ぽせいどんの今日の一枚

写真とかCGとかを気ままに + DIY

サイパン 1992 October

2021-08-30 12:41:13 | 写真 海

  十月七日 サイパン ラウラウビーチ

 眼を覚ますと雨は上がっていた。南国の日差しが眩しい。
 街中へ出て珈琲と焼き立てのパンで簡単な朝食を済ませた。
 メッシュバッグへ器材を詰め込んでダイブショップへ顔を出した。

 「盗難のおそれがありますので貴重品は一切持たないでください」
 「カメラは?」
 「海の中に持って行く物は結構です。車中に物は残せないと言うことです。メッシュバッグも置いてください」
 BCやレギをバッグから取り出した。
 「コンピューターを使用ですか?」とガイドが訊いた。
 「いいえ、どうしてですか?」
 「その残圧計ですよ」
 一般的なゲージはコンパス、水深計、残圧計の三点が一つになったコンポタイプだ。
 しかし、私の物は残圧計のみだった。
 沖縄での講習の時に初めてゲージを視た。傷だらけだった。コンパスは壊れていた。
 原因はゲージを引きずって泳ぐことだった。珊瑚などで傷ついたのだ。
 と、言うことは珊瑚を傷つけていると言うことでもある。非常に抵抗があった。
 そこでダイバーズウォッチは水深計を組み込んであるものを購入した。
 コンパスはそのベルトに極めてコンパクトな物を取り付けた。残圧計のみのゲージは掌に収まる大きさだった。
 BCのポケットが定位置になった。

 BCの内側にウェットスーツ、ブーツ、レギ、フィン、マスク等必要な物を包み込んだ。 
 メッシュバッグに残したものは記念写真用のウォータープルーフのカメラ(Nikon-L35 AWAD)とログブック。
 タオル着替え、その他。それをショップに預けた。

 車は未舗装の山道を走っていた。周囲は密林であった。日本兵が潜んでいてもなんら不思議はない。そんな印象である。
 すでにダイブショップを出てから25分を経過していた。ショップのスタッフは「ポイントまで20分」
 ドライバー兼ガイドの男は「約30分」と言った。が、目的地まではまだだいぶかかりそうだ。
 車はダブルキャブの四駆。私は助手席に。後席は女性四人が寿司詰め状態であった。
 明らかな定員オーバーである。
 ドライバーと話した。サイパンの警察は定員オーバーはまず黙認するそうだ。
 その代わりシートベルトに関しては非常にうるさいとのことだった。

 そんな話をしているうちに目の前が開けた。漸くポイントに到着。
 ビーチは砕けた珊瑚で出来ていた。裸足で歩くには辛いものがあった。
 簡単なブリーフィング。セッティング。

 ウェットスーツを着用。50mほど、足場の悪いビーチを歩きいよいよエントリー。
 エントリーは岩場からクレパスにバックロール。
 その必要があるのか?。ジャイアントストライドでは何故いけないのか?。
 水深5m。透明度はあまり良くない。
 ガイドの後について水中移動。それに昨日講習を終えたばかりの二十歳くらいの女性二名。
 五十前後の関西のオバサン。ウェットスーツは豹柄ではなかった。
 バディ、そしてしんがりを私が務めた。
 
 バディのオクトからエアが漏れている。本人は全く気付いていない。
 知らせようかと思ったが下手に教えてパニックにでも陥ったら面倒である。
 残圧計を確認してガイドに伝えることにした。
 私のギアは自前だがバディはレンタルである。
 管理の悪いレンタル器材はやはり願い下げだ。それが支障の無い範囲でもビギナーは不安になる。

 水深10m海中に太い水道管のようなパイプが走っている。それをくぐり少し行くと急にあたりが開けた。魚影も豊富だった。



 ニコノスを構えた。タンクを背負っての水中撮影は実はこれが初めてであった。
 最初から傑作をものにできるとは思っていない。
 ニコノスは一眼レフでは無い。今回はファインダーに慣れることとスピードフラッシュ使用の露光データーを取る心算だ。
 フィルムは高感度のネガカラー。撮影。


 ガイドがパンを配った。バディが受け取った。ロクセンスズメダイが群がって来た。

 ニコノスを構えた。バディは魚の群れに覆われていた。顔がちらりと覗いたところで撮影。

 ガイドが私にもパンを差し出した。魚の群れに襲われた。バディにグローブを貸していたので素手であった。
 魚の突撃には面食らった。手にしたパンを一機に撒き散らした。奪い合いが始まった。何故か醜いものを視たような気がした。
 ガイドが残ったパンを袋ごと岩に括り付けた。比較的大きな魚が寄って来た。
 あっ!と云う間もなく、袋を破りパンに喰らいついた。水が白く濁った。大型の魚の間隙をぬって小魚も健闘している。撮影。

 ガイドがエアチェックをしている。やはりバディの残圧は他よりもだいぶ少ない。
 ガイドが自分のオクトパスをバディに渡した。オクトパスブリージングをしながら水中移動。帰路についた。

 ビーチに到着。煩わしいウェットスーツを脱ぎ捨てた。冷えたソフトドリンクが喉に心地良い。
 !。自販機は無い。このドリンクは何処から?。車の中には何も残せないはずでは?
 
 講習を終えたばかりの二人がガイドに話しかけた。私と同様に耳の抜けが悪いらしい。
 「耳の中に耳管と言う管がありましてね・・・・・・・」
 流石に若い女性が相手だと違う。耳の構造から丁寧に教えている。
 私も横から話に参加。
 「大丈夫ですよ。いずれ馴れるよ。要するに時間の問題ですよ」
 ・・・・・・外した。何のリアクションも無い。
 
 「それ、もしかしたらシャレですか?」少しの間をおいてガイドが訊ねた。
 「・・・気づいていただけましたか」

 つ づ く


  ※掲載順位がランダムなのでダイビング記事の目次を作りました。
  年代順となってます。

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