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映画・演劇のレビュー

神原組プロデュース『わらわら草紙 五の章』

2020-11-19 19:50:55 | 演劇

コロナが蔓延する中、3月に公演を打ち、7月にも、そして、怒濤の9月公演を経て、今回の11月といつものペースを崩すことなく快進撃を続ける神原ワールドだ。

すかんぽ長屋名義、浮狼舎で、そして今回は神原組プロデュース。もともとはそれぞれ別の座組での公演だったはずだけど、いつのまにか固定メンバーでやっている。休むことなくいつものメンバーが集い。そこで、自由自在に、好き放題。それって神原さんだからできることだろう。

今年で5年目に突入した『わらわら草紙』。務川智生の『カナリアの唄』は夢の中に入っていくお話。3人の夢が一つの夢として重なり合う。「ゴンドラの唄」が心地よい。押鐘絹一郎の『シェヘラザードの焦燥、または八百三十二夜物語』はもちろん、『千夜一夜物語』をベースにして、物語を紡ぐことができなくなったシェヘラザードのお話。何とかして先に進みたいと願うが、スランプは克服できない。

そして、最後は神原さんによる『ねるねる草紙』。闇が世界を覆い尽くす。人の力ではどうしようもない。戦うこともできず、取り込まれてしまう。神原さんの本領発揮。静かで恐ろしい神話の世界。

異世界からの通路、異世界への通路としてのサブロクの木枠ひとつを小道具として、こちらとあちらを行き来する3つのお芝居が、そのたった30分ほどのお話が、とても豊かな世界を垣間見せる。贅沢な時間を提起してくれる。舞台であることの魅惑。お芝居ならではの空間。役者たちだけのほぼ何もない空間がこんなにも豊かな物語を紡ぎだす。そんな当たり前のことが、なんだかこんな時代だから懐かしい。


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