習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『火龍 ファイヤー・オブ・コンシェンス』

2011-04-26 21:17:02 | 映画
 相変わらず、字幕なしで映画を見ていると、まるでセリフはわからないから会話のシーンが退屈で仕方ない。今回は香港映画で、刑事もののアクション映画なので、会話の内容がわからなくても、映像を見てるだけで、だいたいの話はわかるから助かるのだが。

 これはとてもスタイリッシュな映画だ。そのことにまず驚く。こういうなんでもないアクション映画なのに、こんな感じである。この映画だけでなく、最近の香港映画はなんだかとてもおしゃれだ。昔のような泥臭いものもあるのだろうが、話題になって、海外の映画祭なんかにも登場するものは、さすがに一味違うのだろうか。

 先日見た『天使の眼、野獣の街』があまりにおもしろかったので、調子に乗って、この作品に手を出したのだが、映画自体は今いちだが、今の香港映画の状況や方向性が垣間見えるようで、そういう意味では見てよかった。監督はダンテ・ラム、レオン・ライは主演である。(なんと、ビビアン・スーがチョイ役で出ていた!)

 冒頭のストップ・モーションで惨劇の現場をカメラが動かしながらその一面の状況を延々と見せて行くシーンがなかなか面白く、いったいこの先どうなるのか、と期待させる。だが、その後のお話自身はまるで新味のないもので、それはそれで言葉がわからない身には助けられるが、なんだかなぁ、とも思う。警察内部に犯人側と通じるものがいて、最後は刑事同士だった主人公の2人が対峙することになる、といういかにもなパターン。

 手榴弾を多用したド派手な爆破シーンは迫力がある。人込みをかき分けてごった返す繁華街の中を追跡するシーンもおもしろい。見せ方は工夫が凝らされているのだが、お話の方には、それを上回る仕掛けがない。まぁ、何を喋っているのかもわからないような僕にそんなこと言われても誰も納得しないだろうが、それでも僕の感想はあながち外れてはいないと思う。たぶん。

コメント    この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『牛の鈴音』 | トップ | 金城一紀『レヴォリューショ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。