PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

『精神障害者の地域移行支援』(中央法規)

2015年03月29日 14時05分42秒 | 出版案内

昨日、久しぶりの記事更新をしたばかりですが。

重ねて、書籍のご案内をさせて頂きます。

この度、中央法規から『精神障害者の地域移行支援』という本を出版しました。

 

批評社から刊行の『精神科病院脱施設化論』と同様に、博士論文をベースにしたものです。

やたら冗長になってしまった論文のうち、直接的支援にかかわるミクロ~メゾレベルの内容を収載しました。

精神科病棟での実践研究、効果的プログラム評価の研究、病院・地域連携パスの提案、等の内容となっています。

地域移行支援の現場で使えるノウハウやツールを紹介するよう、心がけたつもりです。

補章として、精神科病棟転換型居住系施設について触れています。

全体の構成の中ではやや異質ですが、とても大切な課題と考えたからです。

目次内容は、下記をご覧ください。

 

地域の支援機関では、今どうしても計画相談に力が注がれ、地域移行支援が後回しになっている状況がありますが。

病院と地域が同じ方向を向いて、なんとか集中的な取り組みが展開できないものかと考えています。

長期入院されている方々の退院・地域移行支援に、関心をお持ちの方にお読み頂ければ幸いです。

そして、各地の新しい試みや取り組みについて、ご教示願えると本当にありがたいです。

どうぞ、よろしくお願い致します。

 

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精神障害者の地域移行支援

~退院環境調整ガイドラインと病院・地域統合型包括的連携クリニカルパス

古屋龍太 著

中央法規 刊

 

目次

推薦のことば:門屋充郎

推薦のことば:高橋清久

◆序章:研究の背景と目的、全体構成               

第1節 研究の社会的背景

第2節 研究の目的と意義、方法

1.研究の目的

2.研究の意義

3.研究の構成と研究方法

第3節 倫理的配慮

第4節 分析の視点

1.退院後生活環境調整のアプローチ

2.退院後生活環境のツール

3.効果的な地域移行支援プログラム要素

4.連携協働のためのクリニカルパス

◆第Ⅰ章(病院編)退院支援プログラム開発と退院環境調整ガイドライン、支援ツールの開発 

緒言

第1節 研究の背景と目的

1.国立精神・神経センター病院の概要

2.多数の長期入院患者の入院する社会復帰病棟の概要

3.退院促進研究班の構成

4.研究の目的

5.研究の方法

6.実践研究の概要

第2節 モデル病棟における取組みの経過

1.チームアプローチと退院コーディネーター

2.退院準備プログラムの試行

3.モデル病棟におけるグループワークの展開

4.家族への心理社会的支援

5.不動産業者との連携による住居資源の開発

6.ケア会議による本人主体の支援体制の構築

7.退院後の継続的支援体制

8.退院支援プログラムのバリエーション

第3節 モデル病棟の変化と退院患者の転帰

1.PSWの病棟専従配置による変化

2.入院患者の変化

3.家族の変化

4.スタッフ側の変化

5.入院病棟の変化

6.退院患者の転帰

第4節 モデル病棟の実践から見えてきたこと

1.退院準備プログラムの評価

2.グループワーク・プログラム

3.PSWによるケアマネジメント

4.スタッフの意識と姿勢の変化

5.長期入院患者の退院

第5節 地域移行コーディネート・ガイドラインの提起

1.長期入院患者の退院を促進する要因

2.地域移行支援におけるケアマネジメント

3.対象:すべての長期入院患者

4.目的:自由な生活とリカバリーの実現

5.目標:リアルインパクトゴール

6.課題:リフレーミング思考

7.方法:連携チームアプローチ

8.手段:ツールの活用

9.手順:個別のケアマネジメント展開

10.視点の転換と意識改革

第6節 退院環境評価票の開発

1.環境の中の個人をとらえる視点

2.項目と基準

(1)退院環境評価票開発の経緯

(2)退院環境評価の項目

(3)退院環境評価の基準

(4)5施設における試行調査

(5)環境評価のためのアンカーポイント

(6)退院環境評価票による退院支援の評価

3.退院環境評価の可能性と限界

第7節 退院準備チェックリストの開発

1.開発の背景と目的

2.退院準備チェックリスト作成の方法と工夫

3.退院準備チェックリストの使用による効果

第8節 当事者が活用する退院支援のためのツール開発

1.生活準備チェックリスト

2.退院準備カレンダー・退院準備リスト等

3.社会資源ガイドブックの発行

4.地域生活支援ニーズ評価尺度

第9節 退院支援にかかわる今後の課題

1.施設症を超える当たり前の実践

2.ツール開発の成果と課題

3.残された課題

4.本研究の限界

◆第Ⅱ章(地域編)効果的な支援要素に基づく地域移行支援プログラムの開発

緒言

第1節 地域移行支援特別対策事業から個別給付化へ

1.一連の地域移行支援事業の流れ

2.地域移行推進員の業務と手順

3.個別給付化の概要

第2節 個別給付化後の地域移行支援事業の変化と評価

1.研究の概要

2.結果

3.考察

4.結論

第3節 長期入院患者の脱施設化を進める効果的な支援要素

1.インパクト理論によるアウトカム・ゴール設定

2.地域移行支援サービス提供体制の構築

3.地域移行を進める効果的支援要素の活用

4.効果的支援要素の形成評価

第4節 結論

1.現行制度の個別給付化の影響

2.地域移行を進める効果的支援要素

◆第Ⅲ章(連携編)病院と地域の包括的連携パスによる統合型地域移行支援アプローチの構築

緒言

第1節 研究の背景と課題、目的と方法

1.研究の背景と課題

2.研究の目的

3.研究の方法

第2節 精神科医療におけるクリニカルパスの意義

1.クリニカルパスの日本への浸透

2.クリニカルパスの精神科医療導入への抵抗と意義

3.精神科における地域連携パスへの危惧と可能性

第3節 病院・地域統合型包括的地域移行支援方策の提起

1.包括的地域移行支援連携クリニカルパスによる支援の流れ

2.地域移行パスのステージごとの支援ガイドライン

3.地域連携パスの位置づけ

第4節 結論

◆終章:結論

第1節 地域移行支援ソーシャルワークの戦略へ

第2節 本研究の成果

第3節 本研究の限界

◆補章:精神科病棟転換型居住系施設をめぐる議論の背景と経過

第1節 精神科病棟転換型居住系施設をめぐる議論の背景と経過

第2節 検討会報告書の概要と精神科病院の構造改革

第3節 関係者の反応と意見

第4節 考察ー病棟転換型居住系施設構想への評価と提案

第5節 結論

文献等一覧

索引

あとがき

著者略歴

 

出版元:中央法規出版、価格:3,672円(税込)、判型:A5判上製265頁、ISBN:978-4-8058-5138-8、初版発行:2015年3月25日

中央法規ホームページ→  http://www.chuohoki.co.jp/products/welfare/5138/

 



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