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映画・演劇のレビュー

『ガラスの城の約束』

2019-07-06 09:28:39 | 映画

6月に劇場で見た映画は12本。その中で外国映画はなんと3本のみ。そかも、そのうち1本は『ゴジラ キングオブモンスターズ』なのだから、実質は2本という少なさ。しかも、その貴重な2本に関してはなぜか、感想をここに書いていない。ほかの10本はちゃんと書いているにも関わらず。なぜ、そんなことになったのか、よくわからない。で、その2本がつまらなかったから、というのならまだわからないでもないけど、2本とも極上の作品なのだ。でも、いずれも書きにくい作品だったことは確かだ。

この映画がその2本のうちの1本だ。どうしようもない両親に育てられた子供たちのお話だ。『ショートターム』の監督、デスティン・ダニエル・クレッソンの第2作。主演は前作と同じくブリー・ラーソン。前作に続いて子供たちが過酷な環境の中でどう生きていくのかが描かれる。自由奔放すぎる両親のもとで、育てられた4人姉弟妹。成長して今は独立して暮らす次女を軸にしてお話は展開していく。子供時代のドラマと今のお話を並行して描いていきながら、彼女が両親をどう受け止めたのかが見えてくる。やがて、これからどう彼らとかかわるのかも。

子供には親を選べない、という当たり前のことが、身に沁みる。こんなとんでもない親に育てられ最悪の人生になりそうだったのに、そこから見事に立ち直り、最高の人生を生きることになる、というような単純なサクセスストーリーではないけど、彼女の成功は決して両親を反面教師にしたからでもない。破天荒な両親を受け入れることはできないけど、全面的に否定するわけのもいかない。難しい。この映画の難しさもそこにある。どうしようもないけど、受け止めるしかない。認めるわけには断じていかない。それだけは確かだ。こんな勝手な生き方が許されるわけはない。自分が好きするのは勝手だけど子供たちを巻き込むのは間違いだ。なんだか釈然としない。そこがこの映画の魅力なのだけど。子供時代のシーンが凄い。それに引き換え現在のドラマにはあまり魅力を感じないのも、なんだかなぁ、である。

さて、もう1本の映画だが、アスガー・ファルハディの『誰もがそれを知っている』だ。あのイランの巨匠がペネロペ・クルスとハビエル・バルデムを主演に迎えてスペインで撮った作品。たしかに面白いのだけれど、すでに彼はこれと同じタイプの映画を(『彼女が消えた浜辺』)作っている。こんなセルフ・リメイクのような映画を作る意味が感じられない。なんだか釈然としないのだ。そんなこんなで、この2本について書くのは気が重かった。


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