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温暖化防止、COP14閉幕 先進国、途上国に溝

2008年12月19日 | Weblog

◇期限までの合意険しく

 京都議定書後の温暖化対策の枠組みを話し合う国連の「気候変動枠組み条約第14回締約国会議(COP14)」が13日、進展のないまま閉幕したことで、温室効果ガスの削減義務など「次期枠組み」の合意期限となっているCOP15(来年12月)までに、作業が間に合わないとの懸念の声が強まっている。今回の会議では、来年発足する米オバマ政権への期待から、議論は「様子見」の気配が強く、先進国と途上国の溝だけが改めて際立った。

 「2050年に世界全体の温室効果ガスを少なくとも半減するという長期目標を、途上国も共有しよう」(日本)「先進国がまず(20年ごろまでの)中期目標を決めなければ、長期目標など空疎なスローガンにすぎない」(中国)

 条約加盟国の閣僚が顔をそろえた11日の円卓会合。今後の温暖化対策について認識を共有することが狙いだったが、日中の発言の温度差は、先進国と途上国の溝の深さを際立たせ、交渉の困難さをも示した。

 京都議定書は先進国に対して、温室効果ガスの削減義務を数値目標として課している。ただ、この間に中国やインドなど、急速な経済発展を遂げた途上国は少なくない。次期枠組みの最大の焦点は、こうした「新興国」にも応分の責任を持ってもらうことにある。日本や英国、カナダなどが主張する「長期目標」は、新興国の協力をうながす布石だった。

 しかし中国などは「削減義務は経済発展を妨げかねない」として反発。「先進国の中期目標設定が先」と譲らず、結局、先進国、途上国どちらの目標についても合意できなかった。次期枠組み交渉の入り口にさえ立てていない。

 とはいえ、残された時間は1年しかない。COP14で合意した今後1年間の作業部会では、計4回の交渉が予定されている。しかし次期枠組みの原案が示されるのは来年6月。日本政府内には「膠着(こうちゃく)状態を打開するには、長期目標も中期目標も同時に決着させるしかない。しかし時間がない」(交渉筋)との見方が広がっている。

 次期枠組みは新興国を含む各国の国益に直結する。さらに、先進各国の国別の削減目標、途上国への資金支援、技術移転のあり方など、交渉項目は多岐にわたる。「最終合意は再来年のCOP16までずれ込む」との観測さえ流れている。【江口一】

 

◇期待はオバマ氏 会場にいない次期リーダーにラブコール

 今回のCOP14の「主役」は、会場に姿のないオバマ次期米大統領だった。

 11、12日の閣僚級会合では、各国からオバマ氏に期待する演説が相次いだ。COP15議長国デンマークのヘデゴー・気候エネルギー相は「ブッシュ政権はあと数週間で去る。重要なのは、オバマ氏が発する新しいシグナルを歓迎することだ」と言い切った。

 世界の二酸化炭素排出量の約2割を占める米国は01年に京都議定書を離脱しているが、次期政権が枠組みに参加すれば世界全体での実質的な排出削減につながり、排出量が米国に匹敵する中国など経済発展著しい新興国に対しても削減を求めやすくなると期待される。とりわけ気候変動対策に積極的なオバマ氏なら、米国の姿勢を大転換してくれるだろうとの期待から、COP14でも交渉開始は「オバマ氏就任後」というのが暗黙の了解。会場にいない次期リーダーにラブコールを送るのが関の山だった。

 参加した日本のNGO(非政府組織)関係者は「特別作業部会の決定には実質的な内容も新たなメッセージもない。昨年のバリ(COP13)から後退はしなかったが、前進しなかった」と批判した。

 金融危機に伴う景気後退も影を落とした。これまで温暖化交渉で主導権を握ってきた欧州連合(EU)。「環境先進国」のドイツが、景気後退を受けて温暖化対策への消極姿勢をにじませるなど、EUは、最後までリーダーシップを発揮できなかった。【ポズナニ(ポーランド)大場あい】

 ◇前向き目標掲げ、日本がリードを--COP14に参加したNPO法人「地球環境と大気汚染を考える全国市民会議」の早川光俊専務理事の話
 今後の交渉で複雑な問題が山積しているのに、このままでCOP15に間にあうか心配だ。オバマ氏の就任を待たなくても議論できることはある。日本も排出削減が進まなければ海外の信頼を集められない。前向きな目標を掲げて交渉をリードする姿勢に転換してほしい。



 

■09年の温暖化交渉をめぐる主な日程

1月   京都議定書から離脱した米国でオバマ大統領就任
3月   日本主催の排出削減方法論ワークショップ
3月末  作業部会。先進各国が、自国内での中期目標に関する検討状況を報告
6月   作業部会。次期枠組み原案を提示
7月   主要国首脳会議(イタリア・マッダレーナ島)
8~9月 作業部会。削減目標などを討議
12月  COP15(コペンハーゲン)。次期枠組みの合意期限

 ※環境省資料などを基に作成



 

■ことば

 ◇COP14
 「Conference of the Parties」(締約国会議)の第14回会議のこと。国連気候変動枠組み条約の第1回締約国会議(COP1)は、1995年3月にベルリンで開かれ、「京都議定書」は97年のCOP3で採択された。議定書の約束期間(08~12年)が終わった後の枠組みは、09年にコペンハーゲンで開かれるCOP15で決定する予定で、今回会議は合意に向けた議論の場だった。






毎日新聞 2008年12月14日 東京朝刊
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