ぷれしおさのフラメンコ日記

水野直子の東京フラメンコブログ。
フラメンコ教室、コンパスとバイレ、日々の自分。

尻尾が取れたらミニファルダ

2018-03-08 23:43:00 | スペインの日々
3月8日 木曜日 くもり時々雨 17度

天気がやっぱり悪い。だいたいセマナサンタ(聖週間)が終わる頃本当の春になると言うのは本当らしく、なかなかスペイン晴れに会わない。

でも湿度が高いというのは日本人の喉やお肌には優しくて、実は楽?

朝は遅く起きて、朝昼兼用の食事をする。レンテハス・リオハナ(リオハ風レンズ豆の煮込み)という、私が最も好きなスペイン料理を買ってきておいたのでそれを温め、レタスやキノコを入れて食べる。

スペイン料理で一番好きなのは何?と時々聞かれるが、日本でレンテハスと答えても、微妙な反応しかないので無難にパエリアと答える。お米はニッポンの白ご飯が一番。スペイン料理で有名なのってパエリアとアヒージョ、スパニッシュオムレツくらいでしょ?レンテハスなんて知ってる人、いないよね。ましてスペイン北部の料理だし。


しかしながらレンズ豆はスペインを代表する伝統的な食べ物だ。ドン・キホーテの時代にはもう一般に食べられていた。栄養価が高く、主食にもなる。

当たり前だが、しっかり食べるとレッスンもはかどる。ピラールのクラスは2時間半ノンストップで、彼女がギターと合わせている隙や、グループ分けして自分が踊らない時にしか、水分補給するひまがないくらいみっちりだ。

例によって少し早めに稽古場へ行ってバタを広げると、太ももあたりの糸が外れていて、大きな穴になっている。昨日裂ける音が鳴った時、裾のフリルを踏み抜いたかと見てはいたが、そんなに上が外れたとは思いもよらず、そのままレッスンに来てしまった。フリル同士を2箇所くらい結んで応急処置とし、なんとか1日持ってくれ、と祈った。

さて、初日からずっと最前列にいるので、ピラールの目に付きやすい位置取りをしている。名前もなんとなく覚えてもらえたようで、適当に流している振りの部分や、バタ捌きを名指しで細かく指摘された。

重くて丸い(長さは普通だが幅が広い)バタを履いているので、つい蹴りあげてしまうが、ピラールのこの振り付けは、バタを地面を滑らせている時間が長く、空中にある時間は短いことが多い。なのでアチチュードで大きく蹴ることばかりしてきた私にとって、股関節を回転させずにバタを蹴る、つまりただ足を骨盤に対して真っ直ぐ前に出したり、引いたりする振り付けはなんだかとても新しいような気がした。

今日は歌をやると言っていたけれど、短いエスコビージャをやった。ロンデーニャで合わせると頭が??になるので、こっそりブレリアでカウントをする。とにかくまずは振りを覚えることが先決。

レッスンのあと、いつものオランダ人女性2人に捕まったので、私のスマホも渡して動画を撮ってもらう。他にも何人も頼まれたので、奈良のK先生にやってもらって、私はパルマで説明するとか、ちょっとした撮影会になった。スタッフに注意はされなかったけど、あんまり、よくないかも、しれない。。

昨日断ったので今日は、と思っていたけれど、バタが壊れているのでエスコビージャだけで勘弁してもらった。

帰宅してまずはバタの修理。バタはがっちり縫わないと、その重さでまた糸が切れて外れてしまうので、太い糸で強めに縫い付けた。裾のフリルの補修材料は持ってきたけれど、糸は白と黒しか持ってきておらず、仕方がないので黒い糸で縫った。まあ、帰国して修理に出す時、どこが外れたかすぐ分かるので黒でもよかろう。

バタの裾が取れたら、普通のスカートになってしまう。

そういや昔、マヌエラ・カラスコの舞台を観ていたら、曲の途中でバタを外して、膝丈のスカートになった。ファスナーで外せるバタ・デ・コーラだった。私ももうちょっとでそうなるところだった。。

バタを直し、夕食を食べ、また外に出た。ビジャマルタ劇場のすぐ脇で、セビージャからの衣装屋が期間限定ショップを開いていて、少しのぞいてみた。私は本当に買い物が下手で、たくさんお店を見ても、何にも買えずに帰ることが多い。普段着すらそうだ。そんな私がとても珍しく衝動買いのように買った練習用スカート110ユーロ。私の稽古着にしては高い方。かなり可愛いので、マドリード式に地味(マドリーでは全身黒の人が多い)な稽古着しか着ない私には、ちょっと珍しいかもしれない(笑)。それでも黒白だけど。

マヌエル・リニャン振り付けの曲がいくつもあって、彼のプロデュース振りや人気の高さが伺える。男性一人の舞台だったけれど、音楽の使い方や照明、舞台設営(椅子くらいだけど)がとてもよくて、ミュージックビデオのような構成というのもあり、とても楽しかった。ギター2人、歌が3人もいて、歌を重ねたりコーラスに厚みがあったりと、踊りももちろんよかったが、音楽陣が豪勢で聴きごたえがあった。

帰り道は舞台の余韻で毎晩にやにやしていて、夢の国にいるようなとても幸せな気分だ。

踊る阿呆に見る阿呆。阿波踊りにこんな決まり文句があるが、両方が一番に決まってるよね。


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