まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

京都市交響楽団 ニューイヤーコンサート

2015-01-12 20:45:53 | kyokyo
2015年1月11日 14:30開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 垣内 悠希 / 独奏 : 宮田 大(チェロ) / 管弦楽 : 京都市交響楽団

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● モーツァルト : 歌劇「後宮からの誘拐」序曲 K.384
演奏時間5分程度の短い曲でしたが、モーツァルトらしい明朗快活な曲想で気分が高まります。
その上、新年恒例、女性楽団員の方々の華やかなステージ衣装にも、目を奪われてしまいます。

最近の京響の演奏から感じるのは、オーケストラの音がひとつの固まりとなって聴こえてくること。
それも、濃密で引き締まった音の固まり。 かと言って重々しくなることなく、軽快な音の運び。

モーツァルトの音楽的な美質と京響の紡ぎ出すサウンドが、程よくマッチして心地のよい演奏。
ホールの音響の特徴を生かして、オーケストラとしての「音」に更なる磨きをかけていって欲しい。

● グルダ : チェロとブラス・オーケストラのための協奏曲
作曲者のフリートリヒ・グルダは、ウィーンを代表するピアニストとして名を馳せた音楽家。
プログラムの解説を読むと、クラシックというジャンルにとらわれない、まさに奇才といった感じ。

作品は簡単な標題の付いた5つの楽章から成り、それぞれの個性が際立ち、とてもユニーク。
多国籍でノン・ジャンルな快適音楽といった印象ですが、「カデンツァ」は内省的な色彩が強い。

独奏チェロの宮田大さん。 前回出演の京響定期では、ベートーヴェンのトリプル・コンチェルト。
今回は文字通りの「ソリスト」として。 その卓越した演奏テクニック・存在感は圧倒的でした。

● ベートーヴェン : 交響曲第6番ヘ長調「田園」 作品.68
オーケストラの力量は、世間的に「名曲」と呼ばれるものの演奏で量るのが最もわかりやすい。
正直なところ、著名な指揮者&海外オーケストラのCDと聴き比べても、全く遜色のない出来映え。

ひとつひとつの音に前へ前へという推進力があり、いきいきとした情景が目に浮かぶようでした。
安定した弦楽器のアンサンブルに乗って、管楽器が華麗・優美に遊ぶ様は、まさに至福の心地。

垣内悠希さんは、おそらくは「左利き」ではないでしょうか? 左手の雄弁さがとても印象的でした。
表現力が豊かで、力強い左手の所作。 指揮者としての大きな「武器」になるものと思いました。

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ホワイエでは、関係者の方々と親しげに歓談されている広上淳一さんをお見かけいたしました。
ご自分が指揮されないときには、こうして聴きに来られることがあるのですね。 感謝、感激!

コメント
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