劇団ぷにぷにパイレーツ座長日記

劇団ぷにぷにパイレーツ座長・石崎一気が、演劇、パントマイム、音楽等、舞台芸術の情報を、毎日発信!

朗読はつまらない?

2013-08-13 07:41:20 | 演劇
第20回公演「Endless Summer`64」では、僕のオリジナル作品が4本上演されます。
今回は朗読という形ですが、全作品、一人芝居としても上演可能です。
つまり、すべて、一人称で書かれたものなんです。
ある一人の人物の独白によって構成されています。
ですから、聞きにいらした皆様に、とても分かりやすく伝わる筈です。
多分、退屈したり、意味が分からなくなったりすることはないと思いますよ。
(その辺は、演者の力量にもよりますが…)

一般的に、「朗読はつまらない」と思われている理由は、黙読用に書かれた作品を無理やり朗読しているからだと、僕は考えます。
朗読することを前提にすれば、文章を書く時、単語の選択や並び順、文章の構成等が大きく変わってきます。
(これは、実際に書いてみれば分かります)
また、朗読用の文章には、聴衆を飽きさせない為の工夫も必要になってきます。
観客の視覚は封じられているので、音に対する相当なこだわりが求められるのです。
ですから、名作とされている有名な古典作品を、いくら頑張って朗読しても、面白くなる訳がないんです。
やはり、朗読専用の作品を読まないと、ダメなんです!

「Endless Summer`64」の上演作品は、ある一人の人物の意識の流れに沿って進行するものばかりです。
観客は、自然にその流れに乗っていけると思いますし、感情移入もしやすいでしょう。
とても聞きやすいモノになっていると思います。

以前から何度も言っていますが、僕自身、”朗読”という公演スタイルは、あまり好きではありません。
せっかく肉体を持っているのに、身体表現を使わないのは、勿体ないからです。
ただ、今回は、「安易に流行している”朗読”に、新風を吹き込みたい」という気持ちから、朗読公演に挑戦してみることにしました。
今、「オリジナルの台本が入手できないから…」「舞台上で動けないから…」「セリフを覚えるのが大変だから…」などといった消極的な理由で”朗読”を選ぶ風潮があります。
そんな逃げの気持ちでパフォーマンスされても、”朗読”が面白くなるわけないでしょう?
「私は、こんな理由で、朗読という公演スタイルを選んだ!」「朗読じゃないと、伝えられないモノがある!」といった、積極的なモチベーションを持った人に”朗読”をして貰いたいと思います。
「Endless Summer`64」に出演する3人は、きっと、それだけの覚悟を持って公演に臨んでくれることでしょう。
僕も、彼女たちに大いに期待しています。