まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

原田慶太楼 指揮 京都市交響楽団

2021-07-15 10:59:45 | kyokyo
2021年7月11日(日)14:00 開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 原田 慶太楼 / 独奏 : 金子 三勇士(ピアノ)/ 管弦楽 :京都市交響楽団


            *  *  *  *  *

● メンデルスゾーン : 「真夏の夜の夢」より スケルツォ・夜想曲・結婚行進曲
メンデルスゾーン、あの「ヴァイオリン協奏曲」以外の管弦楽曲は、実のところ、聴いた機会が殆んどありません。
この劇付随音楽の中でも、ダントツ有名な「結婚行進曲」も、オーケストラの生演奏で聴くのは、今回が初めて!

抜粋で演奏された内の2曲目にあたる「夜想曲」、曲全体を先導していく、ロマンチックなホルンの響きが印象的。
原田慶太楼さん、きびきびした所作、明瞭で的確な指示。 フレンドリーな雰囲気づくりも相まって、好感度高し。

● モーツァルト : ピアノ協奏曲第17番
モーツァルトのピアノ協奏曲では、名曲が連なる第20番以降の作品は、演奏会でも頻繁に採り上げられています。
しかしながら、10番台の作品の中にも、このようなチャーミングな佳曲が! ちょっと得したような発見でした。

ピアノ独奏の金子三勇士さん、十年近く前の「京響・大阪特別公演」以来、実演で聴くのはおそらく2回目のこと。
その時は、情熱的でロマンチックなリストのピアノ協奏曲。 今回は端正で静謐な美しさ、愛らしさを湛えた独奏。

● ドヴォルザーク : 交響曲第9番「新世界より」
来年2月の京響定期で客演されるという原田慶太楼さん。 まずは、注目を集める気鋭指揮者の「お手並み拝見」。
これまで、幾多の名演、熱演に接してきた、このドヴォルザークの代表作をいかに聴かせてくれるのか、興味津々。

個性を強調する為の「奇」を衒うこともなく、センスを感じさせるスマートな解釈。 自らの音楽観をしっかり展開。
聴き手を惹き付ける斬新な響き、フレージングに、わくわくしながら聴かせてもらいました。 前評判どおりの演奏。

京響は、幾つかのパートで首席奏者を欠く布陣ながらも、オーケストラのレベル、層の厚さを示した充実した演奏。
来年の2月定期は、ラフマニノフ、チャイコフスキーの名曲が並ぶプログラム。 今から、大いに期待しています。



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