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労働相談報告(2010年10~12月、2010年総計)

●労働相談の概況                                
 この間の労働相談は、10月28件、11月31件、12月23件と、3ヶ月間で合計82件に上りました。
 相談内容としては、賃金未払い27件、パワーハラスメント(以下、「パワハラ」という)22件、解雇22件、退職勧奨が17件と大半を占めました(1件の相談のうちに複数の問題を含む場合は重複して計上)。賃金未払い、パワハラ、解雇の相談は前季、前々季から継続して多くなっていますが、今季は退職勧奨に関する相談が増えています。離職の原因が会社にあるにも拘らず、自己都合での退職を迫られているがどうすればよいか、という相談が何件か見受けられました。
 相談者の雇用形態としては、約4割が正社員ともっとも多く、職種としては、サービス職業従事者が全体の4分の1を占めました。
こちらより「2010年10月~12月の労働相談状況」「年間の労働相談状況(2010年)」をご覧いただけます。(PDF形式)
 
●傾向の分析と今後の活動方針                        
 この間、相談者自らが違法性を自覚し、具体的な問題設定をした上での相談が増加しています。先にも触れたとおり、特に退職勧奨についての相談でその傾向が顕著に見られます。
これまでNPO法人POSSE(ポッセ)は、本来ならば「会社都合」となるはずの退職が会社側の恣意で「自己都合」という形にされ、会社の責任が不問に付されたままの実情を問題視し、それを可視化させることを急務としてきました。最近では、離職に至る前に「このままでは自己都合退職させられてしまうが、どうすればよいか」と労働者自ら相談するケースが増えています。
 例えば、仕事柄、ひじや腰を故障してしまい働くことが困難になったことで、自己都合退職で辞めさせられそうになっているという相談や、事業所の閉鎖に伴いやむを得ず離職することになったが、自己都合という形式で辞めることになりそうだという相談、休職期間の満了によって自己都合で辞めさせられそうになっているという相談が寄せられました(個人の特定を避けるために、多少加工してあります)。いずれも実態としては「自己都合退職」にはならない事例です。相談者本人が会社の違法性、恣意性を疑問に思い、相談に至った実例と言えるでしょう。
賃金、解雇、パワハラなど、他の相談内容に関しても同じ傾向が見られます。例えば「残業代の未払いがある」、「過剰なノルマを何とかしたい」、「過労死ラインを超える長時間労働を何とか出来ないか」、「セクハラ(セクシャルハラスメント)、パワハラを何とかしたい」など、相談者自身によって具体的な問題点が提示された例は多岐に上ります。「仕事がきつく、働くのがつらいが、どうしたらよいか分からない」という相談が多く見られた以前と比べて一定の変化があります。

 2010年からNPO法人POSSE(ポッセ)は、近年急激に注目を集めている「ブラック企業」という言葉を積極的に打ち出して来ました。ブラック企業をテーマとしたシンポジウムやセミナー等を数回に渡って開催し、12月には「もう、逃げだせない。ブラック企業」というタイトルで雑誌9号を発行しています。
 「ブラック企業」という概念を用いることで、ともすれば「働く上では仕方がない」と見過ごされてしまいがちな会社の違法性や社会的責任を追及しようという姿勢を明確にさせるねらいがあります。特に正社員に関しては、雇用保障や企業内福祉などの「見返り」が確保される代わりに柔軟な指揮命令が許されてきた従来の日本型雇用のあり方から、サービス残業など多少の「ブラック」な側面は見過ごされ、貧困や労働の問題は非正社員の問題とされがちでした。しかし雇用が劣化し、必死に働いたとしても何の見返りも得られない「周辺的正社員」が増加した今となっては、どのような雇用形態であっても、早急に「ブラック」な働き方、「ブラック」な企業を問い正していくことが求められています。

 先述したような、ここ最近の相談の傾向は「ブラック企業」という概念が一定程度定着したことの帰結であると考えられます。自分の能力ではなく会社側の違法性、社会的責任を問う姿勢が人々の間に根づいたことで、何が問題であるかを明らかにした上での相談が増えたのだと言えるでしょう。
 今後の課題としては、ブラック企業を見分けることが重要なのではなく、ブラック企業に対処していくこと、自分たちの権利や生活を守るために何らかのアクションをとることが重要であるという認識を広めていくことが挙げられます。労働者自身が自分の身を守り、満足した生活を営むことができないような働き方をさせる会社を追放していこうと行動できる、そんな社会のあり方を追求していく上で、「ブラック企業」という概念は一つの指標となると考えています。


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NPO法人POSSE(ポッセ)は、社会人や学生のボランティアが集まり、年間400件以上の労働相談を受け、解決のアドバイスをしているNPO法人です。また、そうした相談 から見えてきた問題について、例年500人・3000人規模の調査を実施しています。こうした活動を通じて、若者自身が社会のあり方にコミットすることを 目指します。

なお、NPO法人POSSE(ポッセ)では、調査活動や労働相談、セミナーの企画・運営など、キャンペーンを共に推進していくボランティアスタッフを募集しています。自分の興 味に合わせて能力を発揮できます。また、東日本大震災における被災地支援・復興支援ボランティアも募集致します。今回の震災復興に関心を持ち、取り組んで くださる方のご応募をお待ちしています。少しでも興味のある方は、下記の連絡先までご一報下さい。
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NPO法人POSSE(ポッセ)
代表:今野 晴貴(こんの はるき)
事務局長:川村 遼平(かわむら りょうへい)
所在地:東京都世田谷区北沢4-17-15ローゼンハイム下北沢201号
TEL:03-6699-9359
FAX:03-6699-9374
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テクノロジー犯罪被害 (ヘルプ)
2011-06-30 01:23:21
集団ストーカーの被害に苦しんでいます。
職場でのあらゆるハラスメントや収入搾取、(恋愛)結婚妨害、性的嫌がらせ、音声送信、人工夢、現在はラップ音や身体に低周波と思われる刺激等…
永遠に続く勢いの犯行に不安で堪りません…警察は役立たず。調査会社も手玉に取られる。どうやっても伏する事しか出来ない理不尽な仕打ちにただただ怯える生活です。
 
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