心理学の本(仮題)

【職場に】心理学書編集研究会(略称:心編研)による臨床心理学・精神医学関連書籍のブックレヴュー【内緒♪】

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【推測憶測どんとこい】この日本に,臨床心理士は,いったい何人必要か:後編~マーケットは全人口?!

2007-07-12 15:20:55 | 臨床心理学
9割9分完成してたファイルが消えてて,一からやり直しで,マジ泣き寸前ですが,頑張ります!

さてさて,昨日からやっております,臨床心理士のニーズにつきまして,最後のほうで「有資格者:6万人,実働:4万人」とブチ上げたわけですが,これだと,2万人が余剰人員ということになるわけで,そこらへん気になった方もいらっしゃるかと思います。

まあ医師や弁護士ならいざ知らず(医師免許とってマンガの神様になっちゃった人もいますが),通常,資格取得者がそのまま就業人口になる,ということはあんまりないですね。たとえば,社会福祉士(SW)だと,資格保持:実働が3:1すなわち,実働率30%ということですが,まあそうだろうと思いますよ。臨床心理士だと,高度な専門教育を受けるという意味では,もうちょっと実働率は高いだろうと思いますが,それでも,資格保持=実働つうのはありえないかなと(この割合は男女比にもよるし,給金の多少にもよる。もちろん,職場数の増減にもよります)。

それに,臨床心理士の資格取得者で,医師やナース,PSW,教員,弁護士(なんて方もおられるとか)などの複数にまたがっている専門職の方もおられるでしょう。あるいは,資格オタクとか。そういう方も,2万人のなかには含まれます。それだけでも,けっこうな数になるはずですよ。また,女性が多い専門職なので,結婚や出産など,どうしても離職することも多いだろうから,資格保持>実働にきっとなるわけですね。

という観点から見て,「有資格者:6万人,実働:4万人」なのでして,すなわちpsy-pub的には,臨床心理士のニーズを4万人とみて,それを無理なく支えるベースの人数として,6万人,と,かのように考えております。

ま,しかし,「4万人,多すぎ! グワシ!」なんていうひとも多いかと思いますが,年齢的な変化もありますし,今後は若年層の「エリート」をとりこむ必要があります。「ガイヤの夜明け」みたいなことを言ってますが。取り立てて給料がいいというわけではないですから(悪いというわけでもないけれど),そのためには業界として他の要素を持っておく必要があると思います。基礎人数として6万人くらいあることは,いろんな意味で必要じゃないかと思うわけですよ。

で,そろそろその4万人とやらの内訳をさらしていきたいと思うわけですが,もうひとつその前に「ニーズってなんじゃらほい」つうことを考えておきたいわけです。

ニーズ,需要,それは,気がつけばそこにあるもの,であれば誰も苦労しないわけですが,気がつくのがひとりとは限らないわけで,世知辛い資本主義社会,ニーズのあるところには壮絶な陣取り合戦が展開されるわけで,それが嫌なら,ニッチなニーズを手前で作り上げるという,ある種の自家生産をせねばならないのですね,通常は。

あと,それに関していえば,たとえば,そのサービスが無料で受けられるのか,有料で受けられるのか,っつうのは当然,大きかったりしますね。もしアンケートをしてニーズをはかっても,無料だったら,そら,多くの人が受けたいと言うに決まっています。でも,精神分析療法(週4回,カウチ+自由連想)のごとく,1万円over/時間――なんてことになりますと,たいていのことでは受けません(受けたくても受けれません!)。これは極端ですけどね。

しかし,たとえば医療だと,地域によっては(東京なんかそうですが),子どもの医療費が免除だったりし,私の住んでいた街では無料だったのですが,そうなってから,小児科混む混む押すな押すなの大賑わいのお祭り騒ぎ。高齢者医療費無料時代の待合室のようですよ。客が老人と子どもという違いはあるにせよ。これも無料のゆえでしょう。子どもの多い時代に子どもだった私ですが,こんなに小児科に子どもはいなかった気がします。

まあこれが小児科医療にとって,どういうことなのか,実はさまざまな問題を含んでいるともいえるわけですが,少なくとも,この小児科診療のニーズは,医療費免除というシステムが作り出したものであり,決して,親御さんたちすなわち顧客の側の「無料の小児科医療の提供を」というニーズを叶えたものではない,ということになりますか。

結局,ニーズというものを考えるとき,実は,そのサービスの提供の仕方ないし提供の仕方のシステムづくり(財政的なものを含めた)のほうが重要になってくるわけで,そういう意味では,ニーズなんていうのを,顧客の側から測ろうとするなんて,意味がないことこの上なしだと思うわけです。

また前置きが長くなってますが,これらを踏まえた上で,ようやく本論にいってみましょか。

――――――

★臨床心理士の潜在的・顕在的ニーズについて★


1.医療領域

精神科のある病院やクリニックは,Yahoo!ヘルスケアで検索すると,4462箇所,心療内科が2322,被っているのも多いから,ざっと,5500箇所くらいのところで,「こころ」を扱っている感じになるでしょうか。
●参照:Yahoo!ヘルスケア - 病院情報

そして,そのほとんどに,臨床心理士は入っていない! おそらく半分くらいじゃないでしょうか。病院勤めの臨床心理士は,3~4000人くらいと聞いたことがあり(P.C.),それには,非常勤の人や,2人(以上)職場(あんまりないみたいだけど)も含まれるわけですから。

でも,まあ,ここを何とかすれば,臨床心理士においては,

1万人

くらいのニードが病院臨床で認められるはずかなと。精神科のある大きな総合病院だったら,3~4人はいてもいいと思いますし,精神科関連に限らず,内科や産婦人科,小児科,高齢者医療,終末期医療などでの希望もあるでしょうしね。まあそれも相当「頑張った上で」でのことですけどね。

ちなみに,看護師は,正・準合わせて,100万人で,看護協会の会員は56万人。一方,精神科看護協会には4万人が登録してます。同じような比率で登録しているとして,精神科の看護師は7.12万人いることになります。それに対して,臨床心理士1万人……,まあいいところではないでしょうか。


2.教育領域

で,医療領域とあわせ2大領域といえるのが教育領域ですが,幼稚園~大学までと幅広く,

保育園:22,699
幼稚園:13,949
小学校:23,123
中学校:11,035
高 校:5,418
大 学:700(くらい?)
●参照:Wikipedia(それぞれ検索)

まあ専門学校やフリースクール,予備校などもあるけど,それは今は除きます。合計すると,76,924校! 毎日,心理がいなくてもいいとすると,

2万人

くらいでいかがでしょうか。

ま,これだけだとなんですけど,先日のニュースに「いじめ低年齢化、小学校へもカウンセラー派遣充実へ…政府」というのがありました。
●参照:YOMIURI ONLINE

これによるとスクールカウンセラーは「公立の小中高約1万校で約5,800人が活動している」そうですが(中学の普及率72%),上記の小中高の合計が約4万とすると,単純計算で,23,200人,普及率が70~80%つうのがひとつの目標になってるようなので,18,560人! これにその他があると考えると,まあ2万人,いいところじゃないでしょうか。もちろん,ニーズを掘り起こして,そこに送り込めれば,の話ですけどね。


3.司法領域

もうこれはほぼ固定になりますが,

3,000人

その内訳は,
 家裁調査官→1500人。(半分以上は心理出身?)
 児童福祉司→1500人。(心理出身はさほどいない?)

もし増えるとすれば,これ以外に,警察に勤める犯罪がらみの相談(非行やDV)や犯罪被害のサポートが業務の心理相談員というのがあり,警察署は10万人に1署くらいの割合であるらしいので,仮に各署に配属されたとして,1000人。ま,さすがにそんなに不要でしょうけど,4署に1人で,250人もいれば十分でしょう。他に,刑務所や少年院,児童相談所,児童養護施設などなど,けっこうある。頑張れば,ですが。
●参照;
子どもの法律入門―臨床実務家のための少年法手引き子どもの法律入門―臨床実務家のための少年法手引き
廣瀬 健二

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4.福祉領域

100万人いる精神障害者や認知症患者のための,民間施設,行政などを含めて,現状では,SW,PSW,MSW,民生委員(ボランティア)を含めて,10万人くらいなんだそうですが(実働は4万人くらいのようです。P.C.),これをサポートする役割と考えると,

4,000人

くらいいれば十分かな。かなりドンブリ勘定度が上がってきましたが……。まあでも,介護福祉を入れると,4000人という数字がなんとなく現実になるかもという気もしないでもないです。あと,たとえば,作業所の集まりである「きょうされん」には6000の作業所が登録しているそうです(身体から精神まですべて含む)。ゆえにニーズを「作り出せる」余地はあるかと思います。いきなりいってもダメですが。


5.臨床心理士の教育

臨床心理士の教育に携わるのが

2,000人

くらいになりますか(超ドンブリ)。これには,大学等の教育機関に加え,非大学系のSVなども含まれます。現在,1000人弱ということで,まあ資格保持者を少なくとも倍増させるという意味では,このくらいいないと,臨床心理士が永続的に増えていきませんネ。それにここのクオリティがそのまま評判や質にかかわっていくかと思うと,人数もさることながら……かなり重要なポイントになってくるのではないかと思うしだいです。


6.企業・産業領域

国内証券取引所上場企業の数は,約4000社。そのうち,4社に1社くらいあってもいいかな,と思います。

1,000人

ドンブリ勘定も大概にしろって感じですけど。

ま,専属ではなくてもね。今後,リーマン生活は厳しくなると予想されますから,キャリア・カウンセリングは広がるかな,という気もします。旧労働省のキャリア・カウンセラーの資格があるんですが,もっと臨床心理士がとって働いてもいいでしょう。また,中小企業までを入れると,もっと増えるでしょう。


7.開業領域

2007年(平成19年)3月31日の時点で,市が782,町が827,村が195,合計1,804になっているそうですから
●参照:都道府県市区町村

2,000人

DONBURI乙! これはずばり,市町村の数です。ま,さほどおかしな数字ではないかな,と自らに言い聞かせております。いかがでしょ?

…………

以上をまとめると,

1.医療領域:1万人
2. 教育領域:2万人
3.司法領域:3,000人
4.福祉領域:4,000人
5.臨床心理士の教育:2,000人
6.企業・産業領域:1,000人
7.開業領域:2,000人

臨床心理士,4万人

人口3,000人に1人,臨床心理士がいる,くらいの計算ですね。人口の0.03%ということで,英米の0.06%に比べるとちょっと少ないですが,まあお国柄というのもあるし,妥当なところではないかとおもいます。

もちろん,条件として 1)マーケットを掘り起こせること,2)国家資格化――がある。ただ,その俸給のほとんどが,国家予算でまかなわれるところがあるんだけれどね。

ま,でも,「有資格者:6万人,実働:4万人」なんつっても,それが実現できるのは,国家資格になって,保険点数がついてからでしょう。それまでは,いまくらいのペースで微増じゃないでしょうか。

国家資格にならないと,35,000人くらいで止まりそうな気がします,辞めていくし,(文字通り)死んでいくし。それでも,1500人ずつ出てけば(平成18年度1,635人),45年後には6.7万! ま,70歳まで皆元気に働いた,として,ですけど。

ま,国家資格云々をさておいても,現状のままだと,もうほとんどパイは埋まっており,マーケットの掘り起こしはなんにしろ必要なわけですけどね。

あとはヨタ話を。

産業規模で言えば,2,000億円産業! 500万円くらいが平均年収だとすれば,という計算ですが,ま,この2000億円という数字は,そのまんま宮崎県知事もとい人件費にもなる。カウンセリングは100%サービス業ですので。

となると,周辺人口3000人が,年に1700円くらいを落とす計算になる。平均単価が1.7万円だとすれば,年300人くらいがお客さんか。全額実費でないとすれば,無理ない数字だと思います。

したがって,国家資格化を前提に,就業のほとんどは「公務員」。民間医療施設も,ほとんどが保険点数(7割は国家予算)でなりたっていることを考えると,その分は公務員ですし,2000億円のうち,半分が税金だとすれば,1000億円。ま,東京湾に橋を建てるより,安いです(1.4兆とか)。東京都庁舎が1500億円。東京オリンピックよか,ずっと安い(!)。

で,その1000億円が国家が投資するとして,効果があるか,ということを考えているわけで,臨床心理士がイメージどおりの働きをするとすれば,ま,安いんじゃないかな,と思います。世の中ますます殺伐とするわけですしね。

ちなみに,厚生労働省「障害者白書」によると,精神科医療費は,1.7兆円だそうです。一般診察医療費は,24兆円弱。ま,なので,2000億円=4万人という数字もあながち,うそっぽくない気がしてきました。
●参照:障害者白書

あと,医療がらみでいえば,精神科医が減っているから,地方ではニードは増えるんじゃないかと思います。カルフォルニアで臨床心理士が投薬権をもてたのは,精神科医が減って,売上げが落ちた製薬会社(!)が法に圧力をかけた,というのが理由なんだそうだけど,似たようなケースが起きるかもしれないです。少なくとも,ナースの権力は拡大させる方針らしいから,他のコメディカルの権力も伸びていくだろう。医師の人件費を考えれば,当然のことであります。

今後の福祉・医療政策を考えると,どう考えてもジリ貧なわけで,医師は予算的にも人数的にも相当減っていくはず。そうなると,コメディカルのパワーが相対的に上がると思われる。というか,上げないと医療行政が立ち行かなくなるはず。指導か指示かなんて,どうでもいいような事態になる。産婦人科と助産師みたいなもんだ。それが,あらゆる医者と専門職の間に広がっていくだろう。その前に国家資格化したほうが,あとあと遺恨を残さないと,個人的には思います。

最後に,タイトルに「マーケットは全人口!」とあるのですが,これは半分冗談なんだけど,それほど冗談でもないんだよね。

もちろん,心理療法やカウンセリングに合わない人(知的水準が著しく低い人や攻撃性と反社会性が強い人などがそうらしい)もいるので,全人口というのはウソなんだけど,それでも,多くは人生のどこかでカウンセリングっぽいものを必要する時期があると思う。地縁や血縁も薄れているしね。日本では弁護士はえらい高いし。

そもそも,カウンセリング業界は,SCをやっていることで,「カウンセリング」への敷居を低くしてますね,確実に。つまり,これはマーケットの掘り起こしですよ。そういう意味で,いまの10代の子の認識と,相談事なんてほとんどしたことがないはずのわれわれの世代とはまったくニーズが違うでしょう。一度相談したことがある人は,また相談するだろうし,ハードルは低いです。無料じゃなくても,OKかと思いますよ。

そういう意味で,先に「ニーズはそこに漠然とあるものではない」と書きましたが,ま,これ言い換えると,会社勤めの人にはおなじみの説教「仕事は自分で作るもの」というのに似てる気もしないでもないですね。臨床心理士にしろ,スクールカウンセラーにしろ,さらにそれ以前の心理職の仕事っつうのは,先人たちの血眼の努力のうえに成立してきたわけですから,資格を取ったら,あとは巣の中の雛鳥よろしくピーピー鳴いて親鳥がせっせと運んでくる餌を口をあけて待っている,っていうんじゃ,あんまりにもあんまりじゃないですか。

もちろん,できること・できないことの見極めつうのは大事ですし,枠とかそういうのも大事なんですけどね。個人としてできることもあるし,そういう中から,業界としてできることにつながっていくものもあるかもしれない。業界全体の努力は必要ですが,その業界を支えるのは個々人の日々の活動もであり,ニーズっていうのはそういうもんなんじゃないかと思ったりもするわけですね。

」という物語。


●関連エントリ
【推測憶測どんとこい】この日本に,臨床心理士は,いったい何人必要か:前編
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7 コメント

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ありがとうございます (つなで@実働部隊)
2007-07-12 19:20:07
PSY-PUBさま
興味深く読ませていただきました。
さすがによくこの業界のことを知っていただいているなと感心しました。
「非常勤かけもち型勤務」の人が多いので、働いている延べ人数と実人数にかなり差があるかとは思いますが。

今の調子で認定臨床心理士が、年間約1500人ずつ増えるとすれば、10年後には、有資格者が3万人を超える計算になります。
心理職には、認定臨床心理士以外の方もあり、10年後には、資格がどうなっているかわかりませんが…。
PSY-PUB勘定を参考にすれば、ひとまず3万人部隊が実際に働くことは可能かもしれませんね。
さまざまな機関の数から考えて、そのあたりにひとつの目途があるのかもしれません。

もちろん、問題は中身なのですけれど。
とてもはげみになるエントリを、本当にありがとうございました。
Unknown (psy-pub)
2007-07-13 13:21:18
つなで様

コメントありがとうございます。

>「非常勤かけもち型勤務」の人が多いので、働いている延べ人数と実人数にかなり差がある

これは現状そうですね。ただそれを考慮すると,見積もりは4万人より減ることになりますね。別に減ってもいいですけど。理想的には「常勤・一職場」だと思いますので,そのように計算した次第です。

>3万人部隊が実際に働くことは可能かもしれませんね

本文に書きましたが,現状だと難しかろうと思います。これはただ掘り起こせるニーズがあるというだけに過ぎませんし,実際にはそれは掘り起こせてないものがほとんどです。まあこれは資格問題とほぼ一体だと思いますが。

>心理職には、認定臨床心理士以外の方もあり

すべての心理職の合計が4万(実働)と考えていますので,この先,他の資格がどれだけ残るのか分かりませんが,残れば残るほど「認定臨床心理士」の数は少なくなるだけのことです。別にそれが何であれ構いません。

最初に書きましたが,海外の基準に照らして,修士以上を標榜してるのは,臨床心理士だけなので,誤解はあると思いつつ,これに代表させました。他意はないです。

卒後の研修システムという問題もあろうかと思いますけど,それも他の資格が臨床心理士以上に充実しているとも聞きませんので,平均的には分かりやすいのではないかと思います。

一ユーザー的には,そら学部よりも修士,修士よりも博士のほうが安心できる気がしますけど,それは私だけかもしれず,わかりません。
Unknown (千尋)
2007-07-15 23:28:24
こんにちは&はじめまして。

産業領域でスタートして学生相談に移って
干支が一回りしたのでまた産業領域に戻った
一臨床心理士の千尋と申します。

産業領域の試算ですが、
今のところ、企業が直接心理士を雇い入れるよりも、
企業本体または健保組合が、
福利厚生関連のサービスを提供する会社と契約して、
そこの心理相談を、健保被保険者が利用するスタイル、
またそういった会社から派遣されたカウンセラーが
社内で相談を承るスタイルが結構あるかと思います。

そうすると、会社の数の割には少ない心理士で済んじゃったりするかもしれません。
Unknown (psy-pub)
2007-07-17 12:55:12
千尋さま

コメントありがとうございます。

個人的には,心理職の職域の中で,産業領域はなんとなく過小評価されてるような印象を持っております,と前置きした上で,

>会社の数の割には少ない心理士で済んじゃったりするかもしれません

なるほどですね。

少し気になるのは,現状のシステムはさておいて(もちろんこれは大きいですが),私が出した数字もさておいて,根本的に,ニーズは飽和してるのか,それとも掘り起こす余地があるのか,というところで,さらに余地があるとしても,それほどでもないのか,かなりあるのか,どうなんでしょうかね。

掘り起こせたとしても,現行の枠組み内では,配置増加はあまり見込めない,ということもあろうかと思いますが(おそらく千尋さんの考えはここでしょうが),そういう枠組みの評価も含めて(全部ひっくり返せという非現実的な意味ではなく),ニーズを洗いなおしたら,どういう感じになるのか,気になるところです。

まあ,本当は,産業領域に携わる方がたの現状の人数くらい調べてから言えという感じなんですけどね(自分に)。
追加情報 (産業精神保健)
2007-07-18 01:38:49
産業精神保健に携わる心理士です。

千尋さまのコメントに追加させていただく形で、私見ですが、情報提供させていただきます。

私の所属する企業グループの社員は、現在約9~10万人ほどと思われます。その社員数に対し、常勤の心理士は約5名、非常勤が約4名雇用されています。

つまり私の所属する企業グループの場合2万人近い社員で、1名の心理士を賄っていることとなります。

経営陣、労働組合の本音は、ともに経営問題、労働対策問題が隘路にはまっているので、それらの問題を社員の心理的な(いわゆるメンタルヘルスの)問題として部分的にでも転嫁したいのです。そのような本音、意図があると、私は確信しています。

ですから、少なくとも私の所属する企業グループにおいて、心理士を雇用する意図の本質は、会社の単なる体裁の取り繕いの域を出ないと考えています。

また社員の心の健康に配慮していることを、対外的に提示し、ブランドイメージ(およびCSR)の向上に利用している中小企業も、IT関連の企業を中心に散見されます。

これらの現状を鑑みると、この業界で言われているほど、産業領域における心理士の雇用は期待できない、というのが私の考えです。
Unknown (psy-pub)
2007-07-18 09:47:56
産業精神保健さま

現状のご報告ありがとうございます。
たいへん勉強になります。

>2万人近い社員で、1名の心理士

なるほどですね。

平成17年の国勢調査によると,就業人口の総数は,およそ6,000万人(イギリスの総人口と同じ)です。

http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2005/sokuhou/02.htm

仮にここから,農業や小売業などの個人経営的なものを差っ引くとして,いい加減ですが,たとえば一般企業・官公庁の就業人口が2,000~3,000万人(ホント適当です)くらいとしましょうか。

とすると,2万人に1人と同じ割合でいっても,1,000~1,500人が見込める,ということになると思います(もちろん皮算用にすぎませんが)。さらに非常勤のかたが常勤になるとすれば,その約1.8倍になりますか(皮算用)。

>企業グループにおいて、心理士を雇用する意図の本質は、会社の単なる体裁の取り繕いの域を出ない

>これらの現状を鑑みると、この業界で言われているほど、産業領域における心理士の雇用は期待できない

それは仰るとおりだと思います。企業側は,労災しかり,なんであれお金出すのはいやですから当然でしょう。

そこで,本文にも書いたのですが,

************
……ニーズなんていうのを,顧客の側から測ろうとするなんで,意味がないことこの上なしだと思うわけです。
************

自主的に企業がメンタルヘルス対策に取り組むなんてことはなく,それはメンタルヘルスに限らず,環境対策にしろ,同じです。そういう意味では,「企業からの」需要なんて待っていたら,日が暮れます。それは産業精神保健さんがおっしゃる現状を見るまでもなく,ですね。

ゆえに,制度化および国家資格化,ということになるわけですし,私の話もそこを前提にしています。そこではじめてニーズが生まれるわけです。

……なんて,それが出来たら苦労しない,といわれそうですが(当たり前ですが),希望的観測も含めて考えていかないと,想定されるニッチはしぼむばかりですよね。そう思います。
追記です (psy-pub)
2007-07-18 19:02:21
産業精神保健さま

先のコメントで,自分のドンブリ勘定を補強するようなことを書いておいてなんですが,これちょっと机上の空論に走りすぎな気もしてきました。

産業精神保健さんが実感しておられるような産業領域特有の文脈というのは確かにあり,それは制度云々よりも,より根本的な問題なのかもしれません。

また千尋さんが書かれているような,アウトソーシング的な精神保健サービスというのは,地域の精神保健とも重複する部分が出てくるでしょうし(身体疾患でも,場合によって,会社指定ではなく,近所の病院に行ったりするように),そういうことも含めて算出(ドンブリ勘定にせよ)しなければいけないなと思いました。

いずれにせよ,考える機会を与えていただいて感謝しております。ありがとうございました。

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