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映画・演劇のレビュー

『はじめてのおもてなし』

2020-06-27 21:50:12 | 映画

こういう地味な映画が劇場で公開されている。そんなこと知っているけど、改めて実感する。劇場で映画がなかなか見れない状況の中、反対にネットでは凄まじい量の映画が溢れていて、それは自由に見ることができる。でも、そんな贅沢な環境になぜかんざりしている。最初はとてもうれしかったけど、だんだん疲れてきたからだ。

これもまた、ネットフリックスでも配信されている。今日たまたま見た。そして、少しいい気分にさせられた。その当たり前のことが、なんだかうれしい。膨大な映画がネットで配信されているけど、なかなか選べない。そんな中から見る映画を選ぶ。リスクはないから、どれを見てもいい。それが何だか反対に足枷にもなる。バカバカしい話だ。時間はあるけど、つまらない映画のために時間を使いたくはないからだ。たまたまいい映画を見たというのがうれしい。

ドイツ映画だ。コメディタッチに作品で、最初は大丈夫か、と少し心配したけど、甘い映画だが、悪くはない。定年になり、することがなくなった主婦が難民を受け入れて生活することにした。夫との関係は冷めている、子供たちはもう十分に大人だ。受け入れた男が家に来たことで起こる騒動が描かれる。周囲との関係や、家族自身の動揺。息子は離婚していて、孫と二人で暮らしている。仕事が忙しくて、孫は寂しい。娘は31歳になっても、まだ学生をしている、医学生だ。夫は医者で大学で教えている。でも、勝手な男でうんざりさせられる。そんな家族のもとに、ナイジェリアからの難民である青年が来る。

難民をどう受け入れるか、という映画だ。そして、老後をどう生きるか、という映画でもある。それを家族の問題としてとらえる。プライドの高い女性が、新しい生き方に足を踏み出す。そういう切り口がいい。


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