椎名さんの「あやしい探検隊」シリーズは一体何冊あるのだろうか。作者ですらわからないのではないか。(というか、椎名さんは数えない!)これは、取りあえず、その最新作である。(たぶん)昔、昔、記念すべき第1作『わしらは怪しい探検隊』を読んだ頃を思い出す。角川文庫で読んだ。まだ、それほど椎名さんは有名ではなかったはずだ。この本も単発の1冊でしかなかった。(きっと)
衝撃的だった。こんなおバカな本がこの世界にあるだなんて、まだ幼い少年だった僕には信じられないことだったのだ。(といか、もう大学生だったけど)バカが本を出してもいいのだ、とわかった。なんだか、生きる希望ができたのを覚えている。こんなバカなら誰にでも書ける。と思って、既刊の椎名本をむさぼるように読んだ。もちろん、『哀愁の町に雨が降るのだ』と『さらば国分寺書店のおババ』だ。後は『気分はだぼだぼソース』くらいしか、まだなかったのではないか。
それから先はもう推して知るべし、である。新刊でシーナ本が出るたびに、すべて読んだのではないか。どこにでもいるシーナ・マニアである。本の雑誌も定期購読した。80年代、椎名さんがいたから、生きていて楽しかった。でも、彼が映画を撮り始めたころから、だんだん熱がさめていった気がする。『水域』を断念し、(どうして撮らなかったのか、と今でも悔やまれる)その後、『白い馬』を撮った。そして映画を辞めた。あの頃、違うな、と思った。もちろん、それからも、ほとんどすべて読んでいる。でも、あの頃から少し熱は醒めた。でも、その後も彼は膨大な本を書いている。いったい何冊読んだのか、想像もつかない。
今は、気が付いたら読む。今回もそう。済州島というのがいいな、と思った。こんなにも近い海外という選択肢を今まではしなかった。怪しい探検隊は、目的に意味はない。メンバーと、宴会にしか存在価値はない、と言いたくなるほど、魅力的だったのだ。
今回、なんだか初心に帰って、(僕が)読むことができた。久々だったこともあるかもしれないけど。だから、とても懐かしくて新鮮。今ある状況で無理せずやれることをする。そういうスタンスで楽しんでいる気がする。椎名さんは相変わらずマイペースだ。老境に達して、ようやく昔の彼に戻ってきたのではないか。なんだか読みながらとてもうれしい気分にさせられた。
衝撃的だった。こんなおバカな本がこの世界にあるだなんて、まだ幼い少年だった僕には信じられないことだったのだ。(といか、もう大学生だったけど)バカが本を出してもいいのだ、とわかった。なんだか、生きる希望ができたのを覚えている。こんなバカなら誰にでも書ける。と思って、既刊の椎名本をむさぼるように読んだ。もちろん、『哀愁の町に雨が降るのだ』と『さらば国分寺書店のおババ』だ。後は『気分はだぼだぼソース』くらいしか、まだなかったのではないか。
それから先はもう推して知るべし、である。新刊でシーナ本が出るたびに、すべて読んだのではないか。どこにでもいるシーナ・マニアである。本の雑誌も定期購読した。80年代、椎名さんがいたから、生きていて楽しかった。でも、彼が映画を撮り始めたころから、だんだん熱がさめていった気がする。『水域』を断念し、(どうして撮らなかったのか、と今でも悔やまれる)その後、『白い馬』を撮った。そして映画を辞めた。あの頃、違うな、と思った。もちろん、それからも、ほとんどすべて読んでいる。でも、あの頃から少し熱は醒めた。でも、その後も彼は膨大な本を書いている。いったい何冊読んだのか、想像もつかない。
今は、気が付いたら読む。今回もそう。済州島というのがいいな、と思った。こんなにも近い海外という選択肢を今まではしなかった。怪しい探検隊は、目的に意味はない。メンバーと、宴会にしか存在価値はない、と言いたくなるほど、魅力的だったのだ。
今回、なんだか初心に帰って、(僕が)読むことができた。久々だったこともあるかもしれないけど。だから、とても懐かしくて新鮮。今ある状況で無理せずやれることをする。そういうスタンスで楽しんでいる気がする。椎名さんは相変わらずマイペースだ。老境に達して、ようやく昔の彼に戻ってきたのではないか。なんだか読みながらとてもうれしい気分にさせられた。