
昨日見た『おいしくて泣くとき』があまりに拙かったから、何故こんな映画を撮った横尾初喜監督が商業映画デビュー出来たのか、それが気になって彼の前作を見ることにした。
これは劇場公開もされた(ほぼ)自主映画。彼は僕が知らなかっただけで、これまでにも何本か長編劇映画を撮っているようだ。勝手にまだ若い学生監督だと思っていたが、決してそういうわけではない。
今回これを見て、昨日の作品とこれの2本がまるで同じパターンだったことに驚く。この監督はお話を作ることも伝えることもできないで、雰囲気だけで流されていくそんな映画しか作れないみたいだ。だけどこだわりはあり、美しい風景を切り取ることには長けている。ただまるで台本がなってないからそこにはリアリティがない。
そんな彼なのにどうして松竹映画でメジャー(商業映画)デビューが出来たのか。不思議だ。これを見ても、改めてその謎は深まるばかりだ。当然この作品も見たはずのプロデューサーが、それでも『おいしくて泣くとき』を彼に依頼したのはなぜなのか。わからない。
今回の作品では大学生のかわいい恋愛を描く。ヒロインはいつも明るく元気で前向きな女の子。引っ込み思案の男の子に出会い、猛烈な勢いでプッシュを仕掛けてくる。一気に距離を詰めてくる。彼はその勢いに押されて付き合うことに。
彼女は決して恋愛依存症ではない。ただひたすら彼が好きだからこんなふうに押し切ってくる。だけど大学生活は彼だけではない。写真が好きでいつもカメラを手にしている。サークル活動にも積極的。そんな彼女が彼は眩しい。そんなふたりのお話。
こんなふうにストーリーを書いているとなんだか面白い映画だと思う。だけど実際にはもどかしいばかりの映画である。見ていてイライラされられる。やりたいことに自分の技術が追いつかないようだ。やはりこれではまるで拙い学生の自主映画を見ている気分になる。謎は深まるばかり。






