習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

トイガーデン『ユビュ王』

2010-10-07 21:31:28 | 演劇
 また『ユビュ王』である。安武さんはほんとうにこの作品が大好きなのだな、と感心する。新しい作品にトライするよりも、勝手知ったるこの作品で、また、新しいアプローチをして、遊ぶ方が楽しいのだろう。今回は最初に20分くらいかけて「あらすじ」を紹介する。しかも役者たちを使って「あらすじ」を演じさせるのだ。そんなのありか? 

 あきれるやら、笑えるやら。そして、本編に突入である。本編は50分。ちゃんとわかるように丁寧に原作をなぞればいいのに、とも思うが、安武さんにはそんな気はまるでない。それより、あらすじをちゃんと見せてるからさらに強引なことをしても大丈夫と踏んだのだ。だから、怒濤の展開である。勢いだけで見せる。登場人物は4人。だが、そのうち3人は(というか、それってメーンキャスト全員だ!)ユビュ王を演じる。では、その他大勢の役はどうなるのか、というと、もちろん安武さんが自分ひとりで頑張っている。バカバカしいにも程がある。

 この素材で遊ぶ、というのが彼の基本コンセプトだ。子供が同じ話で何度となく「ごっこ遊び」を繰り返すのと同じだ。飽きることなく演じられる。最初の「あらすじ」も別バージョンだと解釈してもいいくらいだ。だから、今回は『ユビュ王』2本立だったりもする。

 この無意味な世界から彼は何を描こうとしたのか、そこが知りたい。だが、ここにはなんの意味もない、と言われても腹は立たない。それはそれでOKなのだ。安武さんが飽きることなくこの無意味とも言える冒険を続けるかぎり、それにつき合ってもいいかな、なんて思った。




『演劇』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
この記事をはてなブックマークに追加
« 小手鞠るい『私の神様』 | トップ | 『バレンタイン・デー』 »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

演劇」カテゴリの最新記事