まい・ふーりっしゅ・はーと

京都発。演奏会や展覧会、読書の感想などを綴っています。ブログタイトルは、ビル・エヴァンス・トリオの名演奏から採りました。

平岩弓枝 「聖徳太子の密使」を読んで

2009-11-11 11:13:14 | book

聖徳太子の愛娘・珠光(たまひかる)王女と、三匹の猫たち(← 雄です)との大冒険の物語。
本の帯にも書いてありますが、あの「西遊記」の三蔵法師ご一行と、イメージが重なります。

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聖徳太子と海神(わたつみ)の娘との間に生まれた珠光王女。 その出生からして神秘的です。
聡明で活動的な王女は、危険をともなう旅の間は男装して、「珠光王子」と名乗ります。

お供に付き従う個性豊かな三匹の猫たち。 白猫の北斗、三毛猫のオリオン、虎猫のスバル。
彼らは、必要な時に少年の姿に変身できる「術」を、聖徳太子から授けられます。

そして、もう1人(一匹)。 全身青毛の荒馬、珠光王女の愛馬・青龍(せいりゅう)。
この馬は、実はなんと「龍」が化身したものなのでした。 モンゴルの横綱ではありません。

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三蔵法師の一行は、ゴビの砂漠を通り抜け、ヒマラヤの嶺を越えて、天竺へと至りますが、
珠光王子たちは、天の鳥舟(あまのとりふね)という帆船を駆って、大海原を行きます。

そして、彼らの行く手に立ちはだかるのは、例によって、妖怪変化・魑魅魍魎の類。
怪蛇、魔女ビンティ、六角仙人、大暗黒天カーラなどなど。 次から次へと登場してきます。

特殊メイクとか、CGを駆使したアクションなどに、慣れ切ってしまっている私たち。
戦闘シーンはやや物足りなさも感じますが、冒険小説のわくわく感は十分楽しめると思います。

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珠光王子(王女)のロマンスも期待していたのですが、やはり、そこは太子の「命」が最優先。
個人的には、ぜひ、TVドラマ化・映画化(アニメでもOK)して欲しいなぁーと思います。

Tamahikaru

コメント
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