習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

2007年演劇ベスト30

2007-12-30 21:22:38 | 演劇
 1 越境する蝸牛(太陽族)
 2 nine(アイホール+小原延之)
 3 月夜にようこそ(ニュートラル)
 4 アインシュタイン・ショック(ジャブジャブサーキット)
 5 僕たちの好きだった革命(金蘭会高校)
 6 その公園のベンチには魔法がかかっている(ニュートラル)
 7 ワールド・トレード・センター(燐光群)
 8 箱師よ、その町の暁に釘を打て(Ugly duckling)
 9 夜叉ヶ池(遊劇体)
10 ひとつでもいい(トランス・パンダ)

11 月と象ノ庭、或いは宵の鳥三羽(桃園会)
12 延髄がギリです(極東退屈道場)
13 ソウル市民、ソウル市民1919(青年団)
14 風の市(メイ)
15 空の驛舎(空の驛舎)
16 マトリョーシカ地獄(クロム・モリブデン)
17 追奏曲、砲撃(桃園会)
18 レミング(テラヤマ博、佐藤香聲)
19 ななし(南船北馬一団)
20 ドロップス(流星倶楽部)

21~30
   ベルナルダ・アルバの家(エレベーター企画 S・O・Kプロジェクト)
   ディプレッションとタンサク(Blue,Blue)
   天守物語(遊劇体)
   スチュワーデスデス(クロム・モリブデン)
   ありがたき幸せ、つまりはありがとう(コレクトエリット)
   OJ(10X10X10)
   風のほこり(新宿梁山泊)
   大山デブコの犯罪(テラヤマ博、岩崎正裕)
   人間が不老不死ならすべて解決(A級MissingLink)
   虫のなんたるか。(オリゴ党)

 今ここにある現実のほんの少し先に地続きである未来の日常を取り上げながら、更にその先を見据えた僕たちの「今」をしっかりとらえて見せる岩崎正裕と太陽族の『越境する蝸牛』を今年のベストワンに推す。この作品と、小原延之が赤裸々に今そこにある危機を描いた力作『nine』をセットにして、今年のベストとしてもいい。この2作に坂手洋二が9・11を単なるレクイエムとしてではなく、これもまた確かな今として捉えた『ワールド・トレード・センター』を加えると政治色が強すぎるのではないかという危惧もあるけど、これらの作品には演劇でしか見せれない可能性を感じる。

 3、6位は約3年振りに活動を再開した大沢秋生の2作品。彼は従来の作品作りで、きちんと仕立てた『月夜にようこそ』と、今までにない新境地を開いた『その公園のベンチには魔法がかかっている』という2作品を短いスパンで連続上演した。

 今年一番の驚きは5位金蘭会高校演劇部『僕たちの好きだった革命』。女子高校生たちにこれだけの芝居をされてしまったら、もう大人は太刀打ちできない。ぜひ鴻上尚史に見てもらいたかった。

 アグリーが新しいスタイルを提示した『箱師よ、その町の暁に釘を打て』や遊劇体がまるで違うアプローチで泉鏡花を見せた2作品。いつもながら刺激的な作品を見せてくれる桃園会、クロム・モリブデン等の僕のベストテン常連劇団の作品が並ぶ。ベストテンの最後にはナカタアカネが、これでトラパンを封印した『ひとつでもいい』を入れてみた。実は、ナカタさんのリクエストである。(本当はもう少し上に入れてもいいと僕は思ったのだが)

 今年の新発見は、コレクトエリット。新鮮な驚きがあった。久しぶりに見たMayもとても力の籠った作品で嬉しかった。いつもの事だが、一応遊びで順位を付けてみたがあまり意味はない。順不同だと考えてもらえばいい。更にはここには挙げなかったが、30位以下にも素敵な作品がまだまだたくさんあるのも、いつものことだ。

 今年見た芝居は148本。これが多いか少ないかはかなり微妙だ。もう少し見ようと思えば見れたと思う。だけどそこまでは頑張れなかった。これが60本くらいに減っても僕のベスト30は変わらなかったと思う。要するに大事なのは本数ではない、ということだ。だからと言って60本に減らしたほうがいいか、というとそういうことでは断じてない。ある程度の本数を見なくては見えてこないものは確かにある。まぁ、だいたいこれが僕の持っている時間のギリギリ限界だったことも事実だ。去年より芝居の本数が30本ほど増えた分、映画の本数が30本程減ってしまった。確かにこれが限界みたいだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 壁井ユカコ『イチゴミルクビ... | トップ | 2007年映画ベスト30 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。