やっと観てまいりました。
「それでもボクはやってない」。
まず主演が加瀬亮くん。
監督・脚本が周防さん。
法廷もの好き。
最初の数分からもうわなわなぶるぶるの連続でした。
最初は加瀬くんにうっとりでしたが、
母親役のもたいまさこさんが登場したあたりから
悲しいかな気分はすっかり加瀬くんの母の気分(涙)。
ラストで法廷の加瀬くんが一言述べるシーンでは
一緒に泣いてしまいそうになりました。
有頂天ホテルに続いてまたまた役所広司さんの出演、
相変わらず登場する竹中直人さん。
周防監督が年月と取材を繰り返して作り上げたというだけに、
すべてが見事に計算されて作られており、
一歩間違えば ただのドキュメンタリーにもなりかねないテーマが
映画というエンターティメントとしてすばらしく成立しているなぁ と。
映画を観て すかっとしよう! という気分のときに見るのはお勧めしませんが、
やっぱり映画のために作られた作品というのは説得力があるわと思う。
主役の加瀬くん、「ハチミツとクローバー」と舞台「哀しい予感」も見たけれど
この「それでも・・」での方がずっとはまってます。
周防さんが できた台詞を彼に言わせるよりも、
彼に言わせたい台詞を書いていくほうが自然だった というようなことを
書いておられましたが、確かに確かに。
そして観てから私の中でぐるぐると回っている自問自答。
いや 答えが出てないから自問だけか。
「自分の息子が痴漢冤罪で逮捕された。絶対彼はやっていない。
しかし 現在の裁判では99.9%有罪判決になることは目に見えている。
罪を認めれば、5万円の罰金で、とりあえず平穏な生活に戻ることが可能である
(いわゆる示談ってやつね)。
しかし罪を認めず否認し続ければ 起訴され、裁判となり
被疑者として裁判にかかわる日々をすごすことになる。
さらに 裁判に負ければ、裁判費用はすべて息子もちになり、
さらに懲役刑が課される」
といわれたとき、私は彼の無実をもちろん認めるけれど、
どちらが彼にとって、いいことなのか、
安息な生活を送ることと引き換えに自分の無実を主張することが
当然のことでありながら、果たしてできるのかと
繰り返し繰り返し問うているところでございます。
やっていないんだから当然でしょう?
でもね?
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