習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『スカイライン 征服』

2013-11-20 21:23:52 | 映画
 このクソつまらなさそうなSF映画を見たかった。劇場で公開された時も、一瞬見に行こうか、と血迷ったほどだ。どう考えても面白いはずもない。つまらないSF映画以外の何物でもないはずなのだ。こういうものを劇場公開するということ自身がちょっとした事件ではないか。そんな気にさせられるような映画に見えた。

 一応SF超大作のような宣伝をした。スターが出ていて、有名監督が手掛けて莫大な予算を投入して、鳴り物入りで公開されるハリウッド大作(『宇宙戦争』とか、最近でなら『オブリビオン』とか、ね。あれっ、どっちもトム・クルーズだぁ!)はたくさんある。でも、これはまるでそういうのとは違う。どこにも取り柄がない。なのに、どうして劇場公開されたのか。

 もしかしたら、どこかに、特別な何かが隠されているのではないか、そんな気になり、見てみたいと思ったのだ。上映時間が90分ほどという明らかにB級映画の尺であるのも、気になった。ツタヤに行くとこの手のB級SF大作もどきが大挙して並んでいる。いずれも、日本では劇場未公開作ばかりで、凄い量になる。そういうジャンク映画は多々あるのだ。そういう状況の下、数ある作品群の中から敢えて劇場で公開させる特別の1本というだけで、何だかときめくではないか。

 ということで、暇なので、たまたま手にした。(ずっと、もう、こういう映画があったことすら忘れていたのだ。)疲れているから何も考えたくない。だから、何も考えなくてもよくて、もしかしたら、思いもしない拾い物かも、と期待させる映画、それが今日はたまたまこれだったのだ。

 始まってすぐ、いきなりストーリーの核心部分に突入! おっ、なかなか大胆か、と思うが、すぐに、15時間前に巻き戻し。その話がつまらない。まるで、いらない話をわざわざ後で見せるセンスのなさ。でも、その後また、時間は追いついて、更にその先へと話はどんどん進む。いきなりのエイリアンの攻撃。打つ手はない。3日間のドキュメント。

 同時期公開で、こちらはちゃんとした大作映画の『世界侵略: ロサンゼルス決戦』と説明なしのいきなりの展開というところはよく似ているけど、こちらは、しょぼい。あのド派手な映画と比較するまでもない。

 だが、この映画もおめおめと負けていない。実はここにはここにしかないような新機軸が用意されているのだ。その秘策とは!なんと、すべての出来事が主人公たちの主観からしか情報は描かれないのだ。彼らが見たまんま、他には何もない。半径数百メートルの世界のお話なのだ。外にはやつらがうじゃうじゃいて、逃げられないから、動きようもない、ということなのだが。(だから、それほど製作費もいらない。)5人の男女が戦う。途中で何人かの人たちと合流するけど。

 そして、彼らもエイリアンに捕獲されました。終り。

 なんとも、かんとも、言い難い。あっけないです。主人公たちには、もう少し頑張ってほしかったけど、仕方ない。現実はこんなものだろうし。で、結論は、思った通り実につまらない映画だった。がっかり。もしかして、何かがあるのでは、なんて少し期待した僕がアホでした。先日の『クロニクル』のようなフロックはあまりない、という話だ。やれやれ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『清須会議』 | トップ | 相場英雄『共震』 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。