2011年6月11日(土) 開演 14:00 @ 兵庫県立芸術文化センター・大ホール
指揮 : ピーター・フィリップス / 合唱 : タリス・スコラーズ
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● ウィリアム・バード : アヴェ・ヴェルム・コルプス 他
「アヴェ・ヴェルム・コルプス」というと、モーツァルト晩年の名曲が思い浮かびますが、
このバードの作品も、敬虔な祈り、静謐な美しさを湛えた、とてもすばらしい名曲でした。
● ジョン・シェッパード : この聖なる儀式にあたり 他
人間の声域の限界を超えたところから、降り注ぐようなソプラノ(まさに「天の声」か!)。
この春、NHK・海外ドラマであった「大聖堂」の高いドームが、頭の中に浮かんできました。
● トマス・タリス : エレミアの哀歌 第1部
私がルネサンス時代の宗教音楽に魅せられたのは、キングス・シンガーズの同名アルバム。
まさか、この曲をライヴで聴けるなんて! 京都では「Bプログラム」の方なので、なおさら。
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● トマス・ルイス・デ・ヴィクトリア : レクイエム
演奏会のチラシには、「音楽史上、もっとも美しいレクイエム」とのコピーがありました。
中には、「客寄せ」的なオーバーな表現もあるのですが、今日の演奏は掛値なしの本物です。
後世の「レクイエム」にみられる、過度の荘厳さ、装飾性、圧迫感はほとんど感じません。
異教徒の私でも、すうっと心に染み渡ってくるような、ナチュラルでピュアな精神がここに。
採り上げられた曲の性格の違いもあるとは思いますが、文化的洗練度の違いも感じました。
当時、ヨーロッパ辺境の小国「イングランド」と、世界帝国「スペイン」との違いなのかな?