前回お話した通り、以蔵は術後の出血がなかなか収まらず、ハラハラドキドキ!
そしてその後、食欲を無くしたかと思うとその日の夕方には重度の貧血状態に!
ですので、緊急で再度輸血することとなり、大慌てでその準備に走りました。
(先生もご自分の犬から採血し輸血の用意をしてくださいました。)
その時の状態は本当にひどく、歯茎、舌、まぶたの裏側など血の気が引き真っ白で、
呼吸は力なく弱く、そして当然意識も混濁しているようで、視線は定まらず、
こちらの声掛けにも無反応!
そういう状態だったので、その時は正直無理かもしれないと覚悟を決め、
家族にも病院まで来るようにと連絡を入れました。
そういうわけで、以蔵を抱きしめ一生懸命耳元で声をかけ、
身体をさすりつつ輸血し1時間ほど経ったころ、
看護婦さんが荷物を運びに入ってこられた物音に反応し、首をもたげたので、
「もしかしたら回復してくれるかも?」そう期待をしていたころ、
用事を終え駆けつけてきた奥さんが部屋に入ると、以蔵ははっきりとその姿を認識し、
顔を力強く上げ、まっすぐ奥さんを見つめました。
そしてその後は、歯茎とまぶたの裏にも徐々に血の気が戻り、呼吸も深く静かなものに。
そういうわけで、約3時間ほどの時間をかけ輸血を終えたころには
目に光と力が戻ってくれました。
後はこれで出血さえ収まれば…
そして、輸血、点滴、注射を終え、包帯交換をするため患部を確認すると、
やはりまだ出血はあるものの、午前中のようにサラサラの血が流れ出るのではなく、
粘っこいドロっとした出血で、これは凝固の兆しと見ていいもの。
なんせ、今回の大量輸血で以蔵の体内のおよそ3分の1の血は
他の健康なわんこさん達のものと入れ替わったわけだから、
その子達の正常で元気な血小板が、血を止めよう、固めようと懸命に頑張ってくれているんです。
そういうわけで、こうなると後はもうその血の力に頼るしかなし!
とはいえ、相変わらず出血の状態は「ひどい出血」という表現で安心には程遠い。
実は最初ぐったりした以蔵を見たとき、
この日が以蔵と過ごす最後の日になるかもしれない
と覚悟を決めていたので、
先生に無理を言い、待合室で一晩過ごさせてもらえるようにお願いし、快諾を得ていたのです。
ですが、この状態ならばそういう心配はいらないだろし、
また病院の個室で寂しがり動き回るよりは、
自宅で安静にしている方が傷にも影響がないだろうというこで、
翌朝一番の診察を条件に外泊できることになりました。
私はその話を聞き、肩の荷どころか、体中の荷がすべて下り思わず大声で、
「よかった~!」
以蔵もそれは同じだったのか、本当に久しぶりに尻尾を小刻みに振りました。
そして、私が持参した焼きたて鶏ささみを、
「ウマッ!ウまっ!」
と勢いよく平らげ、看護婦さんに「そんなに一気に食べ過ぎたら吐いちゃうよ。」と心配されるほど。
そして満足したのち奥さんの腕の中で安心しきってこの表情。
「ぼく頑張ったから帰れるねんな♪」
そういうわけで、気が付くと時刻も深夜に近くなっており、
本当に遅くまでお世話してくださった先生方にお礼を述べた後、
夫婦で以蔵を抱っこして夜道を帰りました。
「正直連絡があった時には、帰り道は動かなくなった以蔵を抱っこしているものと覚悟してた。」
「こっちもそういう覚悟で電話した…」
「よかったな、本当によかったな。」
「これもみな、、血を分けてくれたみんなのおかげやな。」
「この子はみんなに生かしてもらえたな…」
そんな会話をしつつ歩いていると、すれ違いかけた女性の方が、
「おや、この子は確か血の止まらなかった子?どう、止まりましたか?」と。
「あっ!あなたはこないだの…」
その女性は前日に獣医さんの待合室で居合わせた方で、
お互いのわんこのことで少し話をしていたのです。
それで覚えていて、心配してくれてはったのか…
本当に、いろんな方に思っていただいており感謝、感謝!
そういうわけで、久々に帰宅した以蔵は、すっかりくつろいだ表情でいつもの定位置へ。
「やっぱりおうちが一番いいよ~♪」
とはいうものの、出血は相変わらずで帰宅した時にはもうすでに包帯から染み出ており、
それに気付けず衣服やソファーを汚してしまうほどでした。
そういうわけで、この日は絶対安静のため、以蔵を他のわんこ達と隔離して寝かすため、
私はソファーに横になってました。
(実はこのソファー、家族中から「布団以上に寝心地がよい!」と評判なんです。)
そして翌朝ドキドキしながら獣医さんへ行き、患部を見てみると…
「よしっ!このまま安定してくれれば…」
幸運なことに傷口自体の出血はきっちり止まっていおり、
昨晩の出血は体内に残した排出用チューブからのものであるとのこと。
しかもそれも以前のように激しい出血ではなく、
内部にたまった血の塊が溶けだして流れ出ているもので
心配不要とのこと。
実は今回の腫瘍は「血管腫」の一種で、経過から見るとおそらくは悪性のもの。
そして、以蔵の場合放置していたらさらに膨れ上がり骨を巻き込み、
そしてそれが破裂でもしたら、血の止まらない以蔵のことなので、
おそらく急死していただろうとのこと。
ちなみにこれが今回摘出した腫瘍です。
グロいので、見られる方はこちらをクリック。
大きさは小さなびわの実ほどで、以蔵の体から考えるとかなり大きく感じたのですが、
健康な犬の場合だと、この程度の大きさの切除については問題ないそうです。
ただ、以蔵は出血が止まらない子なので、今後、
もしまたこのようなものができたとしたら、
次回の手術は「不可能」と考えねばならないのと、
また投薬による治療も体質的に(主に血液関係の)副作用に耐えきれるとは思えないとのこと。
(そういうわけで、組織検査をしても意味がないと判断しました。)
そういう意味では、今回が最初にして最後のチャンスだったというわけか…
ですので、今はこう思っているのです。
「今後の以蔵と私たちの生活には、心の片隅に常にある覚悟を置いておく必要があるな。」
だからこそ、その一緒にいられる時間は、ひと時も無駄にせず、
そして、この子が楽しく、幸せに暮らせるようにしてやりたいと
切に思うのでありました。
「そんなこと言うて、また先生とこに連れて来てるやん。」
「だってあんた、しばらくはこうして診てもらわんとあかんやん。」
というわけで、今朝も包帯交換で病院へ。
そして先生から嬉しい一言。
「よし、これで出血は止まったと思ってもいいでしょう!」
やった~!
とはいえ、傷口はまだ完全にくっついていないので、大きな衝撃は絶対厳禁!
だからもう、新生児をのっけているかのような超慎重モードでカートを押して帰宅。
なのに、ああ、以蔵君歩いてる~!
「うんこさん出てん♪」
へ?あ、そうなん!♪
よかった~、この3日なにも出なかったからそっちも心配しててんよ~!
というわけで、火曜日からの大騒ぎは取りあえず週末には安心できる状態になったようです。
本当によかった。
そしてお世話になった皆さん、心配してくださった皆さん、
本当にありがとうございます。
とくに血を分けてくださった皆さん、あなた方はまさしく以蔵の命の恩人です。
(*^人^*)
【おまけ】
以蔵を激励してくれる松山千春さん
ちょうど選挙の応援に近所に来られていて、
うちの前を通りかかた際、寝ている以蔵に気が付き、立ち寄って激励してくださいました。
いつも見る通りの気さくな方でしたが、意外にも無骨な手のひらが印象的でした。
こんな小さなわんこに気づき、気にしてくれるあたりかなり好印象で、
【おまけのおまけ】
「にゅいぃぃ~ん♪」
「以蔵君何してるん?」
「固くなってるねん。」
「??」
くわしくはこちらの日記を。
http://hisuaki.blog31.fc2.com/blog-entry-2460.html
そしてその後、食欲を無くしたかと思うとその日の夕方には重度の貧血状態に!
ですので、緊急で再度輸血することとなり、大慌てでその準備に走りました。
(先生もご自分の犬から採血し輸血の用意をしてくださいました。)
その時の状態は本当にひどく、歯茎、舌、まぶたの裏側など血の気が引き真っ白で、
呼吸は力なく弱く、そして当然意識も混濁しているようで、視線は定まらず、
こちらの声掛けにも無反応!
そういう状態だったので、その時は正直無理かもしれないと覚悟を決め、
家族にも病院まで来るようにと連絡を入れました。
そういうわけで、以蔵を抱きしめ一生懸命耳元で声をかけ、
身体をさすりつつ輸血し1時間ほど経ったころ、
看護婦さんが荷物を運びに入ってこられた物音に反応し、首をもたげたので、
「もしかしたら回復してくれるかも?」そう期待をしていたころ、
用事を終え駆けつけてきた奥さんが部屋に入ると、以蔵ははっきりとその姿を認識し、
顔を力強く上げ、まっすぐ奥さんを見つめました。
そしてその後は、歯茎とまぶたの裏にも徐々に血の気が戻り、呼吸も深く静かなものに。
そういうわけで、約3時間ほどの時間をかけ輸血を終えたころには
目に光と力が戻ってくれました。
後はこれで出血さえ収まれば…
そして、輸血、点滴、注射を終え、包帯交換をするため患部を確認すると、
やはりまだ出血はあるものの、午前中のようにサラサラの血が流れ出るのではなく、
粘っこいドロっとした出血で、これは凝固の兆しと見ていいもの。
なんせ、今回の大量輸血で以蔵の体内のおよそ3分の1の血は
他の健康なわんこさん達のものと入れ替わったわけだから、
その子達の正常で元気な血小板が、血を止めよう、固めようと懸命に頑張ってくれているんです。
そういうわけで、こうなると後はもうその血の力に頼るしかなし!
とはいえ、相変わらず出血の状態は「ひどい出血」という表現で安心には程遠い。
実は最初ぐったりした以蔵を見たとき、
この日が以蔵と過ごす最後の日になるかもしれない
と覚悟を決めていたので、
先生に無理を言い、待合室で一晩過ごさせてもらえるようにお願いし、快諾を得ていたのです。
ですが、この状態ならばそういう心配はいらないだろし、
また病院の個室で寂しがり動き回るよりは、
自宅で安静にしている方が傷にも影響がないだろうというこで、
翌朝一番の診察を条件に外泊できることになりました。
私はその話を聞き、肩の荷どころか、体中の荷がすべて下り思わず大声で、
「よかった~!」
以蔵もそれは同じだったのか、本当に久しぶりに尻尾を小刻みに振りました。
そして、私が持参した焼きたて鶏ささみを、
「ウマッ!ウまっ!」
と勢いよく平らげ、看護婦さんに「そんなに一気に食べ過ぎたら吐いちゃうよ。」と心配されるほど。
そして満足したのち奥さんの腕の中で安心しきってこの表情。
「ぼく頑張ったから帰れるねんな♪」
そういうわけで、気が付くと時刻も深夜に近くなっており、
本当に遅くまでお世話してくださった先生方にお礼を述べた後、
夫婦で以蔵を抱っこして夜道を帰りました。
「正直連絡があった時には、帰り道は動かなくなった以蔵を抱っこしているものと覚悟してた。」
「こっちもそういう覚悟で電話した…」
「よかったな、本当によかったな。」
「これもみな、、血を分けてくれたみんなのおかげやな。」
「この子はみんなに生かしてもらえたな…」
そんな会話をしつつ歩いていると、すれ違いかけた女性の方が、
「おや、この子は確か血の止まらなかった子?どう、止まりましたか?」と。
「あっ!あなたはこないだの…」
その女性は前日に獣医さんの待合室で居合わせた方で、
お互いのわんこのことで少し話をしていたのです。
それで覚えていて、心配してくれてはったのか…
本当に、いろんな方に思っていただいており感謝、感謝!
そういうわけで、久々に帰宅した以蔵は、すっかりくつろいだ表情でいつもの定位置へ。
「やっぱりおうちが一番いいよ~♪」
とはいうものの、出血は相変わらずで帰宅した時にはもうすでに包帯から染み出ており、
それに気付けず衣服やソファーを汚してしまうほどでした。
そういうわけで、この日は絶対安静のため、以蔵を他のわんこ達と隔離して寝かすため、
私はソファーに横になってました。
(実はこのソファー、家族中から「布団以上に寝心地がよい!」と評判なんです。)
そして翌朝ドキドキしながら獣医さんへ行き、患部を見てみると…
「よしっ!このまま安定してくれれば…」
幸運なことに傷口自体の出血はきっちり止まっていおり、
昨晩の出血は体内に残した排出用チューブからのものであるとのこと。
しかもそれも以前のように激しい出血ではなく、
内部にたまった血の塊が溶けだして流れ出ているもので
心配不要とのこと。
実は今回の腫瘍は「血管腫」の一種で、経過から見るとおそらくは悪性のもの。
そして、以蔵の場合放置していたらさらに膨れ上がり骨を巻き込み、
そしてそれが破裂でもしたら、血の止まらない以蔵のことなので、
おそらく急死していただろうとのこと。
ちなみにこれが今回摘出した腫瘍です。
グロいので、見られる方はこちらをクリック。
大きさは小さなびわの実ほどで、以蔵の体から考えるとかなり大きく感じたのですが、
健康な犬の場合だと、この程度の大きさの切除については問題ないそうです。
ただ、以蔵は出血が止まらない子なので、今後、
もしまたこのようなものができたとしたら、
次回の手術は「不可能」と考えねばならないのと、
また投薬による治療も体質的に(主に血液関係の)副作用に耐えきれるとは思えないとのこと。
(そういうわけで、組織検査をしても意味がないと判断しました。)
そういう意味では、今回が最初にして最後のチャンスだったというわけか…
ですので、今はこう思っているのです。
「今後の以蔵と私たちの生活には、心の片隅に常にある覚悟を置いておく必要があるな。」
だからこそ、その一緒にいられる時間は、ひと時も無駄にせず、
そして、この子が楽しく、幸せに暮らせるようにしてやりたいと
切に思うのでありました。
「そんなこと言うて、また先生とこに連れて来てるやん。」
「だってあんた、しばらくはこうして診てもらわんとあかんやん。」
というわけで、今朝も包帯交換で病院へ。
そして先生から嬉しい一言。
「よし、これで出血は止まったと思ってもいいでしょう!」
やった~!
とはいえ、傷口はまだ完全にくっついていないので、大きな衝撃は絶対厳禁!
だからもう、新生児をのっけているかのような超慎重モードでカートを押して帰宅。
なのに、ああ、以蔵君歩いてる~!
「うんこさん出てん♪」
へ?あ、そうなん!♪
よかった~、この3日なにも出なかったからそっちも心配しててんよ~!
というわけで、火曜日からの大騒ぎは取りあえず週末には安心できる状態になったようです。
本当によかった。
そしてお世話になった皆さん、心配してくださった皆さん、
本当にありがとうございます。
とくに血を分けてくださった皆さん、あなた方はまさしく以蔵の命の恩人です。
(*^人^*)
【おまけ】
以蔵を激励してくれる松山千春さん
ちょうど選挙の応援に近所に来られていて、
うちの前を通りかかた際、寝ている以蔵に気が付き、立ち寄って激励してくださいました。
いつも見る通りの気さくな方でしたが、意外にも無骨な手のひらが印象的でした。
こんな小さなわんこに気づき、気にしてくれるあたりかなり好印象で、
【おまけのおまけ】
「にゅいぃぃ~ん♪」
「以蔵君何してるん?」
「固くなってるねん。」
「??」
くわしくはこちらの日記を。
http://hisuaki.blog31.fc2.com/blog-entry-2460.html