まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

第18回京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート

2014-09-15 15:26:00 | kyokyo

2014年9月14日(日)14:00開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮 : 広上 淳一 / ピアノ : 佐藤 彦大 / 管弦楽 : 京都市交響楽団

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● ベートーヴェン : ピアノ協奏曲第5番 変ホ長調 作品73 「皇帝」
ピアノの佐藤彦大(さとうひろお)さんは東京音楽大学大学院卒業で、広上先生の教え子。
彼は学生の頃から知っているので、今日の協演はちょっとドキドキしたと、広上さんの感想。

先月の「京響プレミアム」では、同じく東京音楽大学卒業の作曲家・菅野祐悟さんとの協演。
将来性ある若手音楽家にステージの機会を提供して、大きく育てていきたいという熱い思い。

京響による「皇帝」の演奏は、仲道郁代さんのピアノ、指揮は山田和樹さんで聴いています。
女性らしい繊細さを感じさせる演奏でしたが、この曲には男性ピアニストが似合うようです。

佐藤さんに、巨匠風の威厳、風格、円熟味を期待するのは、無理な要求ではありましたが、
その分、テンポ感のある、瑞々しく溌剌とした「若き青年皇帝」を楽しむことができました。

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● ベートーヴェン : 交響曲第5番 ハ短調 作品67 「運命」
広上=京響のコンビでベートーヴェンの「運命」を聴くのは、今回で通算3回目になります。
毎回、新しい「試み」にチャレンジされているようで、聴く度に新しい発見と感動があります。

クラシック通を自認する人の中には、「通俗曲」とか「耳タコ」とか、揶揄する人もいますが、
こういう耳に慣れ親しんだ名曲こそ、指揮者とオーケストラの力量を測る上では格好の選曲。

就任から3期7年目のシーズン、指揮者とオーケストラの幸福な関係を実証するかのように、
京響の演奏力と対応力の向上と相まって、今回の「運命」も燃焼度の高い、充実した演奏。

正直なところ、家にあるクライバー=ウィーンPOの演奏と比べても、遜色のない出来栄え。
来シーズンの欧州公演に思いを馳せながら、ベートーヴェンの崇高な音楽を堪能しました。

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演奏後の広上さんのスピーチでは、音楽祭の時期に公演を行うモントリオール響の話題。
市民の熱烈な応援により、世界的オーケストラへと成長した軌跡は、京響も目指すところ。

2014aki

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