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★扶桑社と自虐・自由社のシェアを足さないでください藤岡信勝会長


扶桑社から絶縁された「新しい歴史教科書をつくる会」が自由社という出版社から出した教科書が横浜市の18区中8区で採択されたことについて、「つくる会」の藤岡信勝会長が「正論」10月号に報告を書いています。そこに紹介されている教育委員会でのやりとりの中で、委員の小濱逸郎さん(評論家)はこう発言しています。
 
<自由社が加わったので、(教育委員の間で)散々議論した。自由社は一長一短というべきか。長所は、中身が濃い。詳しく書かれている。大人が読んでも面白い。短所としては、文字が小さいし、ルビがよく見えない。自分が年寄りだからかな……。女性の歴史が強調されているのは結構だが、津田梅子のところで誤植がある。「英語塾」とあるが、「英学塾」でないのか。ところどころに間違いがある。人名索引に大和田建樹(「鉄道唱歌」の作詞者―藤岡注)が載っているが、この人物がどんな人物なのか、私は知らない。登場人物が多いが、一方で当然載っているはずの岡倉天心、菅原道真、阿倍仲麻呂が載っていない。本文の記述はしっかりしていて面白いが、中学生として、この教科書は少し難しいのではないかという感じもする>
 
小濱逸郎さんの発言について藤岡信勝会長は
<この発言を読むと、実に細かく目を通していることがわかる。自由社について長所と短所の両面を見ている。指摘は的確であり、脱帽せざるを得ない>
と書いています。
 
藤岡信勝会長が自由社版の欠陥を認め、解任された元自由社教科書編集室長、松本謙一氏のせいにしていることは前回述べましたが、「短所」「指摘は的確」という表現で初めて公に表明したわけです。「実に細かく目を通している」のではなく、小濱さんが述べていることはすべて当ブログで指摘した事実です。実は小濱逸郎さんは当ブログの読者なのです。脱帽していただいて恐縮です、藤岡会長。
 
藤岡信勝会長が書いている審議の要約はおおむね正確ですが、隠している部分もあります。横浜市教委が公開した会議録←クリック によると、小濱逸郎さんはこうも言っています。
 
<せめて菅原道真は載っていてほしいですね。例えば、自由社の97ページですが、陶祖李参平、私は馴染みにくいのですがご存じですか。記述の中で「捕虜にしてつれかえり、自分の領国の発展に利用した」という記述は、強制連行したかのようなイメージを与えるものと思いました>
 
これも当ブログをお読みになっての発言です。小濱逸郎さんは自由社版の自虐・朝鮮隷従記述についても指摘したのです。
 
さて、前回予告した通り、先週は
・藤岡信勝、西尾幹二氏らが扶桑社を訴えた訴訟で藤岡氏らが全面敗訴(東京地裁)
・藤岡信勝氏が怪文書を流されたと妄想して八木秀次氏を訴えた訴訟の控訴審判決で藤岡氏が全面敗訴(東京高裁)
・大阪の浪速中と愛媛県今治地区(今治市と上島町)で扶桑社版新規採択。愛媛県教委が継続採択

という出来事がありました。
 
8月いっぱいで教科書採択は終わりました。扶桑社版を使っている私立中はほぼ継続採択ですが、兵庫県の甲子園学院中が「つくる会」に「自由社版に替えたい」と早い段階で伝えてきたそうです(つくる会内部情報)。自由社版を採択したのは横浜の8区とそこぐらいでしょうか。
 
藤岡信勝会長は「正論」の文章の最後にこんなことを書いています。

<栃木県大田原市と東京都杉並区及び東京都は、前回同様、扶桑社を採択した。扶桑社版もまた、藤岡信勝を代表執筆者とする「つくる会」の教科書であることに違いはない。これらを含めると、2%ラインにどこまで近づくか、今後判明する最終結果が楽しみである>
 
ずうずうしいにもほどがあります。「扶桑社版もつくる会の教科書」で、採択は自分のものだというわけです。まさか勝利宣言の記者会見でもして、そんなことをしゃべるんじゃないでしょうね。発行差し止め訴訟で負けたことを真摯に受け止めるべきじゃないでしょうか。
 
当ブログで連載してきた通り、自由社版は扶桑社版とは全く性格の違う教科書になっています。「つくる会系教科書」なる言葉で両方の採択を足して計算するのは、左翼の発想です。
 
名誉毀損訴訟で2審も勝訴した八木秀次さんは報道機関へのコメント←クリック で「訴訟という形での妨害ははなはだ迷惑です」と述べています。藤岡信勝会長の「自分の周りは謀略が渦巻いている」という妄想や「何が何でも藤岡信勝個人が輝き、注目を集めなければいけない=スターリン、毛沢東、金日成と変わるところは無い個人崇拝誘導、独占支配体制の確立」(by松本謙一の告発文←クリック)は、保守国民運動全体にとって非常に迷惑です。2つの裁判で全面敗訴したことで、少しは目を覚ましてください。
 
まずは、この自己診断チェック←クリック をやってみてください。
  
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当ブログは読者の皆様からの情報提供で成り立っています。project-justice@mail.goo.ne.jp
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