2010年5月21日(金)午後7時開演 @ 京都コンサートホール
指揮/広上淳一 独奏/ボリス・ベルキン(ヴァイオリン) 管弦楽/京都市交響楽団
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● シューマン:交響曲第3番 変ホ長調「ライン」 作品97
いきなり、メインのプログラムかと思うような「重量級」のシンフォニーからスタート。
エンジンのかかり具合を心配する私をよそに、とうとうと流れる大河を思わせるような主題。
私の聴きどころは、途中で眠ってしまうせいで、真剣に聴いたことがなかった第4楽章。
この楽章が挿入されたことにより、最終楽章の祝祭的な雰囲気がいっそう際立つようです。
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● チャイコフスキー:幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 作品32
待てど暮らせど、いかにもチャイコフスキー風の甘くとろけるような旋律は出てきません。
救済を求めるかのように、あてどもなく彷徨う魂。 不安定な浮遊感が全曲を支配しています。
とにかく圧倒的ド迫力、戦慄のクライマックス! ← ロードショーのキャッチコピーみたい。
我らがマエストロは、こういう曲を指揮させれば、まさに「天下一品!」の腕前です。
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● ブラームス:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77
今宵のメインは、名匠ボリス・ベルキンさんをソロに迎えた、何とも贅沢なプログラム!
華やかな女性ヴァイオリニストとは一味違った、円熟味のある余裕たっぷりのステージでした。
私の好みから言えば、オーボエの奏でる主題から始まる第2楽章が、特に印象的でした。
京響の女性オーボエ奏者の方に、心の中で「頑張れ、頑張れ!」とエールを送っていました。
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● 広上淳一さん
広上さんの指揮される後ろ姿を見ていると、まるで美しい音楽が聴こえてくるように感じます。
もちろん音楽は耳で聴くものですが、視覚的な美しさも大切な要素であるように思いました。
広上さんの指揮と京響の紡ぎ出す音楽とが、ぴったり合致する幸福な瞬間が幾度もありました。
まるでオーケストラに合わせて広上さんがダンスしているような錯覚に陥ることも…!?
ちょっと「肩すかし」の感、無きにしも非ずですが、それでは、私なりの考えを。
同組のオランダ・デンマーク・カメルーンは、いずれも日本より格上の相手です。
上手くいって「引分け」が、いいところではないでしょうか。
サッカーは「番狂わせ」が多いスポーツのように思われがちですが、
「強い方が勝つ」という当たり前の原則は、揺るぎのないように思われます。
弱い方がリードを保ったまま、簡単に逃げ切れるほど甘くはないようです。
日本が「1勝」する確率より、「3連敗」する確率の方が高いのではないでしょうか。
もちろん個人的には、テレビの前にかじりついて、必死に応援したいと思っています。
それから、今度、京都に来られた際には、ぜひ京響の演奏会にも足をお運びくださいませ!
初戦のカメルーン戦の勝利が、チームを大きく変貌させたように思います。
加えて、アジアの盟友「韓国」の躍進ぶりも、大いに刺激になったはずです。
俺たちにもきっと出来るはずだ!といった感じで。
私の当てにならない予想よりも、南ア最強の女呪術師の占いによると、
3人の交代選手の起用を間違えなければ、決勝まで進出するとのことです。