すごくショックで、不注意を悔やんだ。
どうにも諦めきれないオモイに従い、冒険に挑んだ。
翌月の4月10日、タックルを回収することに成功した。
今でも思い出せる感動は、貴重な経験となった。
この時、狙いの地点で水中カメラを沈めながら、「頼むから見つかって!」と祈っていた。
「この先、バスが釣れなくても良いから。いや、それは言い過ぎか。まぁでも、バイトがあれば釣れなくても良いかも。とにかくお願いします。」と心の中で。
湖?大地?木々?空?とにかく目に映るすべてに、すがる気持ちで祈った。
あれから丸2年、566ではボーズ。
小バスからランカーまで、バイトとバラシはあっても、バスのアゴを掴ことは無かった。
ニゴイやハスも、何も釣れなかった。
去年は他でも全然釣れなかったけど、566でのバイトはそれなりにありチャンスは多かったのに。
釣れそうより釣りたいを優先したルアー選択と、単純に下手なことが原因と分かっているが、それでも相手してくれるバスが毎年必ず居たのになぁ。
もしかして、566の神様に魂売ったことになってて、本当にこの先2度と釣れないのか?
4月10日にサルベージ成功して、その日の午後から、朝マズメだけの短時間の日も1日、3泊4日なら4日でカウントしてみた。
2021年は、19日。
2022年は、27日。
2023年は、4日。ちょうど50日は偶然か?
この間、辛かったかと聞かれると、まったく。
バラシて悩むことはあっても、それもまた楽しい。
釣れそうな雰囲気の中、浮いてるだけで気持ち良い。
そりゃ釣れた方が嬉しい訳で、強がりではあるんだけど、我慢をためた先の喜びを知っているから、楽しいのもまた事実。

雨の朝マズメ後に一旦休憩♪ 2023.2.19 9:16
冬の薄暗い中、ぽつんと湖面に一人。
命のカタチが、自分の存在が、くっきりする様で好き。
釣れる訳ないと思いつつ、妄想全開で釣れそう!とワクワクする。
この時は、3泊4日の車中泊。
夕マズメ、朝マズメ、夕マズメ、朝マズメ、夕マズメ、朝マズメ。
6度目の正直を期待したけど、1回、幻覚な気がするチェイスがあっただけ。
このエリアと決めて、一つのルアーを信じて投げ続けた心地よさに満足。
冷静に考えると釣れなさそうでも、ルアーが水に浮いていれば可能性はゼロじゃないと楽しむ精神が、以前より身についてきた気がする。
魚を釣ることが結果とするなら、ただただ下手に磨きがかかってるだけな気もする。
場所移動したり、ルアーチェンジしたり、時間帯を変えたり。そんな工夫はしない。笑。。
いや、多少はするが、釣果を求めていた頃と比べると、すごく減った。
釣れないことを積み重ねて分かった気になると、いざ釣れた時に分からなくなって、バスの懐の深さ・魅力をより感じることもある。

しんしんと しんしんと 2023.4.15 7:09
後から知ったけど、あれから51日目(回目)のこの日。
昨晩から降り続く冷たい雨で、表水温は低下。
それでも低気圧効果でヤル気のある魚が浮いてるでしょ!
ダム上流からスタート。
開始早々、橋下の岩盤にて
ブレードペンシルをギラっグワっとスライドさせて
出ない。
回収ただ巻きで、ブレードがキラキラピチャピチャしてたら
後方から水面盛り上がる猛チェイス!
って、寸前で出ない。
でも反応が嬉しい。
気分上々、上流部をぐるっと回ったが、魚っ気が無い。
バスの姿を見なければ、ベイトもいない。
コイはウロウロしてる。流石コイ。
やっぱり水温低下で沈んでいるのかな。
雨が強くなり、支流からは冷たい水が勢いを増す。
濁りはあまりなく、水量はどんどん。
うーん。欲しいのは水量より濁りなんですけど。
防水対策しているつもりが、袖口・首元から雨は浸みてきて
補修したはずのナイロンウェーダーからも浸みてきてる。
季節を先走ったな。まだネオプレーンでも良かった。。。
半濡れで寒い。とりあえず上がろう。
温泉いって着替えて寝たい。たこ焼き食べて、パン買いに行こう。
甘い誘惑が頭をよぎるけど、半濡れのまま中下流に車移動して再開。
産卵を意識した魚はお腹を冷やしたくなさそうで、下流に向かう。
水位は低めで、岩や切り株が岸の出っ張りとなり変化を生んで好きな水位。
朝の放水後は流れが止まることが多い印象だけど、今日はまだ水位が下がってて流れがある。
水温が下がるマイナスよりも、流れはプラス要素だと思う。
そうは言っても、4月中旬の週末に、誰も浮いていない。
(昼過ぎから夕マズメは、オールラウンダー1艇と陸っぱり2人見たが、少なくない?)
だって、岸寄りはコイしか見ないし、中流の支流からも冷たい水が対岸までごうごうと。
チェイスやスポーニング意識した見えバスがあると思ったのに、これは厳しい。
進入可能エリアの最下流にあるオレンジブイ付近に期待して、それまでの区間は何でもない場所・何でもない時間。寒いし眠い。
普通に考えて無駄だろうと思っても、この状況を楽しめるのは冬の経験があってこそ。

再現画像(?) 2023.4.15 12:03
中央付近の切り株より右はフラットな台地があり、岸から沖に向かってブレイクラインがある。
切り株横の岸際に着水し、ブレイクライン上をLimp170がヨタヨタ・・・ゆっくり巻いてくる。
後ろから黒い魚影がついて来た。
コイか?ローライトと雨で乱れる水面で、シルエットがつかめない。
絶対領域なのか?一定の距離がもどかしい。
バスだとしても、よくある冷やかしだ。
このまま巻き続けたら途中でフローターに気付いて、こっち来るんよな?
だからと変化つけても、見切って帰って行くんよな?
早よ帰りん、と止めてみる。
案の定、方向転換。
すぐにヨタヨタ・・・再開すると
もう一度ついて来る。ぐんぐんスピード上げて
絶対領域も無視して、ぐーっと加速!
ぐぁぼっ!!
糸は張ってたからノったが、アワセが甘い。
追いアワセしたいけど、グイグイ潜ってどこにいるのか分からず、アワセが怖い。
びっくりアワセしなかっただけ良しとしよう。
これ釣れたら嬉しい!でもバレそう!
お願い!あかん!お願い!あかん!の繰り返しで心は悲鳴・絶叫。
今どこ?どこ?あっ!浮いてきた。
「やったんぞ、コノヤロー!」とこっちを睨みつける瞳に、「エラ洗いはやめて」と懇願するも、ガバガバっっ!
宙に舞うルアーが見えた気がしたけど、大丈夫?か。
慌てふためく一杯一杯ながら、なんとかネットインに、やったー。

どてっ腹にガブっ! 2023.4.15 11:46

おでこ?鼻?の凹みは何だろう。 2023.4.15 11:47

水から出してないとは言え、長々とすまぬ 2023.4.15 11:52

美しい!もっと大きくなってね! 2023.4.15 11:53
めちゃくちゃ嬉しい。
さっきまで寒さで震えていたのに、興奮で震える。
発熱してるのか、寒さも忘れて、眠気も飛んだ。
ここで、あの出方。信じられない。なんで?

夢だったかも。と何度も確認ww 2023.4.15 14:08
5時のチャイムが鳴る頃にようやく熱が冷め、全身半濡れの寒さを思い出す。
これからの時間が良さそうだけど、温泉いこっと♪
祝杯がてら、贅沢にすき焼きを食べながら、あの瞬間を反芻して、床に就く。
こんな幸せ中々ないし、改めてブラックバスが大好きだわ。
振り返ると、長かった2年も短く感じる一匹に、ありがとう。