国際情勢の分析と予測

地政学・歴史・地理・経済などの切り口から国際情勢を分析・予測。シャンティ・フーラによる記事の引用・転載は禁止。

西洋世界の未来の没落の最悪のケースを描いた不気味な英国映画  Children of Men

2006年10月07日 | 常温核融合・重力遮蔽・生物兵器などの超先端科学技術



●地政学を英国で学ぶ : リバイアサンな映画

今日のイギリス南部は相変わらず晴れたり曇ったりですが、どうやら雨だけは降らないようです。だいぶ気温が低くなってまいりました。

そろそろ大学の新学期が始まるということで、学校の周りには新しい学生がウロウロしております。それにしてもイギリスは新学期の始まりが遅すぎますねぇ。

さて、昨夜のことなんですが、イギリス人の元クラスメートにさそわれて突然映画をみてきました。これがけっこうぶっ飛びものだったので報告します。

題名は Children of Men というもので、近未来のイギリスの様子を描いた不気味な作品。

このリンク先のレビューを読んでいただけるとおわかりかも知れませんが、今から21年後のイギリスが舞台で、人類が(おそらく伝染病か何かで)突然誰一人子供を産めなくなってしまった世界で繰り広げられる話です。

18年間誰も赤ん坊を産めないという設定がいきなり真っ暗ですが(笑

違法移民とイスラムテロリストを厳しく処罰する未来のイギリスで、政府機関で働いているクライブ・オーウェン演じる主人公が、ある日ひょんなことから昔の仲間にたのまれて、奇跡的に妊娠した黒人の女の子をイギリス国外に逃亡させる計画を助けることになります。

で、そのうちに警察国家となってしまったイギリス政府の手からこの黒人の子と一緒に逃げることになる、というのが大まかなストーリー。

映画開始直後からほとんど廃墟と化したロンドンでテロリストによる爆破シーンがあったりして衝撃的なのですが、なぜかスピード感があまりなく、途中までは「なんじゃこりゃ」という出来の悪さに思えます。

主演級のジュリアン・ムーアもいきなり死んじゃいますし(苦笑

しかし警察やレジスタンスなどから追われだすところからいきなり話が急テンポに進みはじめ、最後のほうで出てくるイギリス軍とレジスタンスとの市街地での戦闘シーンの映像などは、見ていて圧倒されます。

暗い未来を描いているという点ではハリソン・フォードが主演した「ブレードランナー」の路線だと言えばおわかりいただける人もいるかも知れませんが、映像的にはスターウォーズのようなSFではなく、むしろ普通の町の風景が崩壊してぐちゃぐちゃになっていたりしているところで「未来っぽさ」をかもし出しており、これが逆にやけにリアルなものを感じさせてくれます。

最後の市街地での戦闘シーンなどは、ここはアフリカか、それともコソボかと勘違いしてしまうくらいにリバイアサンな世界を感じさせてくれます。

ハッキリいって日本じゃ受けないかも知れませんが、白人たちが描く西洋世界の未来の没落の最悪のケースがこれだ、という風に考えていただければ、彼らの恐怖感というものが多少はわかる「良い映画」ということになるのではないでしょうか。

意外とアカデミー賞で撮影賞などをとる可能性も否定できません。「暗い内容の映画だ」ということをわきまえておけば、個人的には非常にお勧めの映画です。

by masa_the_man | 2006-10-03 23:38 | 日記 | Trackback | Comments(2)
http://geopoli.exblog.jp/5803591/




●人類の子供たち (単行本)
P.D. ジェイムズ (著), P.D. James (原著), 青木 久恵 (翻訳)
単行本: 308ページ 出版社: 早川書房 (1993/10) ASIN: 4152078138
文庫: 386ページ 出版社: 早川書房 (1999/07) ASIN: 4150766134
英語版ハードカバー: 288ページ 出版社: Faber and Faber (1992/9/28) ASIN: 0571167411

内容(「BOOK」データベースより)
2021年、全世界でなぜか子供が生まれなくなって四半世紀が過ぎた。出生率が低下していっても、自分の子供はおろか、文明を受け継ぐ人類の子孫さえ得られなくなるとは、当初は誰も予想だにしていなかった。だがいまや、どんなに素晴らしい文化遺産を残そうと、数十年後にはそれを見る人間は一人としていなくなるのだ…。それが明らかになったとき、社会はどうなるか?絶望と無気力が、世界中を覆った。イギリスでは国守ザンが絶対的な権力を握り、できるだけ最後まで国民の生活水準を維持すると約束していたが、老人の自殺があいつぎ、出産を夢見る女性は想像妊娠をした。ザンのいとこで大学教授のセオは、ある日ジュリアンという若い女性と知りあい、惹かれるものを覚えた。だが、彼女は反体制組織のリーダーの妻だった。組織のメンバーから、セオはザンの執政の恐ろしい裏側を知らされる。組織がザンに目をつけられ、ジュリアンが助けを求めてきたとき、セオは思いがけない逃亡生活に巻き込まれていった。イギリスのミステリ界の実力派が新境地を拓いた、話題の近未来サスペンス。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4152078138/
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4150766134/




●封切り日

英国では9月22日に封切り済み。
http://www.bbc.co.uk/films/2006/09/18/children_of_men_2006_review.shtml

カナダでは9月29日に封切り済み。
http://www.canadaplus.ca/movies/children_of_men/1054804

オーストラリア・ニュージーランドでは10月19日封切り
http://www.readingcinemas.com.au/t_moviedetail.asp?Mov_Id=1156
http://www.stuff.co.nz/stuff/0,2106,3807603a1870,00.html

ロシアでも10月19日封切り予定
http://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%94%D0%B8%D1%82%D1%8F_%D1%87%D0%B5%D0%BB%D0%BE%D0%B2%D0%B5%D1%87%D0%B5%D1%81%D0%BA%D0%BE%D0%B5_%28%D1%84%D0%B8%D0%BB%D1%8C%D0%BC%29

ドイツでは11月9日封切り
http://movies.uip.de/childrenofmen/

シンガポールでは11月23日封切り
http://sg.movies.yahoo.com/The+Children+Of+Men/movie/13597/

米国では12月25日封切り予定。
http://movies.yahoo.com/movie/1808715896/info

日本では「トゥモロー・ワールド」という題名で2006年11月18日に封切り。
http://www.tomorrow-world.com/index_2.html




●Children of Men - Wikipedia, the free encyclopedia(映画あらすじ)

The film opens in London in the year 2027, a world where no child has been born since 2009. The day opens with news that the world's youngest citizen, an 18-year-old, has been stabbed to death by a disgruntled fan to whom he had refused to give his autograph. Theo Faron (played by Clive Owen), an alcoholic former political activist who now works as a bureaucrat at the Ministry of Energy, is indifferent to the news; he buys a coffee from a shop that is moments later blown up by a bomb, an act which the government blames on an outlawed "terrorist" group, The Fishes.

The Britain of 2027 is a tired, grey and polluted place. An authoritarian nationalist government rules by means of a police state; immigration is illegal and refugees ("'fugees") are rounded up at tube stations and deported to internment camps. Fertility testing is compulsory, and the government gives out anti-depressants as part of rations. Suicide pills are openly and legally marketed, under the brand name "Quietus". Low-level civil unrest is common; buses' and trains' windows are enclosed with wire mesh, the reason of which becomes quickly apparent when Theo's train out of London is attacked by a gang of vagrants.
<中略>
On his return to London, Theo is promptly kidnapped by members of The Fishes, a guerilla group that demands the government end its anti-immigrant policy. Theo is reunited with his ex-wife Julian (Julianne Moore), the leader of The Fishes, who offers Theo money in exchange for permit papers for one of the Fishes, an African refugee girl, to reach the coast. Theo is interrogated in a room lined with newspapers suggesting that nuclear war has occurred in Africa and Central Asia, while Julian and Theo mention terrorist atrocities in New York and Liverpool, the latter of which caused the Fishes to renounce violence. It is also revealed that Theo and Julian had a son together: Dylan, who died as an infant in a 2008 flu epidemic.<以下省略>
http://en.wikipedia.org/wiki/The_Children_of_Men_(film)



●ジョン・タイター - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%82%BF%E3%83%BC




【私のコメント】
 ブログ「地政学を英国で学ぶ」で、映画「Children Of Men」が取り上げられている。1992年出版の原作小説では1996年に人類に子供が産まれなくなり、その25年後が舞台であるが、今回映画では2009年に子供が産まれなくなり、その18年後の2027年が舞台になっている。

 この映画で気になる点はいくつかある。まず、「地政学を英国で学ぶ」で「白人たちが描く西洋世界の未来の没落の最悪のケースがこれだ、という風に考えていただければ、彼らの恐怖感というものが多少はわかる」「個人的には非常にお勧めの映画」と論評されている点だ。西洋の暗い未来という点でジョン・タイターの未来予言とも似ている。米英共同製作であることを考えると、ユダヤ金融資本の没落後のアングロサクソン世界の混乱を予言しているかのようにも思える。強制収容所を持つ警察国家化した英国という未来像も、ユダヤ金融資本が作り上げたかつての共産圏諸国やナチスドイツに似ており、ユダヤ金融資本が今後目指すワン=ワールドと矛盾しないように思われる。米英両国は大衆への情報操作、あるいは未来予測を伝達する目的で映画を利用することが多い事を考えると、単なる娯楽映画ではなく、何らかのメッセージを伝えるという政治的意図を持った映画である可能性は十分あるだろう。2008年のインフルエンザの流行で主人公が子供を失ったとの話、ニューヨークとリバプールでのテロ活動の話も近未来を暗示しているかのようだ。

 更に、「子供が生まれなくなる」という謎の現象だが、例えば狂牛病などのプリオン病、あるいは遺伝子組み替え作物が世界の内で北米や英国で特に広まっていることが気になる。米英カナダでは変異型ヤコブ病を発症していない人間の多くが体内に異常プリオンを保有している可能性があるし、米国人が平気で食べている遺伝子組み替え作物も安全性には疑問がある。これらが将来、何らかの重大な病気に関わってくる可能性はあるかもしれない。そして、異常プリオンはタンパク質であることを考えると、一度それに感染した人間の治療はかなり困難なようにも思われる。

 最後に、映画の封切り日が気になる。世界で最初に封切られた英国が9月22日。911と同様、イルミナティが好みそうな数字である。ロシアの封切り日の10月19日は1812年にナポレオンがモスクワを放棄した日であり、1956年に日ソ共同宣言がモスクワで署名された日でもある。ドイツの封切りは11月9日で、ヒトラーがミュンヘン一揆を起こした日であり、ベルリンの壁が倒れた日でもある。逆から読むと911になる。米国の封切り日は12月25日でクリスマスの日で、英国やカナダより3ヶ月も遅いのは妙な話だ。この映画を見て米国人が悲観的になってクリスマス商戦が低調にならないように、わざと封切りを遅らせたのだろうか?あるいは米国人に未来に関する真実を伝えるのを遅らせて罠にはめるのが目的なのだろうか?
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2007-05-15 19:02:30

満州から来た三輪耀山
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2021-05-02 22:34:32
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