[お知らせ]
ファンクションメソッドによる新ブログ
児童英語、小学生・中学生・高校生を教える先生のためのファンクションメソッドによる英会話講座
ブログ「英語教員のための英会話講座」
「コミニカ中学英語基礎編」は、全国の多くの塾やフリースクールで続々採用されています。
最近では,社会人グルーブの方々のための英会話講座などで使われるが目立ってきています。
録音CDは、同一教室では自由に複製は可能です。(団体使用に限る)
プリント1枚に基本的に11の英文の生産ができプリントを一枚、一枚こなす毎に、生徒たちは達成感を持ち、次のプリントに向かっていきます。
問題シート(プリント)の総枚数は1,152枚と膨大なものとなっています。
この具体的な内容については以下のブログをご覧ください。
ブログ「書いて聞いて覚える中学英語学習」
また以下のアドレスは「コミニカ中学英語基礎編>」の教材内容です。
ただし、中1配当の第20級・19級,18級は除いています。
「コミニカ中学英語基礎編>」もくじ
[今日の学習]
この数日,ある本の宣伝がされ、そこそこ売れているそうです。
それは今流行の幕末もので,中浜万次郎の英会話本らしい。
実は私も1986年に著した「暗記では話せない」一光社刊においてこの中浜について書いたことがあります。しかしそれは日本の英語教育の批判として書いたものですが,その中浜万次郎「英米対話捷怪」が英会話本として売られている。
時計の針を戻したようなこの種の本は,くり返しくり返し登場するのは日本の英語教育がいかに貧しいか,あるいは進化していないかを示すものです。
日本式訳読法について
どうして英語が話せないとか,英文の速読ができないのか,それについて述べましょう。
日本式訳読法は一口に言って、後戻り訳主義です。つまり英語の語順と日本語の語順が異なるので、そうしなければなめらかな日本語にならないからです。
しかしこれは昨日今日に誕生したのではありません。実は江戸時代からの伝統なのです。参考に次の文を見てください。これはあの幕府通訳方のジョン万次郎が著した本から引用したものです。彼は漁師であり、遭難したときアメリカの捕鯨船によって救助され、アメリカで教育を受け日本に戻ってきた人です。
アイ アム ハペ ツ シー ユー イン グーリ ヘルス
I am happy to see you in good health.
わたくし よろこぶ ことを みる おまんの おけるを よきうまきことに
中浜万次郎「英米対話捷怪」安政6年(1859年)
(実は、この文には漢文のようにレ点や一、二、三などの返り点がついていますが、ここでは省略しています)
この文を見てまず気づいていただきたいのは、発音です。happy=ハペ、good=グーリ、妙にアメリカ英語の発音に近いことです。明治時代に著された英会話の本の方がネイティブのそれに近く、時代が下るにつけて発音がローマ字に近いものになっていくのは、「生の英語」より「翻訳・読解」に教育の重点が置かれるようになったことを知ることができます。
しかしこの文を見て私たち、日本の英語教育の洗礼を受けたものは、例外なく次のように訳します。
「わたくしは、よきうまきことにおけるおまんをみてよろこぶ」
なぜならいやというほど、学校時代に次のような説明を受けたからです。
「be happy toは熟語です。「~してうれしい・幸せだ」という意味で、喜怒哀楽を表し、副詞的用法の不定詞を導きます。」
私たちは、英文を見るとまず主語を訳し、後ろから訳し、動詞に戻ってくるという発想を身につけさせられたわけです。これを「後戻り訳」といって、読解のためのメソッドと言えるでしょう。
しかし、これはあくまでも日本語の発想であって英語の発想ではありません。私たちは英文を元にして日本語の勉強をしてきたと言っても言い過ぎではないでしょう。これは漢文の勉強とまったく同じです。漢文の先生に中国語を話せと言っても困るでしょうが、英語の先生に英語を話せと言ってもやはり困るのは実はこのことなのです。
いくら生の英語の英会話文を教科書に登場させても、あるいは英会話の授業をいくら増やしても、教える者が読解メソッドの受験英語の成果で教えている限りは、日本人はいつまでも英会話などできないと私は思っています。
古い革袋に新酒を入れてもダメということです。
それならどうするか、ということですが、私は後戻り訳ではなく直読直解を進めなければならないと思います。私は10年ほど前の最初の著作でそれを訴えましたが、最近このメソッドが注目されてきたのをうれしく思います。
ただ、直読直解もすでに大正時代に浦口文治(この先生は,昔の関西学院大学の先生だったようです)が「グループメソッド」という一種の直読直解法を発表しています。これは一口に言うと、「文の頭からセンテンス・グループで訳していく」方法です。
また岡倉天心の弟、岡倉由三郎(彼はC.K.OgdenのBasic Englishを日本に紹介した人)のように、後戻り訳を批判し、「英文解釈の手続きの中で、日本語はいわば媒酌人で、もっと大切なのは(英文から原意に至る) 反射作用というところにある」と指摘する人もいました。
私は、その時代その時代の教授法があって当然だと思います。当時、文献から外国文化の流入を必要とした時代には、それに適した「後戻り訳」という読解法が必要だったのです。それが英会話不能,遅読や聴解不能(リスニングができないこと)の原因となってもそれが時代の要求に適したものでありつづけたのです。
しかし英語が動くこともなく、まるで行灯のもとで時間をかけて解読すればいい時代はすでに過ぎ去りました。
最初に登場した英文ですが、英語の発想では次のようになっています。
私、うれしいよ
I am happy.
君に会えたからだよ
I am happy to see you
しかも君は、よい健康状態じゃないか
I am happy to see you in good health.
つまりHappyやI am happyと素直に口から出ない者が、この文を丸暗記しても果たして自分のことばとして表現できるのでしょうか。
あるいはこの英文を話された順,書かれた順にどれだけ意味をとらえる人がいるでしょうか。
ファンクションメソッドでは、まずファンクションフレーズで主体と情緒などの意味をとらえ、そして次に続く動詞フレーズの意味をとらえます。
ファンクションメソッドは英語発想に最も近いメソッドです。
[コミニカ英作法]
(1) 私はうれしいよ ※中1配当
<~は ドンナだ文>
① 私は ~です → I am
② うれしい → happy
(完成文) → I am happy.
(2) 私はあなたに会えてうれしいよ ※中2配当
<~は ドンナだ文>
① 私は うれしい → I am happy
② あなたに会えて → to see you
(完成文) → I am happy to see you.
(3) 私はよい健康状態であるあなたに会えてうれしいよ ※中3配当
<~は ドンナだ文>
① 私は あなたに会えてうれしい → I am happy to see you
② (しかもあなたは)よい健康状態である → in good health
(完成文) → I am happy to see you in good health.
言葉というものは、小から大へと進むもので決してその逆ではありません。
ファンクションフレーズと補語・動詞フレーズとの順列組み合わせで英文が生産されます。
言うまでもありませんが、「コミニカ英作法」では①にはファンクションフレーズ、そして②で補語・動詞フレーズと二段階のステップを経て英文を生産するのはこの英語発想を身につけるためなのです。
英語の言葉としてのしくみを知ること、それに加えて英文を生産するトレーニングが不可欠だということです。
この英語という言葉を紡いでいくトレーニングが日本の英語教育にスッポリと抜け落ちているのが大問題なのです。
☆「コミニカ中学英語基礎編」を社会人向きに改訂した、「英語の九九 英会話発想トレーニング」という教材があります。
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ファンクションメソッド英語研究会発行の電子出版本
●「速修一週間英語脳構築プログラム」PDF版1,200円(税込)
●「ムリなく話せるイメトレ英語学習法」 PDF版 Audio CD1枚付1,300円(税込)
●「たった16の動詞で英語が話せる瞬間英作トレーニング」 PDF版800円(税込)
●「自由に英語が話せるためのたったこれだけ英文法」 PDF版800円(税込)
●「ファンクションメソッド英会話独習テキスト」 PDF版900円(税込)
同名教材のダイジェスト版です。
●「一週間に心にしみこむイディオム」 PDF版800円(税込)
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