PSW研究室

専門職大学院の教員をしてる精神保健福祉士のブログ

いい人…なんだけどね…

2010年06月05日 12時42分35秒 | 日々の雑記
鳩ぽっぽが、辞任しました。
いつかな~と思ってましたけど、結構早かったですね。
済州島で出会ったヒヨドリが、早く家に帰ろうと導いたそうです。
宇宙人と呼ばれているそうだから、ヒヨドリの声もわかるんでしょう。

鳩ぽっぽは、いい人です。
僕は、間違いなく、いい人だと思います。
政治家にしておくには、もったいないほどに、いい人です。
でも、「いい人…なんだけどね……」と言われる「いい人」です。

鳩ぽっぽは、裏表の無い人です。
政界で育ってきた大人ですから、そりゃ、多少はありますが。
幹事長のイチローごときの腹芸は、使えません。
二人羽織を強いられても、仕方なく照れ笑いで誤魔化すしかありません。

そんな鳩ぽっぽにも、腹案がありました。
それは実際に、調整交渉が進んでいたようで、嘘ではなかったのです。
でも、相手のある問題で、鳩ぽっぽが考えていたようには、進みませんでした。
いい人は、どうしても希望的観測に流され、詰めが甘いものです。

鳩ぽっぽを「詐欺師」と論評する人もいます。
でも、意識して他者を騙そうとするほどの、度胸と悪知恵はありません。
鳩ぽっぽのセルフイメージでは、いい解決努力をしているはずでした。
でも、それは、現実的には、稚拙で具体性のない、想いが先走ったものでした。

更に困ったことに、いい人は、もっといい人であろうとします。
本人なりに、誠実に事態に対処しようとします。
でも、それは事態を、ますますややこしくします。
周囲の過剰な期待と幻想を煽りながら、何も現実的には処理できないのです。

いい人であろう、いい私であろう…。
そう努めれば努めるほど、いい人は傷だらけです。
冷静な目から俯瞰すると、自虐的に自分を追い詰めてしまいます。
それで何か生み出せれば良いのですが、バーンアウトして終わりです。

結果として、いい人は、意図せず、周囲を傷つけます。
世界がすべて、自分の意思と同じ価値観であれば良いのですが。
残念ながら、他者はすべて、それぞれ別個の思惑で生きているのですから。
いい人の周囲まで、疲弊した二次災害が生じます。

いい人は、概して臆病です。
なので、他者と優しい関係を築きたいと思います。
でも、望んでいたような友愛関係が築けないと、どうして良いか、わかりません。
世間はそんなに甘くないと知って、身を引くしかなくなるのです。

鳩ぽっぽは、いい人です。
でも、いい人だけでは、仕事は勤まりません。
結果を伴わなければ、無責任、無能力と言われるだけです。
「不徳の致すところ」という反省の弁だけなら、猿でもできるし(?)。

本来「いい人」という評価は、結果に対して付いてくるものです。
「いい人…なんだけどね…」としか言われないソーシャルワーカーは、むしろ困り者です。
力強い優しさを秘め、粘り強く現場を変革していける、そんなPSWになって欲しい。
若い学部生たちと接していると、そんなことを強く思います。


※ちょっと、強引なオチでした(笑)。
 鳩ぽっぽ瓦解、新政権誕生も我関せず、社大猫…。


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