Luna's “ Life Is Beautiful ”

その時々を生きるのに必死だった。で、ふと気がついたら、世の中が変わっていた。何が起こっていたのか、記録しておこう。

戦争という現実

2007年03月10日 | 一般
絵本のテキストの部分だけをご紹介します。

これは有事法制が審議されていた2004年に製作されました。

多くの人は、いまどき日本が戦争することなどありえない、
防衛力強化の一環でしかないだろう、というような考えしか持っていないようです。

中には、積極的に国防力強化を主張する人もいるでしょう。
国家意識を高く持ち、「国際的な発言力を高めたい」という気持ちを持つ人もいるでしょう。

そんな人でも、戦争を現実感をもって考える人がどれほどいるでしょうか。
戦争は現実です。

現に日本は今でも中東に駐留しています。
イラクからは撤退しましたが、クェートには航空自衛隊が派兵されていて、
何をしているのかの記録が、黒塗りされて、わたしたちに知らされていません。

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政府による「イラク人道復興支援特措法における実績要項」では、空自の業務は「人道復興支援活動としての輸送およびこれに影響をおよぼさない範囲での安全確保支援活動としての輸送」と説明してある。だがそこでの「人道復興支援活動」と「安全確保支援活動」の割合ですら、政府側は「治安というか航空輸送の安全を考えてゆく上で、これを明らかにすることは…控えさせていただきたい」(2006年8月11日、衆院における額賀防衛庁長官・当時の答弁)という姿勢だ。

いったい、割合ですら「明らかにする」と「安全」に影響が出るような「人道復興支援活動」とは何なのか。だが内容以前に、政府がいくら「人道」を云々しても空自のイラクにおける本質的役割については米軍が雄弁に説明している。米空軍の公式ウェブサイトである「Air Force Link」の昨年(2006年)8月9日版には、空自が同年9月から開始した国連の現地活動支援に関する記事が掲載されているが、そこには次のような記述がある。

☆ 航空自衛隊のC130輸送機が「イラクの自由作戦」を支援するフライトの大半を継続する一方で、C130による活動は国連の人員と貨物についても捧げられる任務を負うことになった。
☆ 現地の米統合軍空軍副司令官であるウィリアム・ホーランド将軍は、「空自の新たな任務は…(略)…イラクの未来の安定確保と対テロ戦争の勝利に役立つ」と語る。
☆ 空自は陸自の輸送を担ったのみならず、CAOC(合同航空作戦センター:イラクにおける戦争作戦全般を指揮する現地司令部)と調整して他の多国籍軍の兵員と貨物を安全に輸送する任務も続けてきた。

この「イラクの自由作戦」、そして「対テロ戦争」とは米軍が2003年3月20日に「フセインの大量破壊兵器」などといったありもしないウソの名目を口実にして開始し、現在も拡大させている侵略戦争そのものにほかならない。「人道復興」などとは無縁な侵略において、その活動が「支援」と見なされ、「勝利に役立つ」と評価されるのは、空自の活動が公表できないのとは無縁ではないだろう。

(「イラクで航空自衛隊は何をしているか」/ 成澤宗男/ 「週刊金曜日」2007年2月2日号より)

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戦争など実際には起こされない、などといって教育基本法「改正」に賛成した人こそ世間知らずで、甘ちゃんではないでしょうか。日本が独自に侵略戦争をすることはなくても、アメリカは独断で侵略戦争を行います。そしていまや日本は、アメリカが要請すれば軍事活動=戦闘ができるように憲法を変えようと着々と法整備が進められているのです。こういう現実を踏まえた上で、「戦争のつくりかた」という絵本のテキストの部分だけご紹介します。

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あなたは戦争がどういうものか、知っていますか?

むかしのことを聞いたことが
あるかもしれません。
学校の先生が、戦争の話を
してくれたかもしれません。

話に聞いたことはなくても、
テレビで、戦争している国を見たことなら、
あるでしょう。




わたしたちの国は、60年ちかくまえに、
「戦争しない」と決めました。
だからあなたは、戦争のために
なにかをしたことがありません。

でも、国のしくみや決まりをすこしずつ変えてゆけば、
戦争しないと決めた国も、戦争できる国になります。

そのあいだには、
たとえば、こんなことがおこります。




わたしたちの国を守るだけだった自衛隊が、
武器を持ってよその国にでかけるようになります。

世界の平和を守るため、
戦争で困っている人びとを助けるため、と言って。

せめられそうだと思ったら、先にこっちからせめる、
とも言うようになります。




戦争のことは、
ほんの何人かの政府の人たちで決めていい、
というきまりを作ります。

ほかの人には、
「戦争することにしたよ」と言います。
時間がなければ、あとで。




政府が、
戦争するとか、戦争するかもしれない、と決めると、
テレビやラジオや新聞は、
政府が発表したとおりのことを言うようになります。

政府につごうのわるいことは言わない、
というきまりも作ります。




みんなで、ふだんから、
戦争のときのための練習をします。

なんかへんだな、と思っても、
「どうして?」と聞けません。

聞けるような感じじゃありません。




学校では、
いい国民はなにをしなければならないか、
を教わります。

どんな国やどんな人が悪者か、も教わります。




町のあちこちに、カメラがつけられます。
いい国民ではない人を見つけるために。

わたしたちも、おたがいを見張ります。
いい国民ではない人がまわりにいないかと。

だれかのことを、
いい国民ではない人かも、と思ったら、
おまわりさんに知らせます。

おまわりさんは、
いい国民ではないかもしれない人を
つかまえます。




戦争が起こったり、起こりそうなときは、
お店の品物や、あなたの家や土地を、
軍隊が自由に使える、
というきまりをつくります。

いろんな人が軍隊の仕事を手伝う、というきまりも。

たとえば、飛行機のパイロット、
お医者さん、看護師さん、
トラックの運転手さん、ガソリンスタンドの人、
建設会社の人などです。




戦争には、お金がたくさんかかります。

そこで政府は、税金をふやしたり、
わたしたちのくらしのために、
使うはずのお金をへらしたり、
わたしたちからも借りたりして、
お金を集めます。

みかたの国が戦争をするときには、
お金をあげたりもします。




わたしたちの国の「憲法」は、
「戦争しない」と決めています。

「憲法」は、
政府がやるべきことと、
(政府が)やってはいけないことを
わたしたちが決めた、
国のおおもとのきまりです。

戦争をしたい人たちには、つごうのわるいきまりです。

そこで、
「わたしたちの国は、戦争に参加できる」と、
「憲法」を書きかえます。




さあ、これで、わたしたちの国は、
戦争できる国になりました。

政府が戦争すると決めたら、
あなたは、国のために命を捨てることができます。

政府が、「これは国際貢献だ」と言えば、
あなたは、そのために命を捨てることができます。

戦争で人を殺すこともできます。

おとうさんやおかあさんや、
学校の友だちや先生や、近所の人たちが、
戦争のために死んでも、悲しむことはありません。

政府はほめてくれるのです。
国や「国際貢献」のために、いいことをしたのですから。




人のいのちが世の中で一番たいせつだと、
今までおそわってきたのは「間違い」になりました。




一番たいせつなのは、「国」になったのです。




もしあなたが、「そんなのはいやだ」と思ったら、
お願いがあります。

ここに書いてあることが
ひとつでもおこっていると気づいたら、
おとなたちに、
「たいへんだよ、なんとかしようよ」と
言ってください。

おとなは「いそがしい」とか言って、
こういうことになかなか気づこうとしませんから。




わたしたちは、未来をつくりだすことができます。

戦争しない方法を、えらびとることも。


(「戦争のつくりかた」/ りぼん・ぷろじぇくと・文)

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この本は、ぜひお子さんとともに、また家族とともに読んでほしいです。定価630円(税込み)、マガジンハウスから発行されています。
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Unknown (we)
2007-03-19 18:43:53
休日に寝だめ」は逆効果=平日差大きいほど不眠、抑うつ-働く人の睡眠調査
3月17日6時31分配信 時事通信


 普段の寝不足、休日に補えません-。休みの日に遅くまで寝ている人ほど、不眠や抑うつを訴える割合の高いことが17日、働く人を対象とする内村直尚久留米大助教授(精神神経学)の調査で分かった。平日の睡眠時間の短さは、抑うつと強く関連していた。
 同助教授は「時間が不規則だと熟睡感が得られない。良い睡眠のためにはできるだけいつも同じ時間に起きることが重要」としている。
 調査は昨年12月、首都圏の35~59歳の勤労者約9000人を対象にインターネットで実施、約6000人から有効回答を得た。
 それによると、平均睡眠時間は平日6.1時間、休日7.3時間。休日の起床時間が平日より2時間未満遅い人が不眠を自覚する割合は25.9%なのに対し、2~3時間で29.4%、3時間以上で33.3%と、平日との差が大きいほど不眠の人が多かった。
 抑うつ経験も、2時間未満4.3%、2~3時間5.2%、3時間以上6.2%となった。 

最終更新:3月17日7時1分
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