ぽせいどんの今日の一枚

写真とかCGとかを気ままに + DIY

沖縄不安ダイブ & Cカード取得ツアー 1993秋 その5

2021-11-26 12:17:08 | 写真 海

                二本目 アリガー北のちょっと北

 「まだちゃんとしたポイント名が無いんですよ」とシマ。
 と、言う理由でこの章のタイトルは曖昧な表現となった。
 「僅かな流れがありますからドリフトで行きます。それではエントリーしたら船の前の方に錨がありますのでその辺に集合してください」
 カメラがあるのでゆっくり構えていた。
 丸ポチャがタンクを背負って立ち上がった。「あっ、バルブを開けるのを忘れた」
 「開けてやるよ」
 丸ポチャがタンクを私の方に向けた。しかし、すぐに「やっぱりいいです」
 「どうして?」
 「だって、なんか、されそうだから」
 辰也のバルブを水中で閉めた話をしたことがあった。おそらくそれを思い出したのであろう。
 しかしそれは水深の浅いプールでの話。生命に関わる冗談を私がする訳がない。
 ・・・丸ポチャのバルブは架純が開いた。

 漸くデッキが空いた。エントリー。インフレーターホースに手を掛けた。
 !ウェイトベルトを着けていない。フィンキックで再びスイミングステップ迄戻った。
 艇長に声を掛けベルトを渡して貰った。
 早々とウェイトベルトを締めていると艇の上では疲れるのでごく稀にこんな羽目となる。
 『まあ、たまには自分のドジ話を記すのもいいだろう』と思いつベルトを装着。・・・潜行。
 アンカーロープの周りにパーティが群れていた。合流。
 シマを先頭にパーティが動き出した。私は例によって最後尾。
 ダンフォース型のアンカーが海底で揺れていた。走錨!?。あるいは錨の重量だけを頼りに停泊しているのか?。
 本来ならば二枚のフレーク(爪)が砂にもぐりこみ把駐力で艇を泊めなければならない。
 頭上でエンジン音がした。
 ドリフトダイビングはエントリー地点とエキジット地点が異なる。先廻りするのだろう。
 だが一向にアンカーロープを巻き上げる様子が無い。艇が動き出した。アンカーが曳きずられる。
 水深が深くなるに連れてアンカーが海底を離れた。その前方にはパーティが。誰も気づいてはいない。
 「危ない!」と叫んだがもとより水中で聞こえるはずがない。
 フィンキックを強めた。が、距離がありすぎた・・・・・・。
 アンカーがダイバーに迫った。・・・・・・小柄な娘にフレークがかかった。神主グループの娘だ。
 ・・・・・・アンカーは娘を引っ掛けたままパーティを縦断して行く。
 『人釣りだこれは』
 ・・・・・娘はどうにか巨大釣り針から逃れた。
 大事には至らなかったのでエキジット後、笑い話となったが・・・・・・私も操船の際には充分気をつけなければ。

 

 ドリフトと言われたが僅かな流れがあるだけだった。
 その緩やかな流れの中をパーティはゆっくりと進んで行った。
 珊瑚はよく発達していた。アリガー北が疎らだっただけにカメラを持つ身にとってはありがたいポイントである。
 コーラルフィッシュも多種多数が棲息している。
 シマが停止した。『センセイ』を頭上に挙げた。『休息』と記されていた。
 パーティは思い思いの場所で思い思いの恰好で休息をとった。
 再び『センセイ』。『五分間、僕の周りで自由時間』
 魅力のある被写体は周囲に溢れている。改めてネクサスのグリップを握りなおした。
 不要なダイバーをフレームの外に追い出しながら撮影を続けた。勿論撮影距離に応じてフラッシュの角度調整は忘れない。
 神主もビデオを廻しているようだ。
 シマは時々『センセイ』に何かを書いて掲げている。
 覗き込んでみるとその大半は愚にもつかないギャグであった。センスは無い。
 
 大型のヘラヤガラが珊瑚の間隙を」ぬって泳いでいる。
 ズームリングを廻しながらフィンキック。
 長焦点にしてフレームいっぱいに鮮やかな黄色の魚体を収めた。


 ※ ここで撮影した画が見つからないので他のポイントで撮影した画を

 四十分の水中散歩を終えてエキジット。
 スイミングステップが混みあっていた。ビギナーグループは既に乗船していた。
 「T 村-!」
 「・・・・・・?」
 「カメラを頼む」ネクサスを手渡した」
 ボーディングラダーで奮闘している巫女に近寄った。
 「手伝いますよ」素早くフィンを剥ぎ取る。

 

 ・・・・・・・・・・・・

 

 ダイビングサービスに到着。十五名は既にプール講習を終えていた。
 「お疲れ様です」
 「どうだった」
 「楽しかったですよ」
 「明日は海洋実習だ。もっと楽しいぞ」
 教室の中を覗き込み KO に声をかけた。
 「今日は何時頃に終わりますか?」
 「そうですね。八時過ぎには・・・」
 「学科試験はやはり明日ですか?」
 「その方がいいでしょう」
 「おーい、お前達、今夜は一緒に夕飯を喰いに行こう。その後希望者がいれば補講をする」
 N山とO竹が走り回っていた。
 「おい、いつまで燥いでいるんだ。そろそろ席につけ」
 「あっ、ぽーさん。お疲れ様です・・・こいつプールでエアを使い切ってしまったんですよ」 
 「残圧はどれくらいあったんだN山?」
 「十・・・ちょっとくらいでした」
 「プールでそれは少なすぎるぞ。いくら何でも。・・・エア漏れをしているかもしれないな。明日はセッティングを念入りにしてみろ」
 「それで大丈夫でしょうか?」
 「それで駄目なら才能が無いのだな。Cカードを取るのは諦めろ」
 「いや、大丈夫です。絶対に取ります」
 「まあ頑張れよ。・・・O竹、潜ったらN山のエア漏れが無いか視てやれ」

 「ここにぽーさんの記事が貼ってありますよ」声の方を視た。壁に昨日渡したコピーが画鋲でとめられていた。
 『こういう風にされたくてコピーしてきた訳ではないのだが・・・まあいいか』
 洗い場が空いた。機材をざっと水洗いをして干した。

 

 店内に戻ってくると神主グループがログブックを開いていた。
 大勢で燥ぎながら書き込む姿を視ていると『これはこれで楽しいのだろうな』と思う。
 我がグループはと言うと誰も持参していない。
 二人は時計にダイブ記録が残っている。私とT村は艇の上でエントリー・エキジットタイム、水深はメモしてあった。
 宿に帰ってからゆっくりと記せばそれで済むことであった。
 三人は魚類図鑑に』眼を通している。一人ポツネンとしているのは羽田で話しかけてきたイトウだ。
 単独参加で手持無沙汰のようだ。
 巫女が私の記事を視て言った。
 「ただものではないと思ってましたけど、やっぱり偉い人だったんですね」
 「偉くない、偉くない」

 ホテルに帰ってバスを使い一息ついていると娘二人がやって来た。
 「ログをつけましょう」
 「もう書いちゃったよ」システムノートを開いて見せた。

 私のログを覗き込みながら二人は自分のそれを広げた。
 丸ポチャが『潜水王』(ダイバーズウォッチ。数本分の潜水記録が残せる。カシオ製)を取り出した。
 「セットするのを忘れた。架純ちゃん見せて」架純も同じ物を持っていた。
 「どんな魚がいましたっけ?」私は思い出す限りの魚の名をあげた。
 
 「写真、撮れました?」
 「そこそこには。ああ、貴女の写真もちゃんと撮りましたよ」
 「ハリセンボンと一緒のところは、撮りました?」
 「ハリセンボン?」
 「一本目に船の下にいたじゃないですか。私がこう掴んでー」
 「ああ、あれ、ハリセンボンだったのか。・・・俺は丸ポチャを抱えているのかと思ってた」



 「何かコメントを書いてください」架純にログブックを渡された。
 まずは自分の似顔絵、スペースに余裕があるのでハウジングとフラシュ。サインを入れて御仕舞。
 「ぽーさんには書かなくていいの?」
 「では、お願いするか」
 『普段は御宿だとギャップが激しいのでは・・・写真がとっても楽しみだなナァ・・・あと二日エンジョイ致しましょう お父さん』(原文のまま)
 『お父さんだけ余計だ!』 

 「で、どうですか?・・・感想は?。天気にも恵まれたし、
  途中も荒れていなかったからフナ用をする人もいなかったし、まあ最高に近いと言っていいだろうね」
 「船酔いをしている人、いましたよ」
 「誰?」
 「一人で来てた人」
 「ああイトウか」
 「後ろの方で吐いてました」
 「君たちは大丈夫だったんだ」
 「ええ」
 「で、海の中は・」
 「こんなに綺麗だったとは思わなかった。来て良かった」

 二人の所属する団体は私とは異なる『P』であった。運営システムと言うか経営方針と言うか、まあそれが『NAUI] とはだいぶ違うようだ。
 二人のタンク本数は私と殆ど一緒だった。(Cカードを取得したのは私の方が先)
 しかし、所持しているカードの枚数は極端に異なる。
 私は最初のオープウンウォーター一枚のみ。
 だが二人のログブックファイルの中には七枚のカードとワッペンが多数入っていた。
 「エッー!なんでそんなにあるの?」
 「オープンウォーターにアドバンスでしょう。それから・・・・・・」
 (アドバンスはオープンウォーターの上のランク)
 手に取って見せて貰った。ボートダイバー・ドライスーツ・・・
 「何これ?」
 「ボートダイビングするには必要だって、お店で講習を受けた」
 「そんな資格は無いぞ。そもそもCカードだってライセンスでは無いし」
 どうも、必要の無い講習で荒稼ぎをしている店のカモになっているようだ。 
 ・・・そのほかの物も資格とは思えない。・・・そして多数のワッペンはそれを表示したものだった。
 「カードはいいとしてワッペンは服に縫い付けるとかすれば・・・。こんなに沢山持ち歩く必要は無いだろう」
 「そうなんだけど、デザインがあまり好きじゃないの」
 「二人合わせれば神経衰弱ができるな」
 「ぽーさんは、こんなの好きじゃないでしょう」
 「いや、そんなことは無いけれどね・・・」と答えたがどうも歯切れが悪い。

 ダイビング仲間に絵葉書を書いていた。私の葉書はあっさりしている。今回は水温と透明度を記しただけだった。

 講習組が帰って来た。
 「腹、すいているか?」
 「昼が遅かったからそうでもありません」
 「この人数だからピーク時を外して行こう。三十分後にロビーに集合」

  連日のジャッキー・ステーキ・ハウス
 「十九名だけど入れますか?」奥の奥に案内された。
 「では適当に座れ」私は架純と丸ポチャと同席。右隣にKS女子大の三名。・・・だが「酒池肉林とは違う。
 左の席はT村を含むT大三年。
 「ぽーさん。ビール頼みませんか?・・・一本は飲めないから・・・」
 「分かりました。どうぞ」
 「ぽーさん。昨日の、やってくださいよ」とT村。 
 「いいよ奢ってくれるのか?」
 
 食事が済むとどの席も賑やかだ。思いは明日の海洋実習と学科試験だろう。
 期待と不安が交錯しているようだ。
 隣席ではT村が他の三人にいろいろレクチャーしている。
 「おいT村、偉そうにしているじゃないか。ちょっとこっちに来い」
 「はい」三人が笑いながら送りだしてきた。T村はおどけた様子で小さくなって架純の隣に座った。
 「ダイブテーブルも満足に理解していない奴が・・・今夜の補講はお前がやれ」笑いながら言った。
 「出来ませんよ」
 「来年、ファンダイブに来たら他の連中もお前と同じように偉そうにするのだろうな」
 「たぶんそうでしょう」
 「で、どうする?・・・海に行くか?」
 「自分はカメラを持ってきました」
 「そうか、では・・・行かねばならないだろうな」
 丸ポチャと架純が笑いを堪えている。
 「では、海岸まで五分くらいだから歩くぞ」十九名が連れだって歩き出した。

  堤に上がり昨夜の現場にゆっくりと脚を運んだ。
  T村はカメラを取り出して準備を怠らない。
 丸ポチャと架純は・・・想像がつくだろう。
 堤の上に座った。煙草を取り出した。丸ポチャと架純が隣に座った。
 「わぁーKSの三人娘が燥ぎながら走った。『まずい』
 「危ないぞ!」面倒なことになると思い声を上げた。
 悲鳴は・・・別な者からあがった。
 三人を追い越すように駆け降りたW部が見事に転倒してそのまま海に転がり込んだ。
 それを助けようとしたM山が巻き添えを喰った。
 爆笑 爆笑 大爆笑
 「撮りましたよ」T村が喜色満面で報告に来た。
 「おーいW部、そのまま泳げ、水温は充分あるぞ」
 「しゃれになりませんよ」
 ※ まだスマホは勿論、携帯電話もPHSも一般には普及していなかった時代だった。濡れて壊れるような物は無かった。

 時計を視た。十時になろうとしていた。
 「ではそろそろ帰るぞ。で、補講をするからな。希望者は早めにホテルに向かえ」
 立ち上がった。速足で歩きだした。道すがらN山とO竹がいろいろ質問をしてきた。

 N山はイントラ志望である。だが本日の実習結果を訊くと必ずしも向いているとは思えないが。
 「まあ、とにかく落ち着いてやることだな」
 「合格しますか?」
 「出来ない。あるいは、しないのはまずいだろう。だが巧拙は問わないはずだ。
  つまり下手でもいいから確実にこなせばいいんだ。技術は数をこなすことにより育つものだ。
 ・・・・・・明日は今日のプールの延長だ。水深が少々深くなるがな」

 部屋に帰って明日のためにカメラのセッティングをしていた。
 ドアは開け放したままだった。人の気配。
 「あのー」一年女子の三人だ。
 「何時から始めますか?」
 「みんな揃っているのか?」
 「まだ少しですけど」
 「そうだな・・・では十分後に顔を出します。希望者に声を掛けて集めて桶」

 803号室。唯一の畳部屋だ。三年生を除く全員が集まっていた。
 「三年はどうした?いいのか?」
 「・・・来ないかもしれません」
 「うむ、まあいいだろう始めるか・・・あいつらは追試だな」
 T 村の持ってきたテキストを奪って開いた。
 「ではまず一章。機材の説明だから・・・ざっと眼を通しておけば大丈夫だなここは」
 三年生がやって来た。
 「適当なところに座れ。で、次は科学か。これは理解し難いらしい。いいか水面で一気圧。
  まず、これを憶えておけ。十メートル潜る毎に一気圧ずつ増して行く。
  だから水深十メートルは二気圧。二十メートルでは三気圧。分かったな」
 多数が頷いた。
 「本当に理解しているか・・・ではいくつか訊くぞ」
 ・・・理解しているのは僅かだった。
 繰り返し水深と水圧の関係を説明した。
 それが終われば」空気の消費量計算・ダイブテーブル。補講は深夜まで続いた。

 

 つ づ く

   ※掲載順位がランダムなのでダイビング記事の目次を作りました。
   年代順となってます。

     ダイビング編目次  

 

 



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