木工挽物という仕事

基本的には時代遅れの仕事
正反対の位置にいるブログから発信してみます
でもブログも先端じゃなくなりましたね

(有)シンメイ  鎮魂歌

2015-10-26 23:50:21 | 友達
取引先の社長が亡くなった
58歳・・・
いつも付き合ってる材木屋からの紹介でその人はうちに来た
従業員は50名ほど
自分で立ち上げた仕事をコツコツと成長させてきた

数年前だったか、彼の会社の近くのレストランで二人で昼食をとった
いつもは工場の前の駐車場で立ち話するだけだったがこの時初めてゆっくり話した
特段しなければならない話だったわけじゃない
なんとなく話してると落ち着く
それはきっと彼もそうだったんだろう
仕事じゃない話を良くしたような気がする
自分の辿ってきた道、今の苦労、そんなことを耳にすると会社は大きくするだけが能じゃないんじゃないかと自分勝手な妄想も抱いてしまいそうだった
そしてその日に、自分は癌だと言った
もうかなり悪い状態で、転移もしてる
冷静にどんな治療をしてるかまで詳しく話してくれた
でも笑いながらだった。。

ゴルフが好きで、ゴルフクラブに設置する新製品を作ったからどっかに売り込めないかなぁ
なんてひとりごとを言うんで、僕の知ってるゴルフ関係の取引先まで紹介したこともあった
いつも元気で笑ってて・・・でも泣いてたんだろうなぁ

付き合いが広いんで「泊まり込みでお客さんたちを紹介がてらの宴会をやるから来てよ」
そう言われたけど、「僕は宴会拒否症候群だからダメ~~」って断ってごめんね
それでも時々顔を見せてくれて、そのうち専務を連れてくるようになった
「こいつは信頼できるから、あとを任せるんだ」
寂しいくらいの準備万端だった


僕の知ってる中では一番大きな葬儀だった
人が多いから焼香するのは8人同時
僕の前で空いた焼香場は真ん中の小さな彼の写真が置いてある隣だった
「社長お疲れさま、よう頑張ったね。 でもやっぱ早すぎ・・・」

写真の顔も笑ってた
彼は間違いなく天国の人になるよ

コメント (6)
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