ウェルザー=メスト/クリーヴランド管「ワーグナー管弦楽曲他」

          

 自宅に戻り、狭いですが書斎(というかスペース)で比較的大音響の音楽を鳴らせる環境になりました。ダンボールの中に眠っていたCDも全て引っ張り出して並べてちょこちょこと聴いています。

 2年数ヵ月ぶりの横浜の街ですが、想像していたほど変わっていなかったです。横浜駅周辺も何回か歩きました。横浜そごうの地下やクィーンズ伊勢丹などで高いですが美味しいものがズラリと並んでいるのを見てああ都会だなあと実感しました。地方都市は少々高くてもいいものをと思ってもそれを売っているところがありません。
 モアーズの「タワーレコード」と横浜ビブレの「HMV」もそのままでほっとしました。ただ、音楽ショップを取り巻く環境は相当悪化しているようです。先日、新聞でHMVの買収をTSUTAYAが諦めたと報道されていました。値段が折り合わなかったのとHMVの赤字店が相当数あった為とありました。旗艦店の渋谷店も閉鎖するそうです。
 いくら便利とはいえ著作権無視の違法ダウンロードで音楽業界が衰退して好きな音楽(業界)の水準が下がれば元も子もありません。業界の自助努力も必要ですが対策が必要です。

 久しぶりなので何枚かCDを購入しました。ポリーニの「ショパン・リサイタル」、アーノンクールの「ポギーとべス」、そしてフランツ・ウェルザー=メストとクリーブランド管弦楽団のワーグナーコンサートです。

・歌劇『リエンツィ』~序曲
・楽劇『トリスタンとイゾルデ』~「前奏曲と愛の死」
・楽劇『ローエングリン』~第1幕前奏曲
・楽劇『ローエングリン』~第3幕前奏曲
・歌曲集『ヴェーゼンドンクの5つの詩』(ソプラノ:ミーシャ・ブルガーゴーズマン)
・楽劇『ニュルンベルクのマイスタージンガー』~第1幕前奏曲
・楽劇『ワルキューレ』~「ワルキューレの騎行」

 ワーグナーはやはり大音響で鳴らしたいです。ロマンチックなメロディ、豪勢なオーケストレーションに陶酔です。ローエングリン、トリスタン、マイスタージンガーであればこのような序曲、前奏曲集でなくて全曲盤を直接聴くのですが、聴き処は「リエンツィ序曲」です。私はこの音楽が大好きでクナッパーツブッシュやシノーポリの演奏を愛聴しているのですが、メストもなかなかいいです。前半はワーグナーらしくたっぷりと鳴らしますがアップテンポの部分に入ると自由というかしなやかにリズム処理をしています。全般的に純音楽的ですがテンポにメリハリを効かすのがウェルザー=メスト風でしょうか。
 ブルガーゴーズマンもワーグナーソプラノとして十分な力強い美声を聞かせてくれていますが、どうせなら「愛の死」を歌って欲しかった。クリーブランド管もヨーロッパのオーケストラを思わせる(こういう例えは良くないのかもしれませんが)機能美で全く遜色ありません。

 ところで、タワーレコードの試聴コーナーにウェルザー=メスト指揮/ウィーンフィルのシェーンブルン宮殿/夏の夜のコンサート2010というCDがありました。「宇宙」をテーマにしたらしくて何とウィーンフィルがスターウォーズのテーマ曲やダースベーダーのマーチを演奏しています。気楽な野外コンサートならではでしょうが意外で楽しかったです。迷ったうえ購入しませんでしたが、やっぱり買いだったかな。


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