経済なんでも研究会

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大変だ! 人手不足⑥ サービス業

2023-10-14 07:51:03 | 人手不足
◇ 倒産に直結してしまう業種 = サービス業は基本的に、人手がなければ成り立たない業種だ。だから人手不足は命取り。倒産してしまう企業も多い。なかでも人手不足に苦しんでいるのは、飲食業と宿泊業。コロナ規制で離れて行った従業員が帰ってこない。高齢化が進む一方で、新規参入が少ない。この業種は季節や時間で繁忙期が異なるから、バイトやパートなどの非正規従業員は必要不可欠。その人たちも集まりにくくなっている。

総務省のデータによると、全国の飲食店は22年時点で約67万店。働く人は約437万人で、全体の約7%を占めていた。店舗数はピークだった1991年に比べると、14%も減っている。しかし従業員数はやや増加した。これは少人数で経営する店舗が淘汰され、大人数の店舗が増えた結果だと思われる。帝国データバンクの調査によると、22年時点で「非正規社員の不足」を訴える店舗は全体の71.3%に達し、全業種のなかで最高だった。

宿泊業の規模は22年時点で、ホテルと旅館を合わせて約5万施設。従業員は約68万人、このうち非正規職員が54%、女性が66%を占めている。コロナ不況で離職した人が、まだ戻り切っていない。労働時間が長く低賃金のため、もともと離職率が高い業界だ。ホテルと旅館が、人手を奪い合っている状況。帝国データバンクの調査で「非正規社員の不足」を訴える施設は75.0%で、全業種中2位となっている。

小売り業は、デパート・スーパー・コンビニから専門店・個人商店まで幅広いが、どこでも人手が足りない。経産省の経済センサスによると、全国で約88万店舗、従業員は約754万人にのぼる。しかし長時間労働と低賃金で、離職率は高い。各種の調査によると、離職の理由は圧倒的に「賃金、賞与が少ないこと」だ。したがって待遇改善が最も必要だが、人口が減少して行くなかで市場は伸びにくい。競争も激化する一方なので、対応を怠ると倒産という滝つぼに引き寄せられる。

                      (続きは来週の予定)

        ≪13日の日経平均 = 下げ -178.67円≫

        【今週の日経平均予想 = 3勝1敗】     
 


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