Luna's “ Life Is Beautiful ”

その時々を生きるのに必死だった。で、ふと気がついたら、世の中が変わっていた。何が起こっていたのか、記録しておこう。

1979年

2005年03月26日 | 一般
わたしは1979年3月にエホバの証人として正式に入信しました。エホバの証人は「バプテスマ」という儀式により組織の正式な一員として登録されます。プールに水を張り、すっかり水中に浸されてしまう儀式です。あっというまに終わるものなので特別な感想は起きません。実を言うとわたしはエホバの証人にはなりたくなかったのです。しかし親が両方ともエホバの証人だし、わたしは人と上手につきあえない性質だったので、世の中から逃げたのです。エホバの証人の中でならそれまで慣れ親しんできたし、新しい挑戦に向かってゆくというような、健全な生き方をしなくてもプライドを持てるという安易な考えから入信したのでした。

エホバの証人は1975年に大きな恥をかきました。その年に「ハルマゲドン」が到来して、「キリストの支配する王国」が地上を治めるようになる、その際世界中の国家という国家は滅ぼされるという「預言」を真に受けて、仕事をやめたり、年金の支払いを止めたりしていました。もちろん世界は1975年もそれまでどおり続きましたし、12月31日が明けると1976年が到来しました。この件がもとで、かなりの人がエホバの証人の組織を離れました。当然ですよね。ちょっと知力を働かせれば、エホバの証人の主張していることって、矛盾だらけでとても人生を導く思想などにはなりえないのは分かるのです。それでも、エホバの証人を去った人と残った人とを比べると、依然として残った人のほうが多かったのです。

人間って理知ある生き物だと思いますか。人間は理性で自分と社会を啓いてゆくものだと思いますか。わたしはそうは思いません。人間はきちんと教育されないと堕落や退廃に身をゆだね、怠惰に生きようとするものなのです。そういう生き方を正当化するために、いろんな知識を動員し、理屈をこねて「教理体系」を作り上げます。とてももっともらしい理屈です。むかし、「巨人の星」っていうアニメがありました。主人公は「大リーグボール」という魔球を考案してライバルと闘うのですが、その大リーグボールの2号というのが「消える魔球」でした。その消える魔球の原理を覚えてらっしゃいますか? ボール自身の特殊な回転が砂煙を巻き込み、またバッターの寸前でグラウンドの砂煙を巻き起こすことで、カメレオン効果を生み、消えるように見えるというものでした。

エホバの証人の信じている教理とはおおかたこのような類の理屈なのです。なぜこんなばかげた話を大の大人が信じて、生活を変えてまで信心するのでしょうか。こんなばかげた教理を主張する宗教に輸血を拒否して死ぬことになってもなぜ義理立てするのでしょうか。エホバの証人はほんとうに人間を向上させるでしょうか。わたしは元エホバの証人として経験したことにもとづき、こうしたことにひとつの答えを問うてみようと思います。
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2 コメント

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はじめまして♪ (あらら(果実))
2005-06-25 18:46:35
はじめまして、引き込まれて読ませていただきました。私も1979年のバプなんです、現役の頃は協会の出す出版物を理解しようと努力したものですが・・ルナさんの文章は私にとって、努力必要なしのとても説得力のあるものです、

これからも読ませていただきイロイロ考えていきたいと思っています、いい日記と出会えました。
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はじめまして (ルナ)
2005-06-26 00:55:15
あららさん、コメントをありがとうございます。



「努力の必要なし」なんて言ってくださったのはとても新鮮でした。どちらかというと、理解しにくい文章だって言われたものですから、現役の頃から。



かなり感情的になっているときに記事を載せることが多いので、きっと重苦しく思われるでしょうけれど、エホバの証人ははっきり言って、怒るべき存在だと思います。



戦争被害や不慮の大事故を風化させまいとする活動が高く評価されるのであれば、エホバの証人のような宗教への憤りも「宗教のことだから」と言って見過ごしてはならないと思います。



わたしは無神論者なので、宗教的な方々には心苦しく思われる内容だと思います。だから、エホバの証人に憤りを覚えたときにだけでも、見ていただければうれしく思います。



よろしくね。

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