浅野いにお「おやすみプンプン①~⑨」

          

 途中で購入を止めていた「おやすみプンプン」です。何となく8巻、9巻を手に取り読んだところ、以前感じたような意味不明なところは少なくなって随分ストーリーがシンプルになっていました。もともとよく分からないシュールな話で、この手のものは読者が乗れるか乗れないかだと思うのですが、私はついていけない、面白く感じなくなっていました。

 8巻の後に6~7巻、その後に最新の9巻、最後に1~5巻を改めて読み直しました。繋がりがようやく分かりました。話しがあっちに行ったりこっちに行ったりで、既出の人物も再登場時にはもう忘れていて、これまでは関連が理解できませんでした。まだ状況が不明な人物は結構いて、伏線の提示が続くようですが、大きな流れが少しずつ明らかになってきました。

 このマンガが何なのかを表現するのは難しいです。どう言葉を連ねてもしっくりフィットしない。だから今マンガで表現している訳ですよね。実験的な作品。主題が散漫となり途中関心が持続しにくいですが9巻まで到達するともう止められません。早く先が読みたいです。

 このあと一体どう展開していくのだろう。

 冒頭から登場しているけど何なのかほとんど説明のないままの変な宗教団体に注目・・・洗脳されたプンプンがカリスマ教祖となって暴走、いろいろあるが最後は愛子ちゃんの純粋な愛で目を覚ます、とか。

 「この世界はもう僕のもの」というセリフに注目・・・新井英樹の「ザ・ワールド・イズ・マイン」との関連を示唆しているのでは。何らかの圧倒的な暴力で世直しを図る、とか。

 南条幸との恋愛と田中愛子との再会に注目・・・作者得意のノスタルジー、ピュアなハート系のストーリーを推し進めていく、とか。

 いずれにしても既出の焼き直しにはならないと思いますが今後の展開に期待です。


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