PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

大学の先生は忙しい…

2009年04月09日 00時32分21秒 | 大学という場所


皆さんは、「大学の先生」というと楽そうな仕事のイメージがありませんか?
僕も転職する時、大学に移れば、少し楽になると思ってました。
そんな考え方が、非常に甘かったことは、すぐにわかりました。
前職の病院と、大学とでは、時間の流れがまるで違います。

病院では、医療機関用の院内PHSを持たされ、常に電話に追われていました。
面接相談やグループワークの最中にも、電話からは逃れられません。
1日に少ない時で20件、通常30件、多い時には40件の電話に対応しなければなりません。
PSWの仕事の内容が、関係者との連絡調整を主たるものとする以上、当たり前のことですが。
毎日、いつも目の前の患者さんの課題を即決処理して、日々が慌ただしく過ぎていました。

大学では、幸いこの電話に追われるということはありません。
研究室の電話が鳴ることは少なく、連絡の多くはメールでやりとりされます。
事務からの連絡も、教員間の連絡も、すべてメールで処理されます。
返信が煩雑な感は否めませんが、大学の忙しさは、別の所にあります。
病院現場よりも、長いスパンでの業務管理と処理が求められる場所だと思います。

メールだけでなく、大学では、すべて文字化することが求められます。
言いっぱなしではなく、すべて資料を文章化して提出することを求められます。
研究論文や報告を「ペーパー」にすることが、職業として当たり前の世界だからでしょう。
ネットを介してのデータ処理が当たり前の今日でも、1年間で驚くほどの量の紙が消費されていきます。
書類のファイルと学内冊子等の印刷物だけで、書棚の2段が埋まってしまいました。

大学というところは、やたらと会議のある場所です。
今週は、月曜日から木曜日までで7回あります。
短いものは1時間程度ですが、一番長い全学教授会になると最短でも2時間半かかります。
会議というのは、あくまでも討議する議決機関ですから、その事前準備も下打ち合わせも必要です。
自分がかかわる議題があれば、その倍以上は準備にかかる訳です。

また大学では、当然本来業務として、授業を受け持ちます。
今年度、僕は9科目の講義と演習を受け持っています。
それ以外にも、通信教育科の一部と公開講座、他教授の学部演習を一部お手伝いしています。
1科目の講義90分を話すには、それなりの準備が必要です。
ベテランの先生であればともかく、新米教員にはそれなりの準備が必要です。
1回の講義90分を話すには、下調べとパワポ資料作成だけで約3倍の時間はかかります。
当然、レポート添削と評価、学生の就職相談や指導も多々あります。
「自分の研究にあてる時間が無い」という嘆きは、教員の皆さん共通のようです。

それでも、大学の教員は、当然のこととして自らの研究活動をこなさねばなりません。
僕は、教員1年目の初年度に、ふたつの共同研究班に属していました。
年度単位の事業ですから、3月には報告書を提出しなければならず、かなり追い詰められました。
福祉現場のフィールド調査となると、飛行機での日帰り地方出張も続きます。
外部資金による委託研究だと、経理処理の事務もこなさねばならず、おそろしく煩雑です。
研究室でゆっくり自分のペースで…という期待は、見事に裏切られました。
教科書をはじめ、出版社等からの執筆依頼に応えて、原稿も執筆しなければなりません。
深夜未明の1時~2時まで、自宅でパソコンに向かうという生活になりました。

教育と、研究と、大学運営と。
この三つの業務に、日々追われています。
なんとかかんとか、新米教員の1年を無事こなせました。
2年目の今年、少しは自分なりのペースで仕事をこなせるようになりたいと願っています。



※画像は、キャンパス内の桜です。
 この季節、キャンパスは美しい桜に包まれます。


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