超芸術と摩損

さまざまな社会問題について発言していくブログです。

阿川佐和子のこの人に会いたい 第797回

2009-10-09 13:01:13 | 週刊誌から
長妻新大臣は、いかに医系技官にだまされないようにするかが大切。 

厚生労働省医系技官 木村盛世
きむらもりよ 1965年生まれ。筑波大学医学群卒業、ジョンズ・ホプキンス大学公衆衛生大学院疫学部修士課程修了。内科医として勤務後、米国CDC(疫学予防管理センター)多施設研究プロジェクトコーディネイターを経て財団法人結核予防会に勤務。その後、厚生労働省に転じ、大臣官房統計情報部を経て、厚労省検疫官。新型インフルエンザ対策への内部批判で注目を集める。

怖いのか、気にしなくていいのか、厚労省の対応も迷走する新型インフルエンザ。現役官僚ながら厳しく厚労省を内部批判する木村女史に、本当のところを訊いてきました。その鋭い舌鋒も、日本を愛すればこそなのです。

阿川 『TVタックル』ではたびたびお世話になっています。
木村 今日は阿川さんとゆっくりお話しできると楽しみにしてきました。
阿川 現役の厚生労働省のキャリア官僚でいらっしゃる木村さんが、厚労省の腐敗ぶりを告発した『厚生労働省崩壊――「天然痘テロ」に日本が襲われる日』が話題になっていますね。
木村 いかに厚労省が国民目線じゃないかというとね、この本を出したら、国会議員からこれについて質問がきたときに答えられるように、みんなが読んで想定問答集をつくったんです。これは何とかの部署、これはあそこって割り振って。バカバカしいね(笑)。
阿川 ご本を読むと以前からだいぶいじめられた経歴がおありですけど、出したあとは大丈夫ですか。
木村 あの人たちって弱いから群れになってかかってきますでしょ。だから、直接誰かが私に何か言ってくることはないんですよ。やるのは2ちゃんねるの書き込みとか。でも、彼らの意見に一般の参加者から「そんなことはないだろ」って突っ込みが入って、一日で鎮静化したという話を聞きました(笑)。
阿川 2ちゃんねるに味方あり(笑)。
木村 だいたい私がメディアでしか本音を言ったり、議論したりできないっておかしな話ですよね。でも、中で話すと、聞きはするけど左遷になる。だから、今までもおかしいと思った人はいるんだけど淘汰されちゃったんです。
阿川 恐怖政治ですね。木村さんは内科医として勤務したり、研究所にいらしたりして、途中から厚労省に医系技官として入省なさったんですよね。
木村 研究を全然しない研究所で、ちゃんと研究しようと思ったら厚労省に飛ばされて、今は本省からも飛ばされて、出先機関の中でもクズ中のクズの空港検疫所支所で働いています。
阿川 ハハハ、言いますねえ。私は木村さんによって初めて、厚労省に医師免許を持った医系技官がいると知ったんですけど、何人ぐらいいるんですか。
木村 全職員六千人中の二百五十人ぐらいです。その半分強が霞が関(本省)にいるかな。
阿川 その人たちがダメだと。
木村 今、本省に残ってる人たちは全部ダメですね。でも、この本を書いたら私に同調してくれる人たちがいるんじゃないかという期待があったんですよ。
阿川 いましたか。
木村 一人だけ仲間ができました。村重直子さん(当時、厚生労働省大臣政策室政務官)。『サンデー毎日』で「厚労省は新型インフルエンザの感染対策計画を放棄していた」と実名で批判した人。彼女に「ほんとに一人?」って訊いたら、「もういない」って(笑)。
阿川 寂しい~。
木村 医系技官は悪の権化だから、省内でも浮いちゃってる。一番いけないのはその責任者でしょ。それがとんでもない悪党だから、私たちはその人を実名でメディアにどんどん書いてもらおうとしてます。上田博三ひろぞう健康局長っていうの。官僚は名前を出さずに仕事するし、公務員法に守られて民事訴訟も受けないけど、健康局長という一億人の命を預かる重職にいながら、自分の首じゃなく一億人の首を賭けて仕事をするとんでもない人です。
阿川 上田健康局長って、新型インフルエンザのワクチン輸入を阻止しようとした人ですね。
木村 嘘ついてね。国立感染症研究所の田代眞人氏もその仲間。
阿川 あれは国内の業者を守るため?
木村 自分たちが利権関係を結んだ人を守るため。新型インフルエンザのワクチンは弱小四社しか製造を許可してないんですよ。大手ワクチン会社が臨床試験をすませたという情報もあるんですけど、それは使わない。
阿川 何でその四社なんですか。
木村 利権ですよ。天下り先になるとかお金がからんでる。
阿川 四社だけだから千三百万人分の新型インフルエンザのワクチン製造も間に合わないって言ってるのに?
木村 でも、最初にそれを打つのは自分たちと与党の議員と、あと(ゴマをする真似をして)コレをしてきた人でしょ。だから、あの人たちにとっては百人分ぐらいあればいいのよ(苦笑)。
阿川 本気で!?
木村 空港で使ってるサーモグラフィだって利権絡みと言われてますからね。百八十万円ぐらいだったのに、日本アビオニクス社が、性能がよくなったという名目でいきなり三百万円近くに値上げしたんです。まあ、ディスカウントして二百万円強で買ったけど。メチャクチャでしょ。
阿川 何じゃそりゃ!?
木村 そもそもおかしいのは、日本は欧米で使っているガンの新薬が使えないんですよ。ドラッグラグといって十年ぐらい遅れてるんです。それがタミフルだけは、外資系の会社の新しい薬なのに、何で日本が全世界の七〇%のシェアを持っているのか。
阿川 そんなに!?
木村 インフルエンザって七日間ぐらい苦しむ病気ですけど、タミフルは熱の出る日を一日ぐらい短くしましょうという薬なんです。完全に治すものでもないから、健常人がインフルエンザに罹っても必要ない。他の病気を持っているような人にだけ必要なんです。
阿川 最初は新型は罹ったら死ぬぐらい重要度が高いと思われましたよね。
木村 あれも上田博三がつくった行動計画が悪いんですよ。インフルエンザは必ず海外からやってくるというバカな前提があったでしょ。
阿川 で、「成田のゲートで止めれば大丈夫だ」って水際作戦をとって。
木村 空港での体温測定でインフルエンザが防げるわけないじゃないですか。舛添(要一・当時の厚労大臣)さんが「島国だから」と言ったときはもう目まいがしちゃった(笑)。感染症対策のトップなのに、「あなたは空に国境なしという言葉を知らないの?」って。
阿川 その水際作戦の頃、日本人の誰もがマスクしてたのに、みんなすぐにしなくなって。そしたらまた夏の盛りに突然、大流行するって報道されて、九月末がピークで収束していくだろうって。この予測がどうも理解できない。
木村 私も理解できないですね。ウイルスさんに聞いてみないとわからないようなことをいきなり政府が発表しちゃうのは、科学的根拠なく思いつきで動くからでしょうね。
阿川 思いつきだったの!?
木村 患者の追跡調査なんてバカなこともしたでしょう。インフルエンザは、日本語で流行りやすい風邪、という意味だから、追跡調査は意味がない。伝えるメディアも問題で、新型インフルエンザはとてつもなく怖い伝染病というイメージが作られた。結局インフルエンザですから、ある程度広がって、五年ぐらいで収まってゆく。だから、ギャンギャン騒ぐのはよくないんです。
阿川 「一人死んだ」「二人死んだ」と死者の数を挙げて大騒ぎでしたけど。
木村 公衆衛生学の概念がないからです。厚労省がやるべきことは大局から考えることで、一人だ二人だって右往左往したってしょうがないのに。
阿川 あと、WHOのフェーズ6ですか、あれが騒ぐに値すると思われた大きな論拠だったような……。
木村 あれは広がりやすさを示してるだけで、WHOのマーガレット・チャン事務局長もあのフェージングはやめようと言ってるんですけどね。
阿川 えっ、あれは広がりのランキングなんですか。日本だと重篤さのランキング、みたいな雰囲気だったけど。
木村 そういうパニックも検疫なんかの行動計画が生んでいるんです。アメリカでは、まず新型ウイルスが人為的なものか、自然発生的なものかを調査、議論したんです。
阿川 人為的?
木村 その結果、私の恩師のD・A・ヘンダーソンが率いるピッツバーグ大学のバイオセキュリティセンターとCBC(疾病予防管理センター)が「人為的なものではありません」と声明を出した。つまりテロじゃないと。それなら、広がっても収束するんだからいいんですよ。政府がそういう心でいるから、アメリカ人はそんなパニックを起こしてないじゃないですか。
阿川 誰もマスクしてなかったもんね。
木村 今度のインフルエンザは「新型」だったから、最悪の事態を想定して、主要空港での検疫も許されたと思うんです。でも、テロでないとわかったら、さっさと止めるべきだった。もっとも日本ではテロかどうかの議論なんて行われてもいない。上田たちが作った行動計画はまったく頓珍漢ですね。
阿川 ニュースを見てたら、患者さん運ぶのに宇宙服みたいなのを着て、疑わしき人は「車から降りないで下さい! 熱は何度ですか!」って携帯でやり取りしてたでしょ。円谷プロの映画かと思っちゃったけど(笑)。怖かった。
木村 あれは本当に危険。上田たちのせいで、日本は感染症に弱いと世界中に宣伝したようなもんだから、テロリストを呼んでいるようなものですよ。一億人の首を賭けて仕事をするなというのはそういう意味。
阿川 なるほど。
木村 だから上田は罪が深いんです。あの人は責任者だから罪を問われなきゃいけない。そうしない限り今の官僚システムの悪さとか医系技官の腐敗は治りませんよ。決して懲りないしたたかな人たちだから、私、究極の公務員改革は彼らを公務員から外すことだと思うんです。
阿川 直接言えないんですか?
木村 参議院で鈴木(寛)議員が「木村氏から直接聴かないのか」と上田に言ったら、「私が呼ぶと上司なので、不公平になる」って答えたんですよ。
阿川 何じゃそりゃ!? 天敵上田は何を狙ってるんだ?
木村 ただ一つ、自分の天下り。
阿川 ははあ。結局新型インフルエンザについては国民は何に耳を貸し、何に注意して生きていけばいいですか。
木村 正しい情報に耳を傾けることですよね。
阿川 それがわかんないんだな。
木村 だから、私はひたすらメディア教育してるんです。正しい情報を出すメディアを育てて、育てて、育てる。
阿川 あ、今日も育てに来てくださったんですね(笑)。
木村 メディアも心ある人たちが立ち上がって言い続けて、その声が大きくなっていかない限り、正しい情報の発信は難しいでしょうね。記者クラブと御用学者はなくせばいい(笑)。
阿川 御用評論家とかね。
木村 国民はパニックにならず、まずインフルエンザはいずれは収束する病気だと理解すること。それこそ国が徹底して流さなければならない情報なんです。それからインフルエンザに百パーセント効果のある予防法も特効薬もありません。ワクチンもそうです。
阿川 ワクチンもなのか……。えーと、厚労省には他にもたくさん問題があるので、介護問題についても聞きたいんですが。官僚は病院や医師、あるいは介護やリハビリの現場を見ることもなく数字だけで決めてるんじゃないかと思うんです。
木村 ネットリサーチですよ。
阿川 エーッ、それで何で「この病院はこんなにベッドいらない」「こいつは介護1でいいだろう」という判断ができるんですか。
木村 他人事だからでしょ。今までの人たちは自分が病気になれば大病院の特別室を借り切れるし、家族に介護が必要になれば天下っている人たちに頼めばいい。彼らは困らないんですよ。
阿川 そこまでエゴイストなの?
木村 私は十三歳のときに父が胃がんで亡くなって……。
阿川 お父さまもお医者さまで、WHOで働いてらしたこともあったとか。
木村 ええ。そのあと母も倒れて、いろんな病気を患ってしまったんです。その母を去年まで自宅介護して看取って、自分で死亡診断書を書いて、いろいろ後悔はあったけど一区切りついたかなと思ったんです。でも客観的に見ると、仕事しながら家で介護するのは今の社会保障制度では限界がある。家族が犠牲にならない限り無理です。
阿川 行政で救うことはできますか。
木村 うん。でも、介護保険は問題多しだから。今、ヘルパーの確保だけで大変ですよね。私は「コムスン潰してどうするつもり?」って思いましたよ。悪いこともやったけれど、昼でも夜でも、絶対に誰かを派遣してくれるのはここだけだったのに。潰した後のフォローはなし。官僚にとっては他人事だからどうでもいいんですよ。他人の親が野垂れ死のうが……。
阿川 介護疲れで殺人が起きようが。
木村 いたたまれないです。私だって母を愛してたけど、やっぱり「もうやってられない」と思ったことは何度でもありますから。そんなに家で介護しろと勧めるんなら、厚労省の課長職以上は親に介護が必要になったら引き取って自分で介護しろという法律を作ればいい。まず自分たちがおむつ交換から全部やりなさいと。
阿川 その前に、厚労省の人たちが介護施設で一年とか研修したらいいのに。
木村 まあでも、たぶんやらないですね。受け入れ先も迷惑だからやらせないと思いますよ。

官僚は日本に絶対必要だからこそ、内部のウミを出さなきゃならない

阿川 そんな諦めないで(笑)。
木村 こういう安心して命を終えられない社会は、メスとしての本能で絶対に幸せにならないな、とわかるから、今のままだと女は子供を産もうなんて思わないでしょう。だから、少子化だってなくなりませんよ。
阿川 木村さんは結婚して、双子のお嬢さんも産んでいらっしゃるんですよね。
木村 子どもが予定日より二カ月ぐらい早く産まれたから一カ月半ぐらい入院して、退院した次の日に二人を連れてタクシーで逃げたんです、ハハハ。
阿川 逃げた!? 旦那様から?
木村 いろいろあって、離婚しました。で、赤ちゃんを一人は背負って、一人はベビーカーでアメリカの大学院に留学したんです。
阿川 たくましいなあ。
木村 でも、アメリカの人はみんな協力的で助かりました。
阿川 今回、政権が代わったことは木村さんにとっては一筋の光ですか。
木村 まだよくわからないです。民主党がどう頑張るか。舛添さんは有能な大臣だったと思います。パフォーマンスは勘弁だけど、あんなに大鉈がふるえる厚労大臣っているんでしょうか。
阿川 舛添さんを評価していらっしゃる。
木村 舛添さんは大臣になりたてのときに医系技官が悪だと見抜いたんです。それで「医療改革は医系技官改革だ」って始めたんですよ。
阿川 鋭い!
木村 厚生労働省の中で実質的に一番ランクが高いのが医政局長と健康局長で、何十年も医系技官が引き継いでいた聖域ポストなんです。このへんの二、三人の意見だけで五十五兆円という医療費を使えるんですから。
阿川 何に使ってたんですか。
木村 補助金事業を多くして、使い道のわからないお金を自分たちの袖の下に入れていたのは周知の事実です。あるいは医系技官のトップの一人が「メタボ対策は大切だ」と思い込んで考えたメタボ検診を広めるためとか(笑)。
阿川 メタボもバカバカしい話なんですか?
木村 そうですよ。メタボ対策が医療費削減になるなんて、どこにもエビデンスないんですから。
阿川 根拠はないの!?
木村 昨年舛添さんは、一番お金と権力を持っている医系局長から医系技官を外して、外から実力も政治力もある人材を連れて来ようとしたけど、医系技官が阻止したんです。今回は政権交代可能性のどさくさにまぎれて、医政局長を文系ポストの保健局長に異動させて、一番危険でおいしいポストから医系技官を追い出したんです。これはすごいことなんですよ。
阿川 舛添さん、偉い! でも、政権交代でいなくなっちゃって、年金問題を暴いた長妻(昭)さんが厚労大臣になりましたけど、この方への期待は?
木村 長妻さんはいかに医系技官にだまされないようにするかが大切。年金に切り込んだことはすごい才能だけど、これから根本的に解決できるかどうかはかなり難しい。
阿川 民主党は二年で解決すると言ってますよね。
木村 データが消えちゃってるんだから無理なんじゃないですか。
阿川 全然期待してないのね(笑)。
木村 民主党も自民党の成れの果てだから。今のままだと、最悪のシナリオはお金がない民主党がだらだら政権を続けて日本を食いつぶし、挙げ句に官僚依存が再来し、また上田みたいなのが出てきちゃうこと。足立信也議員(厚労省政務官)みたいな優秀な人材をどう登用するかが運命を決めますね。
阿川 でもね、私、官僚はひどいとは思いますけど、国民が行政機関だけが悪の固まりで、官僚を潰しさえすれば日本はマシになるって思い込むのも危険じゃないかと思うんです。
木村 それは同感です。昔から官僚はいろいろあったけど、政治家と戦って日本を守ってきた。それをなくして、日本をどうするのかと言いたい。私は医系技官を潰すつもりもないし、厚労省なくなれとも思ってないんです。絶対必要だからこそ、よくしていくために内部のウミを出さなきゃならない。だって、厚労省がなくなったら同じような組織をどこにつくれるんですか。

私が辞めたら誰も厚労省を変えられない。現役が言い続けていかなければ。

阿川 どこにつくるんだろ。
木村 だから、官僚を叩くのはいいんだけど、そのあとを見据えないとダメですよね。それで、政治家なり官僚がお互いに競合していくといい。
阿川 それが今、政治家が「官僚を潰す」って意気込むことが正義の御旗みたいになってるのは怖いことです。
木村 民主党がスローガンとして持ってきたのは「官僚潰し」ですけど、危険ですよね。これから日米安保をはじめとする国際的な問題があるけれど、官僚組織が日本を守ってきたのも事実。それを潰すのは本当に危険なことだって、なぜ誰も言わないのか。
阿川 ただ官僚の方たちもちょっと反省して、自分の仕事を面白くてやりがいのあるものだと思ってもらいたいし、定年退職したあとは、能力あるんだから自分で仕事を探してほしいですね。
木村 官僚組織をよくするためには、私みたいな異端児の意見を聞くことですよ。そうじゃないと、変革は起こらないと思う。私が今一番嫌なのは、自分が触らぬ神に祟りなし状態になってしまっていることなんです。
阿川 大丈夫。じわじわと木村菌が広がって、厚労省の病気も治っていく気がする。ワクチンないし。
木村 ワクチンは効かないでしょう(笑)。もっと大きな視点から考えると、日本って優秀な人材が流出していっちゃう国なんですよ。だから、その人たちが日本に帰って来たいと思うような土壌をつくりたいですね。それから、若い人たちが働きやすい環境もね。
阿川 いろんな嫌な思いをしても厚労省を辞めようとは思わないんですか。
木村 私が辞めたら誰も厚労省を変えられないじゃないですか。私はすべて監視されてるし、いらぬ中傷を受けることもあるけど、現役であることは強みです。現役が言い続けて直していかなければ絶対変わらないですもん。外から言うのは簡単なんですよね。元官僚が「悪いぞ、悪いぞ」と言ったって、それだけなんですよ。
阿川 偉いっ! 今後も期待しております。
(構成・柴口育子)

一筆御礼
『TVタックル』で初めてお会いしたとき、なんとグサッとケロッとコトの本質を突く方かと衝撃を受けまして、これは小誌対談にも是非、来ていただかなければと思った次第です。一見したところではヒョロリと痩せて髪もショートで少年みたいだし、声も高く細く、最初はその逞しさを見抜けませんでした。でもお会いしてみれば、物腰柔らかく語り口は落ち着きに溢れ、でも内面に秘めた闘争心が炎を上げていることはビンビン伝わってまいります。そしてこのたびの対談では木村さんのヒョウキンぶりも判明。最後の記念撮影のときニコニコしながら突如、右手を上げてピースサインを作ったりして、子供じゃないんだから、もう。「私、家族からアガワさんに似てるって言われるの」と言ってキャキャキャと笑われる。私はそんなに優秀でも果敢でもありませんけれど、木村さんの背中に隠れて応援させていただきます。

週刊文春2009年10月8日号
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