国際情勢の分析と予測

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大阪都構想と東証・大証統合が示す、近未来の大阪への首都機能移転計画

2011年11月16日 | 日本国内
●大阪都構想 - Wikipedia

大阪都20区の区割り(2010年3月大阪維新の会内部資料による)


大阪都構想(おおさかとこうそう)とは、かつての東京府、東京市を東京都としたように大阪府、大阪市を廃止し、新たに大阪都を設置する構想である。近年は橋下徹前大阪府知事(2011年10月31日付で辞任)と大阪維新の会が実現を目指している構想が知られている。
この構想では、政令指定都市である大阪市・堺市と大阪市周辺の市を廃止して特別区とし、特別区となった旧市の行政機能や財源を「大阪都」に移譲・統合することを目的とするという。従来から議論となっていた「大阪府と大阪市の二重行政の解消[1]」という点から、「(大阪)府市合併」または「府市統合」ということもある。
大阪市と堺市の大阪府議会の定数削減後の議員定数は88議席中34議席が配分され府議会全体の38%である。 東京都の東京都区部は東京都議会で127議席中89議席が配分され都議会全体の70%である

目次
1 大阪府・大阪府下市町村の動き
2 大阪府議会・大阪市会・堺市議会の動き
3 大阪20都区構想
3.1 大阪20都区
3.2 大阪都構想の利点
3.3 大阪都構想の欠点
4 各方面の大阪都構想に対する反応
4.1 大阪府内の自治体の長の反応
4.2 大阪府・大阪市以外の自治体の長や、国の反応
4.3 大阪府民の反応
5 実現への条件
6 対抗する構想
7 初期の構想
8 脚注
9 関連項目
10 外部リンク


大阪府・大阪府下市町村の動き [編集]橋下徹大阪府知事は大阪都構想について、大阪府の行政の長である知事の立場としては何も語っていない。橋下は大阪維新の会代表としては、様々な意見の表明を行っている。

「地方自治法の抜本改正の検討、地方政府基本法の制定に向けて、大阪から新たな自治制度を提案すべく、大都市制度のあり方について調査・研究を行うことを目的とする」大阪府自治制度研究会[2]が橋下徹大阪府知事の肝入として2010年4月に発足し、2010年12月に意見の最終とりまとめを行ったが、大阪府自治制度研究会の最終会合では「大阪都構想の導入は困難」との見解で5人の委員が一致となり、府、大阪市による政策協議会を設置すべきと提案[3]。大阪府自治制度研究会の最終報告を受けた橋下徹大阪府知事は委員のポピュリズム批判に対して「有識者は制度に意見を述べればいい。政治的領域に踏み込むのは越権」と非難した[4]。

大阪府議会・大阪市会・堺市議会の動き [編集]現在、大阪府議会、大阪市会、堺市議会で大都市制度に関して協議、調査が行われている。

大阪府議会大阪府域における新たな大都市制度検討協議会では、大阪維新の会と日本共産党とで大都市制度に関する協議が行われている(自由民主党、公明党、民主党は不参加)。

大阪市会では大阪維新の会、公明党、自由民主党、民主党及び日本共産党の全会派により、大都市・税財政制度特別委員会において調査が行われ、議員間討論が行われた。

堺市議会では大都市行財政制度調査特別委員会において調査が行われている。

大阪20都区構想 [編集]大阪都構想については後述のとおり、戦後いくつか動きがあったが、本項では2010年に明らかになった橋下徹知事と大阪維新の会の構想を記載する。 2010年(平成22年)3月、橋下知事を代表とする「大阪維新の会」が発表した行政構想。大阪府全域を「大阪都」とし、大阪市・堺市を解消させ一体化させる大阪都構想を提唱した。2015年までの実現を目指している。東京都をモデルとし[5]、東京23区のように「大阪都20区」を設置。東京都23区を例にすれば20区内の固定資産税・法人税などの収入を都の財源とし、20区内の水道・消防・公営交通などの大規模な事業を都が行い、住民サービスやその他の事業は20区の独自性に任せる。

大阪20都区 [編集]現在の大阪市地域の24区を合併し8都区に、堺市は7つの区を3都区に再編。周辺9市も都区とし大阪都20区を新たに設置する。首長には選挙で選ばれる区長を置き、選挙で選ばれる区議会議員による区議会を設置する。[6]

20区再編案 面積
(km²) 人口
(人) 人口密度
(人/km²) 備考
大阪都20区構想 01 都島区 旭区 北区 22.68 305,562 13,473 大阪市
02 福島区 西区
此花区 港区 33.81 300,907 8,900 大阪市
03 大正区 浪速区
中央区 住之江区 43.45 337,395 7,765 大阪市
04 天王寺区 西成区
阿倍野区 18.14 298,420 16,451 大阪市
05 西淀川区 淀川区
東淀川区 40.13 446,206 11,119 大阪市
06 東成区 城東区
鶴見区 21.13 357,371 16,913 大阪市
07 生野区 平野区 23.68 334,139 14,111 大阪市
08 住吉区 東住吉区 19.09 286,371 15,001 大阪市
09 堺区 西区 52.31 282,487 5,400 堺市
10 中区 南区 58.38 278,327 4,768 堺市
11 東区 北区 美原区 39.30 281,320 7,158 堺市
12 豊中市 36.38 389,359 10,703 特例市
13 吹田市 36.11 355,567 9,847 特例市
14 守口市 12.73 146,554 11,512
15 八尾市 41.71 268,652 6,441 特例市
16 松原市 16.66 124,400 7,467
17 大東市 18.27 127,203 6,962
18 門真市 12.28 130,368 10,616
19 摂津市 14.87 83,696 5,629
20 東大阪市 61.81 509,632 8,313 中核市
98 大阪都20区 622.92 5,643,936 9,060 -
99 大阪都全域 1,894.31 8,862,896 4,679 -

※人口・面積は2010年(平成22年)国勢調査時点。市区順は市区町村コード順。大阪市区・堺市区の区割りは2010年3月の各種報道(読売テレビ『かんさい情報ネットten!』が報道した維新の会の内部資料)による[7]。


大阪都構想の利点 [編集]大阪市と堺市が合併し、大阪都になることによって行政が一つにまとまり、各区に予算を分配でき効率化が図れるものと推測する。
首都機能を兼ね備えることにより、各地域に地下鉄等公共機関への延伸・新線を作ることによって利便性、生活性が高まり景気が上がる起爆剤になる。
万が一災害があっても副首都として機能し直ちに復興への指示・連絡、作業の効率化が高まる。
また、府と市が一体化されれば、大量の役人が不要になる。とりわけ大阪市役所は全国有数の“役人天国”として知られ、現業部門の給料が特に高い。交通局が運営する市バスの運転手の平均年収は民間の2倍近い800万円弱(2009年)。過去には都市環境局で下水道の維持管理などに従事する職員の3割が年収1000万円を超えていたことも批判を浴びた。(ニコニコニュース11月7日配信より)

こういった今の時代にはそぐわない不公平な給料格差も解消し、さまざまなワースト1だった大阪の学力、住みにくい街などの環境を整備し、将来は副首都としての機能を果たすことになるだろうと思われる。

大阪都構想の欠点 [編集]大阪都は地方分権を推進するため基礎自治体の財政力や行政能力の向上を目的とした平成の大合併に逆行し、大阪市と堺市が11の特別区に分割されるため、府下の基礎自治体数が43から50程度になり[8]、府内全体で行政コストが高コスト体質かつ行政効率が悪くなり[9]、基礎自治体が増加する事で施策の整合性も取りにくくなるとの指摘もある。
大阪都構想のモデルとなっている東京都(特別区の地域は区長が一部の行政を直轄)では、特別区のいくつかに自治権の拡大を目指して千代田市構想[10]や世田谷市構想あるいは基礎自治体連合といった都政(都の区)からの脱却の動きがある。また、戦前に導入が試みられ、その後、戦時体制という特殊状況下で国政によるトップダウン方式で成立した歴史を有する都区制度自体が、ボトムアップ方式である地方分権という、地域住民が主体となる新たな自治の時代において適正かつ妥当なモデルであるかが議論[11][12]されている。
特別区へ税収を再分配する、東京都の財政調整制度[13]を例にすれば、大阪都20区内の固定資産税・都市計画税・法人税などの収入を都の財源とするため、都による財源の再配分のあり方によっては特別区の財源が不足し、地域によっては住民生活に密接した行政サービスが低下する可能性がある[14][15][16]。
議員増や議会増によって議員報酬の総額や議会にかかる予算が増えることや、「大阪市と堺市の議員数が増えることにより議員になりやすい」と考える政治家が出てくるといった問題を指摘されている[17]。この懸念に対して橋下知事は「区議を無報酬にすれば数を増やしても金はかからない」と述べているが、無報酬になれば相当の収入がある人や資産家などしか区議会議員になれず、金持ちしかなれない仕組みになるのではと指摘されている[17]。また、地方自治法203条では、「議会の議員に対し、議員報酬を支給しなけばならない」と議員報酬の支給が義務づけられていて、議会の議員を無報酬とすることができない。
各方面の大阪都構想に対する反応 [編集] 大阪府内の自治体の長の反応 [編集]大阪市の平松邦夫市長は上記の維新の会の内部資料による、大阪20都区の区割りについて、「西成区と阿倍野区と天王寺区が一つの区になってました。阿倍野、天王寺、西成の人たちがそれにどういう思いを持つのか」と発言した[18]。また、大阪市の平松邦夫市長は「政令指定都市の権限を強化し、大阪市を核とする、大都市圏(都市圏)が連携した、広域行政体を目指す(大都市圏州構想)」と表明しているため、大阪市が消滅することには完全に反対の立場である[19]。
堺市の竹山修身市長は平成22年5月26日の定例記者会見で堺市を三分割にすることについて、慎重な姿勢を見せている[20]。また新聞報道などで大阪都構想について大阪市以外の周辺都市のメリットが明らかでないとしている。
大阪維新の会の構想では、特別区の対象となっていない箕面市の倉田哲郎市長は自身のブログ上で、大阪維新の会には入らないと断りを入れた上で大阪都構想に対して「絶対的に大賛成」と表明し、大阪都構想を解説している[21]。このブログ記事について、橋下知事は大阪維新の会の公式ツイッター上で「平松市長にも見ていただけたらなあ。」とコメントを付して紹介しており[22]、これが発端となり、倉田哲郎市長はインターネット上で大阪市の平松邦夫市長との論戦も展開するに至っている[23]。
大阪維新の会の構想で、特別区の対象となっている東大阪市の野田義和市長は地域経済の発展のためには大阪を東京に対抗できる都市として再編する必要があり、相当部分において協力できると賛成を表明している[24]。
大阪維新の会の構想で、特別区の対象となっている摂津市の森山一正市長は、再編対象として周辺自治体をも巻き込むことに疑問を呈している[25]。また、同じく特別区の対象となっている吹田市の阪口善雄前市長・豊中市の浅利敬一郎市長は、自治体の自立を阻害する恐れがあること・住民の意見を抜きにしていることを理由に、反対を表明している。[25][26]。
泉佐野市の新田谷修司市長(当時)は2011年2月19日、「知事が掲げる大阪都構想を実現させたい」と述べ、2012年2月の任期満了前に辞職し、2011年4月の統一地方選で行われる府議選の泉佐野市選挙区(定数1)に大阪維新の会から立候補する意向を正式に表明した[27]。その後の府議選で新田谷は当選した。
大阪府・大阪市以外の自治体の長や、国の反応 [編集]井戸敏三兵庫県知事は、二重行政の解消や、東京に対抗できる行政づくりを理由に、本構想に理解を示している[28]。
石原慎太郎東京都知事は、大阪都の名称について、首都ではないことを理由に難色を示した[29]。しかし、長男の石原伸晃自由民主党幹事長は「日本にとってプラス。関西発の都道府県、市町村のあり方の発信になる」と評価[30]。また、都副知事の猪瀬直樹も、府市二重行政の解消を理由に賛同している[31]。
岡田克也民主党幹事長は「何を言っているのかさっぱりわからない」と構想を批判した[32]
大阪都のモデルとなっている東京都の特別区の各区長へのアンケートでは大阪都構想への批判が相次いでいる[33]。
愛知県を「中京都」とする中京都構想に名古屋市の河村たかし市長や大村秀章愛知県知事は、橋下徹大阪府知事が河村市長の市議会リコール運動を支持、名古屋市の金山駅や今池駅で応援演説をするなど支援活動を行い、市長の政策「中京都構想」についても、市の廃止という点は異なるものの「大阪都構想とまったく一緒」と評価し、政策実現に向けて連携していく考えを示したこともあり、大阪都構想に賛同している。[34]
全国の政令指定都市のうち12市の市長と、その市がある10道府県の知事に構想への賛否をアンケートしたところ、都構想に賛同できないと答えた市長は7人、知事の間でも賛成派は2人など消極的な回答が目立っており[35]、大阪都により大阪市や堺市といった政令指定都市が解体され、基礎自治体の国政への影響力が低下するため、同じく政令指定都市である仙台市の奥山恵美子市長は「住民ニーズの実現に都道府県の判断を要する事項が多くなる状態を住民は望んでいるのか」、横浜市の林文子市長も「指定市の分割は集権的な発想」と賛同せず、広島市の秋葉忠利市長は「地域主権の推進につながるとは思えない」、札幌市の上田文雄市長も「政令市のポテンシャルを十分に発揮できる制度になっていない」と疑問を露呈。その一方、新潟県の泉田裕彦知事と新潟市の篠田昭市長が新潟県と新潟市の合併で「新潟州」とする構想を打ち出す[36]など、大阪都構想と同じ方向に進もうとする動きが見られる。
大阪府民の反応 [編集]朝日新聞社と朝日放送による2010年10月16日から17日の電話世論調査によると、大阪都構想に賛成の大阪府民は43%と、反対の28%を1.5倍近く上回った[37]。

読売新聞社が2011年1月におこない、同月24日に公表した大阪府内の有権者対象の世論調査では、大阪都構想に「賛成」と「どちらかといえば賛成」が56%、「反対」が30%で、賛成が反対を2倍近く上回った[38]。

毎日新聞社が2011年1月22・23日におこなった大阪府内の有権者対象の世論調査では、大阪都構想を「支持する」が29%、「支持しない」が25%で、「支持する」が4%上回った[39]。

実現への条件 [編集] ウィキソースに地方自治法の原文があります。

地方自治法第七条第1項では、

第1項 市町村の廃置分合又は市町村の境界変更は、関係市町村の申請に基き、都道府県知事が当該都道府県の議会の議決を経てこれを定め、直ちにその旨を総務大臣に届け出なければならない。
と規定され、同条第6項では、

第6項 第一項及び前三項の申請又は協議については、関係のある普通地方公共団体の議会の議決を経なければならない。
と規定されており、大阪市議会及び大阪市市長の同意、大阪府議会及び大阪府知事の同意が必要となる。

大阪都構想の実現には地方自治法を改正し、少なくとも大阪府が「都」と「特別自治区」に再編される事を明記する事だけでなく、関係法案の改正も必要となるため、国会での衆議院、参議院の両院での議決が必要であり、大阪府議会及び大阪府知事の同意、及び関係市町村の申請だけでは実現は困難であり、政府や国会といった関係機関との調整が必要である[40]。
対抗する構想 [編集]大阪都構想では、消滅することになる大阪市や橋下知事自身から、対抗する構想が唱えられている。

特別自治市(仮称)
2010年5月に相模原市内のホテルで開催された指定都市市長会において政令指定都市制度に代わる新たな大都市制度として、国に提案すると合意された大都市制度。[41]大都市が地域特性や実情にあわせ、広域自治体や周辺自治体と多様な連携を行いながら、創意工夫と責任に基づく自立的な都市経営を行うために、広域自治体である都道府県と基礎自治体である市町村の二層制の自治構造を廃し、広域自治体と特別自治市を同格とする新たな大都市制度。
特別市運動(第265条特別市)
特別市とは、大都市市域における大都市と府県の二重行政、大都市に対する国と府県の二重監督の弊害を除去するため大阪・名古屋・京都・神戸・横浜の五大都市を特別市として府県から独立させる制度。六大都市が明治時代から運動を進めていた長い歴史を持っている。(東京市は東京府と合体し、昭和18年の東京都制施行により東京都となる[42]。)1947年制定の地方自治法に「特別市」の規定(第265条特別市)が盛り込まれ、特別市は都道府県及び市に属する事務を処理し、都道府県の区域外とされ、市内に設けられる行政区の区長は公選とし有権者の解職請求の対象にもなるなど、一定の住民自治が機能する制度となっていた。特別市(第265条特別市)について、五大都市が推進派、関係府県が反対派となって激しく対立したため、政府は1956年に地方自治法を改正し、第265条特別市の条項を削除の上、替わる制度として、行政区分の階層性を残したまま事務の再配分をする「指定都市」制度(いわゆる政令指定都市制度)を導入した。
大都市圏州構想
橋下知事の大阪都構想に対して、大阪市の平松市長が先行して打ち出している大都市構想[43][44]。大阪市等の大都市を中心にネットワーク型の構造になっている都市と、その衛星都市郡(都市圏)を道州制の中で道州から独立した自治体である大都市圏州とし、行政単位として扱う構想である。
大阪市分割構想
現行の大阪市を、特別区ではなく8〜9の普通市に分割する構想[45][46][47]。大阪維新の会が2010年8月30日に開いたタウンミーティングで、橋下知事が新たに提示した。二重行政の解消には特別区とほぼ同様の効果があり、かつ法改正の必要がないため、従来からの大阪都(特別区)構想と併せて検討するとしている。これに対し大阪市の平松市長は、24区毎に税収面で大きな格差があることを理由に、大阪市消滅には一貫して反対の立場をとっている[48]。しかし2010年10月9日に大阪維新の会は市分割後の財政格差や市民感情に配慮し、分割構想案を撤回することを発表した[49]。
大阪広域戦略協議会
大阪府と大阪市・堺市の2政令指定都市に広域課題を協議するため「大阪広域戦略協議会」を条例で設置し、道州制実現に取り組むという、自民党大阪府連が打ち出している構想[50]。大阪広域戦略協議会は大阪都や大都市圏州のような新たな都市制度ではないが、これまで広域での連携の仕組みが制度として存在しなかった大阪府と大阪市・堺市の間に条例をもって協議の仕組みを制度として確立し、広域の行政政策の統一や大阪府と大阪市・堺市の間の行政サービスの重複の解消を行おうという構想である。
初期の構想 [編集]古くは、1953年(昭和28年)12月の大阪府議会「大阪産業都建設に関する決議」があった。一方大阪市は特別市を唱えた。

最近では、2000年(平成12年)頃から太田房江大阪府知事が大阪府と大阪市の統合を掲げた大阪新都構想を唱えた。2001年(平成13年)の「大阪府行財政計画」に「大阪都」という言葉が現れている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%98%AA%E9%83%BD%E6%A7%8B%E6%83%B3





●asahi.com(朝日新聞社):大阪都構想の意義強調 橋下氏第一声 大阪市長選 - 政治 2011年11月13日13時5分

 大阪市長選に立候補した橋下徹氏は午前9時、大阪市北区の大阪市役所前で出発式をした。大阪維新の会の府議・市議ら約20人も参加。黒のスーツにノーネクタイ姿で選挙カーの上に立ち、「新しい大阪づくり、新しい日本づくり、新しい政治の枠組みづくりに挑戦しよう」と訴えた。

 午前10時すぎには、買い物客らが行き交う南海難波駅前に移動。数百人の聴衆を前にした第一声では、大阪府市を再編して広域行政を一本化する大阪都構想を公約に掲げた意義をこう強調した。「大阪を世界に冠たる大都市にし、東アジアの競争に打ち勝ち、人、モノ、金を集めるのがひとつの目標だ」

 知事選に立候補した維新の会幹事長の松井一郎氏(47)も並び、「子どもたちが住み続け、働く場所があり、幸福を感じられる大阪にしたい」と訴えた。
http://www.asahi.com/politics/update/1113/OSK201111130016.html





●大阪ダブル選 橋下徹それでも「圧勝」の異常選挙 【政治・経済】 2011年11月14日 掲載
「父親が暴力団?結構毛だらけ」と開き直り
<民主、自民の完全な戦略ミス>

 橋下徹(42)VS.平松邦夫(62)の一騎打ちになった27日投票の大阪市長選。当初は「大接戦」が予想されたが、早くも「橋下圧勝」の見方が強まっている。ダブルスコアの声まであがる始末だ。
 基礎票では、現職の平松市長が圧倒している。大阪市の有権者は213万人。投票率を40%とすると当選ラインは43万票。「民、自、共」の3党から支持を受けた平松陣営の基礎票は、民主25万、自民20万、共産11万――と56万票ある。ところが、平松陣営は完全に戦略を見誤ったという。
「さすがに大阪市民も、橋下徹の強引な手法には不安を覚えている。だから平松サイドは、余計なことをせず独裁者の橋下を市長にしたら市政はメチャクチャにされると訴えればよかった。橋下府政の2年半、たいした成果もなかったから、攻めやすかったはず。ところが、自民から共産までが“反橋下”で手を組んだため、既成政党が束になって橋下個人を潰している構図になってしまった。橋下徹も『オール守旧派と新しい大阪をつくる勢力の戦いだ』と、改革派VS.既得権益の構図に持ち込んでいる。いつの間にか、平松陣営こそ横暴という構図になりつつあります」(大阪市政関係者)
しかも、民主も自民も、内心は「反橋下」で戦うことに腰が引けている。
「大阪選出の国会議員は、次の選挙を考えたら、人気のある橋下が率いる『大阪維新の会』を敵に回したくないのがホンネです。たとえば、自民党の谷川秀善参院議員は、次の衆院選で息子を大阪19区から出馬させる予定ですが、19区の地元議員は維新の会ばかり。息子の当選を考えたらケンカできない。民主や公明も、総選挙の時は維新の会に選挙協力して欲しい。とても本気で市長選を戦う雰囲気ではありません」(政界事情通)
 週刊誌が一斉に報じた「橋下の父親はヤクザ」「従兄弟は人殺し」といったバッシングも、むしろ「本人の責任じゃない」と同情を集めている。橋下本人も「権力構造を変えるにはお坊ちゃんじゃできませんよ。実の父親が暴力団? 結構毛だらけだ」と開き直っている。
 もともと、横山ノックを知事に選ぶような大阪は、理屈は関係ない。平松陣営からは「投票率が30%を切れば勝てる」と弱気な発言が出るありさまだ。このままでは、とんでもない独裁者が誕生してしまう。
http://gendai.net/articles/view/syakai/133662




●東証大証統合:新社名は「日本取引所」 月内にも発表 毎日新聞 2011年11月8日 23時45分

東京証券取引所(左)と大阪証券取引所 統合協議を続けている東京、大阪両証券取引所が早ければ来秋にも設立する、統合時の持ち株会社の社名を「日本取引所グループ」とする方針であることが8日、明らかになった。持ち株会社の傘下に事業会社の東証、大証がぶらさがる形をとったうえで2~3年かけて現物株や金融派生商品など、取り扱う商品ごとに事業子会社を再編する。最終調整中の統合比率などと併せ、月内にも発表する。

 新会社の名称は刷新の意味も込めて「東京」「大阪」といった従来の名称を外す。「日本証券取引所」なども検討されたが、「証券」は取り扱う商品を限定する印象があるため、「日本取引所」とすることになった。

 統合比率については大証の企業価値を1とした場合、東証を1.5~2の幅とする方針で、最終的な詰めを急いでいる。「隔たりはだいぶ近づいている」(交渉関係者)といい、東証の取締役会が予定される22日などに決定、発表することを目指す。【浜中慎哉、南敦子】
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111109k0000m020133000c.html




●大証社長:東証との統合「コスト減の相乗効果メリット」 毎日新聞 2011年11月15日 19時13分

 大阪証券取引所の米田道生社長は15日の定例会見で、大詰めを迎えた東京証券取引所との統合協議について「システム統合でコスト削減というシナジー(相乗)効果を得られるのは大きなメリットだ。投資家もいろいろな商品をワンストップで取引でき、投資コストの引き下げにつながる」と指摘し、統合の利点を改めて強調した。

 また、米田社長は両取引所の新興企業向け市場「ジャスダック」と「東証マザーズ」について「投資家や上場企業、証券会社がどうしてほしいのか、声を聞いて考えるべきだ」と話し、新興市場のあり方は統合協議の発表後に検討するという方針を示した。

 大証、東証の統合協議は細部の詰めを残すのみとなっており、東証が定例取締役会を予定する22日にも基本合意を発表する。早ければ来秋、新持ち株会社「日本取引所グループ」を設立する見込みだ。【南敦子】
http://www.mainichi.jp/select/biz/news/20111116k0000m020032000c.html






●東証・大証統合:東京工業品取引所の合流検討  毎日新聞 2011年11月12日 15時00分

東証、大証が構想する再編の姿 経営統合に向けた協議を進めている東京、大阪両証券取引所が、来年秋の設立を目指す共同持ち株会社の傘下に、金や原油などの取引を扱う東京工業品取引所が加わることを求める方向で検討に入ったことが12日、分かった。東証が国内でほぼ独占する現物株、大証が得意とするデリバティブ(金融派生商品)に金などの商品先物取引も加えて「品ぞろえ」を強化し、世界的に競争力を持つ取引所を作る狙いだ。

 東工取は、11年3月期まで単体で3期連続最終(当期)赤字を計上し、経営環境は厳しい。大証と取引システムを統合することが可能なため、東証、大証に合流すれば、世界的な競争に備えたシステム投資負担が軽減できるメリットがある。このため、要請があれば前向きに検討するとみられる。

 東証、大証の統合協議は大詰めを迎えており、月内にも統合比率などを決め、発表する。公正取引委員会の審査を経て来年秋にも持ち株会社「日本取引所グループ」を設立する方針だ。

 発足当初は、「日本取引所グループ」の傘下に事業子会社の東証、大証がぶらさがる形を取る見込み。その後2~3年かけて「現物株」「デリバティブ」など取引形態に応じた子会社と、上場を希望する企業の審査などを行う「自主規制」、証券取引の決済を担う「決済」に再編する。東工取はこの再編に合わせて、商品取引を担う子会社として合流する案が有力視されている。

 持ち株会社の社名に「証券」や「金融」を入れない理由について交渉関係者は「再編の第2弾で商品取引などが加わることを視野に入れているため」と話し、東工取の合流を想定していることを認めている。【岩崎誠、南敦子】

 ◇東京工業品取引所
 金、銀、ゴム、原油、アルミニウムなど16種類の上場商品の先物取引市場を運営する株式会社。本社は東京都中央区。1951年設立の東京繊維商品取引所が前身。84年に東京ゴム、東京金の計3取引所が統合し東京工業品取引所となった。取引の半分以上を金が占める。11年3月期単体決算は、売上高に当たる営業収益が30億円、最終(当期)赤字7億円と3期連続の赤字。
http://mainichi.jp/select/biz/news/20111112k0000e020035000c.html





【私のコメント】

橋下前大阪府知事が大阪市長選挙で優位に戦いを進めているようだ。教育改革を目玉政策の一つにした橋下氏は知的水準の低いB層の絶大な支持を受けており、恐らく当選は確実と思われる。橋下氏は大阪市長への当選後は大阪市を解体して大阪都に移行すると宣言している。しかし、現実には大阪市は大企業の本社が次々に東京に流出している状況であり、「都」の名前は相応しくない。いったい何故このような政策を橋下氏は実行しようとしているのだろうか?その答えは、大阪維新の会が示す大阪都構想の地図にある。

大阪都の意義は、政令指定都市の大阪市・堺市と大阪府の二重行政の弊害を取り除くことにあるとされる。しかし、同様の二重行政の弊害は京都や神戸などの政令指定都市でも発生している。大阪の弊害が特に問題になっているのは、首都機能の一部を大阪に移転させるに当たって、首都機能の管轄者が知事と市長の二人であるという状況は良くないという認識が日本支配階層に存在しているのではないかと私は考えている。同様に名古屋でも中京都構想があり、名古屋市にも首都機能の一部が移転されることになると思われる。このような日本支配階層の意図を実現するための俳優として橋下氏は選ばれ、活動しているのだろう。そもそも大阪府から大阪都への移行は政府の承認が必要であり、自治体の一存では不可能である。

常識的に考えて、大阪で首都機能を移転させるのに最も適した場所は、大阪駅北側の貨物駅跡地である。交通の便は非常に良い。ここに建設したオフィスビルに霞ヶ関の中央官庁の機能の一部を移転させ、首都圏大災害時の首都機能バックアップ先として空きオフィスも確保しておくのがベストである。そうであるならば、大阪都の特別区は大阪市だけを含めば良いことになる。しかし、現状では大阪都の特別区は大阪市周辺の自治体を含んだ大規模なものとなっている。東大阪市や吹田市などを特別区に再編成することにいったい何の意味があるのだろうか?私の考える答えは、大阪空港跡地にも首都機能の一部を移転させる計画があるからだというものだ。大阪空港は豊中市と伊丹市の両方にまたがっている。この豊中市で市長の権限の一部を奪い知事に移転させることが空港跡地への首都機能移転に必要なのだろう。そして、首都機能移転決定後は、大阪空港跡地の伊丹市部分が大阪都に編入されることになると想像する。場合によっては伊丹市全体や尼崎市も編入されるかもしれない。

大阪空港跡地は広大な面積を有している一方、交通の便は貨物駅跡地ほどは良くない。この広さが必要になる首都機能とは、皇居以外には考えられない。恐らく、真の明治天皇の血を引く北朝系の秋篠宮が関西に戻って次期天皇に即位するという計画が立てられており、そのために伊丹空港跡地への新皇居建設が準備されているのだろうと思われる。三空港が並立する非効率的な状況が継続する中で伊丹空港がまだ廃止されていないのは、まだ国際金融資本の世界支配が崩れておらず、大阪への首都機能部分移転の機が訪れていないためと思われる。

京都市民は天皇が京都に戻ることを待ちわびてきた。しかし、今回の大阪都構想に京都市が含まれていないことから、天皇は京都には戻らないと思われる。その代わりに、道州制導入後に京都市には関西州の州都が設置されるのではないかと私は想像している。京都に新たな鉄道の建設計画がないこともそれを裏付けている。京都は狭すぎて新たな皇居を建設する場所も外国の公館を設置する場所もないのがその理由だろう。東京では東急蒲田と京急蒲田の間の短距離の鉄道建設計画以外の新線建設は存在しない。対照的に大阪では関西空港第二滑走路や神戸空港などの過剰と思える空港建設のほか、一部完成している大阪外環状線、なにわ筋線という過剰としか思えない新鉄道建設計画が存在する。特になんばと梅田近辺を結ぶ三本目の鉄道となるなにわ筋線は、四つ橋線の輸送力に余裕があり車両の増結とプラットホーム延長で多少の乗客増加に対応可能であることを考えれば、大阪に首都機能が移転して梅田と関西空港の間の輸送需要が激増することを反映していると思われる。

東京・大阪の証券取引所と東京工業品取引所の合流も興味深い。これは大阪で東京の取引をバックアップするシステムであり、首都機能を大阪に部分移転することに他ならないと思われる。今後、首都機能がどの程度大阪に移転されるかが注目される。






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37 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-11-16 15:34:40
橋下はもっと言葉を慎重に選ぶべきであった。
「独裁」ではなく「強いリーダーシップ」とか。
余計なところで付け込まれて損をしてる。
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Unknown (竹槍)
2011-11-16 21:26:54
貴殿は何故、秋篠宮が育ての親兄弟と血が繋がっていないことをご存知なのですか?
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Unknown (fx)
2011-11-17 02:13:10
市町村単位で考えると、黒字のところは赤字のところと合併したくないので、その点は色々と議論があると思います。

基本的には、生活保護などで財政破綻寸前の市町村をどのように扱うかをまず議論すべきですね。
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Unknown (あいち)
2011-11-17 15:40:21
大阪都構想はこれまでもに何度も提案されては消えていきました。おそらく府知事をやっていればこの都構想に辿り着くのでしょう。橋下知事が都構想を掲げたのも大阪市との水道事業の統合が頓挫した事がきっかけで、誰かに命令されてるとかはないでしょう。

しかしあなたが都構想なんかより騒がれいるTPPについての記事を書かかれないのは何かの圧力ですか?
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Unknown (ミナミ)
2011-11-17 17:59:42
注目の大阪W選、首都機能移転についての記事は面白い。
ですが、上の方はTPPの事をおっしゃってますが、
私としては日韓(及び中韓)スワップ拡充について
プリンス氏は特に語られないのだろうか?と思っています。
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橋下は解り易い。 (Unknown)
2011-11-17 20:55:31
橋下は、彼の主張内容から言うと、完全に国際金融資本の手先だといえます。

大阪都構想は、日本の現状の行政機構の全面見直しを迫るものであり、
また、国の権力を縮小しようとするものでもあります。

小さな政府は、国際金融資本が推し進めているもので、国家という巨大権力の力を弱めます。
地方分権も同様の効果があります。
これに、TPPの自由貿易や保護主義の解体、消費税増税、法人税減税、移民政策・・・
こういったことを導入することで、国の力は弱まり、企業の力は増大します。

権力の順列は、 国際企業 > 国  という力関係に逆転します。
(既にアメリカは実質そうですけど)

そういう観点では、橋下にとって大阪都構想とは、別に成功しなくても全然問題ないのです。
既存の日本の権力機構を破壊して、新たな仕組みを作るきっかけ
(新たな仕組みは国際金融資本の意向を汲んだ人材が構成する)
を作れば彼は役目を果たしたことになります。
返信する
Unknown (水底の歌)
2011-11-18 09:43:48
一極集中は国の安全面から考えると分散が必至だと思う。
北海道、東北、関東甲信越、近畿、四国、九州、沖縄などそれぞれ各省を置く、只大阪も東京同様余り良いとは言えない。
古代都市を意識しなくとも政治の中心は新しい土地が良い
返信する
都市間競争と東京「都」モデルの踏襲 (その日暮らし)
2011-11-18 14:00:05
都構想のことを

ご皇室の遷宮がないからおかしいとか
国政の中枢が伴わないからおかしいとか
わかっててそのようなことを仰る方々が居られるが
要は県庁所在地や政令市・中核市を
都道府県直轄にして財政と許認可を纏めるだけの話
である

都道府県行政と特別区行政を用いているのが
東京「都」だけだということである
そのスタイル・システムをワンワードで連想させるには
「都」という名称を用いることが効果的なだけである

大阪市を堺市と周辺市を「特別区」に統廃合する
府と特別区の職員を広域行政と住民サービスに整理する

これをワンワードで表現しただけの話だ

大阪市役所が解体されても
広域行政・戦略業務に長けた職員は府に吸収される
大阪府庁が解体されても同様に
地域サービスに長けた職員は区役所に配属される
それだけのことだ

大阪市役所が解体されても
大阪市民が解体されるわけではない

市職や府職には不利であっても
住民にとって住みやすい、事業所にとって儲けやすい
そんな都市を目指す都市間競争で
偶然、戦時総動員体制の名残であった東京都のモデルが
バブル後の企業誘致・都市経営において成功したわけだ

橋下や維新の会はそれを真似ようとするわけだ
3大都市圏・東京23区と10大政令市
この都市行政が大きく見直される転機なのだろう


個人的には、とっとと関西広域行政の府県の垣根を撤廃し
関西州となり京阪神3府県庁所在地を州直轄特別区にして
効率的な都市開発に臨むべきだと思う
実際、そのくらいしないと企業誘致において
東京を凌ぐ魅力的な地域にはなり得ない
290万都市が880万都市になったところで
消費と労働力の後背地としてはたかが知れている

バブル崩壊後、経済的に見ると我が国は
東京圏とそれ以外の二重構造になっていた
その成功した東京圏の手法を今後地方が踏襲する
そういうことだと勝手に思っています
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Unknown (いわき)
2011-11-18 20:02:34
皇居を西へって

日本分割ですか?


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橋下さんの経験から (fx)
2011-11-19 03:25:57
橋下さんが知事時代に、財政破綻寸前の市町村に対して、他の市町村と合併したら救済する、という提案をしたところ、地元議会が反対したということがありました。

救える財政であっても、議会の反対により救えないことを、橋下さんは経験しました。

大阪は全体の改革をしないと、末端から滅んでいくので、橋下さんは、急いで救済を実現しようとしているところだと思われます。

仕組みを変えないと、善意の救済すら反対されるのです。
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