プリマベーラ進化論。

不思議の国のアリスは、
大海原に小舟で漕ぎ出ました。

エピローグ。

2006-09-17 23:10:12 | Sound Schedule
あぁなんだ、そうか。
ありがとうツアーはSound Scheduleとしての活動のエピローグでもあり、
メンバーさんそれぞれのプロローグでもあるんだよね。

ある意味、恋だった。Sound Scheduleの音楽に惚れ込んでた。
だから解散の事実を知ったときは、失恋したときみたいな気分だった。
昨日まで見ていた景色がいつもと違う色をして、ことばが全然見つからなくなって。
でもたとえ失恋したとしても、その相手との思い出までなくなってしまう訳じゃないから。
むしろときどきその思い出たちを引っ張り出してきて懐かしんでは、元気をもらったりなんかして。

サウスケの残した音楽やライブや言葉たちは私の心の中で色褪せることはない。
でもサウスケのこと思い出なんかにはしないよ。今までと変わらずに毎日聴き続けるんだ。

『エピローグ』
2005年3月2日にリリースされた3rdアルバム「Biotope」に収録されている。
1年間つきあってきた二人が、いつかの思い出のベンチで別れ話をするというストーリー。
別れの曲だというのに曲調はB major。とても明るくてさわやかな旋律だ。

つきあってきた分だけ、二人しか知らない秘密のシナリオが増えた。
でもどこでどうなったのか、辿り着いた物語の結末は別の道を歩くこと。
もうふたりとも同じ未来に向かっていないことは感じてて、暗黙のうちに別れ話になることはわかってた。
それなのにいざ別れを切り出したら、彼の言葉は「どこかよそよそしくて」それが彼女にはおかしくて、
二人して夜の公園に飛ばす笑い声。

きっとこのふたりはいがみ合って別れるんじゃないんだろうな。
ただ「好き」だけじゃつきあっていけなくなることもある。
いろいろな事情で別の道を歩いていかざるを得ないけど、
お互いの中に「思い出」という確固たるものがあるから、寂しくない。
曲全体が“悲しい別れだけじゃないんだよ”というメッセージを放ってる。

「傷跡だって愛しい」 それはもう恋じゃなくて、さしずめ人間愛。
その愛情があるからこそ、お互いを認めながらプロローグをはじめることができるんだよね。