2011年11月13日(日)14:00開演 @京都コンサートホール・大ホール
指揮: 宮本 文昭 / ピアノ: 熊本 マリ / 管弦楽: 京都市交響楽団
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● R.シュトラウス: 「バラの騎士」組曲
標題の「バラの騎士」とは、婚約のしるし「銀のバラ」を届ける役目を担った騎士のことです。
うっとりするような魅惑的なワルツの調べが、私たちを華麗なオペラの舞台へと誘います。
宮本さんの指揮ぶりは躍動感があり、緩急・強弱・表情の変化もダイナミックなものでした。
これ以上やると、ちょっと嫌味になるかなーという一歩手前で、上手くまとめられていました。
● F.リスト: 死の舞踏
グレゴリオ聖歌の「怒りの日」の旋律をテーマに引用した、強烈なインパクトを与える変奏曲。
ピアノとオーケストラとの迫力満点の協奏と、繊細で煌くようなピアノソロとの鮮やかな対比。
凄まじいばかりの超絶技巧。 熊本さんの指づかいを見ていると、まさに「死の舞踏」のよう!
山下洋輔さんのピアノを彷彿とさせるような、相当な「力業(ちからわざ)」の演奏でした。
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● R.シュトラウス: 「サロメ」よりサロメの舞「7つのヴェールの踊り」
サロメが、ストリップのように、ヴェールを1枚ずつ脱ぎ捨てながら踊る官能的な場面の音楽。
実際のオペラの舞台でも、サロメ役の女性が全裸になってしまう過激な演出もあるそうです。
エキゾチックな雰囲気が漂う中、サロメの妖艶な踊りが繰り広げられ、やがて陶酔の世界へ。
端正な清水さんのフルートも、清楚な高山さんのオーボエも、いつになく官能的な響きのよう。
● F.リスト: ハンガリー幻想曲
祖国ハンガリーへの燃えるような愛国心、誇り高き民族の心を感じさせる感動的な作品です。
私たちは、遠い遠いところで繋がっている、同じウラル・アルタイ語族なんだなぁーと実感。
少々のミスタッチもなんのその、奔放なエネルギーの流れのまま、勢いで乗り切ってしまう!
と思いきや、実は凄まじい打鍵によって、演奏中にピアノの弦が切れてしまっていたそうです。
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アンコールは、シューマンの作曲で、リストがピアノ独奏用に編曲した「献呈」という佳曲。
結婚式の前日に、シューマンが愛するクララへ捧げたという、愛情あふれるエピソード付き。