習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『曇天に笑う』

2018-04-16 22:12:35 | 映画

本広克行監督最新作。なのに、なんと、驚きのつまらなさ。まるでヒットしていないのも当然の残念な出来。どうしてこんなことになってしまったのか。気になって仕方がない。前作『亜人』もあれだけの意気込みで挑戦したにもかかわらず、残念な映画になっていたが、今回はあの比ではない。

 

唖然として、たった94分の映画なのに、長い長い。苦行だった。これはいろんなところで、いろんなことがカラカラと空回りしている。誰も見たことがないアクション映画を目指した『亜人』は実は本来アクションではなく実によく出来た人間ドラマなのだ。あの原作の持ち味を完全に壊してしまい、中途半端なただのアクションにしてしまったのと、同じように今回もまた、ストーリーの持ち味を生かし切れないまま、空疎なアクション映画にしてしまう。同じ失敗を繰り返す。もともと彼はディテール命の人だったはずだ。大ヒット作『踊る大捜査線』がまさにそうだろう。細部の小細工が生きて全体の大きなドラマを支えた。映画版よりもオリジナルのTVシリーズのほうが圧倒的に面白かったのも、それ故だ。

冒頭の圧倒的な空撮、その長回しにドキドキする。はず、だった。なのに、もうそこから外してしまった。主人公たちにたどり着き、彼らの強さを印象付けるはずなのに、長いだけで、モタモタして、まるでドキドキしない。大津の町の賑わいを描く圧倒的なモブシーンだったなに、それがただの段取り芝居にしか見えない。そこで何を描こうとしたのかが見えてこないからだ。主人公の3兄弟を印象付けるはずが、彼らの個性や立ち位置が、ただの説明になる。

 

以下のストーリーも同じ。チマチマしたお話は、この映画の大きなドラマを形作らない。これでは、何を描こうとしたのか、それすらつかめない。当然、どんなに頑張ってもアクションシーンは弾まない。退屈する。衝撃的な失敗作を目の当たりにして、彼が次に何をするかが、早くも気になる。この2本のあと、そこが正念場だろう。ももクロと撮った青春映画があんなにも素晴らしかったのだから、僕はまだまだ彼を見棄てたくない。

 

 

 

『映画』 ジャンルのランキング
コメント   この記事についてブログを書く
« オリゴ党『フェアリーテール』 | トップ | 劇団大阪シニア演劇大学『楽... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

映画」カテゴリの最新記事