が、厳しい冬の寒さの中、
 家々を一件一軒訪ね歩く姿。
 家々は、それぞれに違った祝福を求めているはず。彼は、その家にもっとも相応しい祝福を与えなくてはならないと
 いう役目をもって家々を訪ねる。
 そして、お返しを全く考えなくてもいい贈り物をニクラウスは運んでくれる。

 クリスマスの出来ごと(主イエスの受肉・・・神の御子が人となってこの世に生まれて下さった)は、
 これも、全くお返しをすることから自由な一方的な恵みとして、素直に受け入れるしかない神さまからの贈り物だ
 ということを考えると、サンタクロースの贈り物は、この「神さまからの贈り物」を象徴している。

クリスマスが異教的なお祭りの要素を受け継いでいるとはいえ、
子どもたちを、また周りに居る人々を思いやる優しい心は、ニクラウスに通じるのもがあると思いました。