懐かしい映画だ。BSでやっていたので、見た。40年の歳月を経て、久々に見た。公開時には何度も見たし(きっと劇場で5回は見ている。)、その後この2時間版が上映された時も見に行った。ただし、こちらは納得しない映画で好きではない。オリジナルのほうが好きだ。(オリジナルは1時間46分)無駄なシーンが追加されている。
きっと30年ぶりくらいでの再見(再会)だろう。なのに、ほとんどのシーンをしっかり覚えていて、なんと台詞まで、彼らがしゃべる前に口をついて出てきたのには自分でも驚いた。どんな映画を見ても見た瞬間に忘れてしまう勢いの今の僕なのに。それくらいに好きだったのかと改めて思う。
で、何がそんなによかったのかというと、実はよくわからないのだ。あの頃の興奮や感動はよみがえるけれども、今の自分にはそれがそれほどには感動的ではなかったのも事実だ。感性が衰えて何を見ても刺激を受けなくなっているのだろう。この作品の瑞々しさを今の僕は十分に受け止めきれない。もちろん、40年前と今とでは時代も状況も違いすぎる。あの頃の価値観や考えは今は通用しない面も多々ある。しかし、それだけではないことも事実だと思う。
僕は確実にダメになってしまった。20歳前後の初々しい感受性はもうどこにもない。あの頃あんなに夢中になっていたこの映画の見せてくれる夢と痛みを今の僕は素直に受け止めきれない。(こんなだから今の高校生と一緒に時間を過ごすことができなくなってしまったのだ、と改めて理解できた。)
ラストシーンで、ウォーミングアップは終わった、という織田先輩の声がもう今の僕には届かない。響かない。あの荒涼としたグランドでのモグラ叩きのシーンの寂しさも胸に迫らない。つらい。