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映画・演劇のレビュー

『世界の涯での鼓動』

2020-03-21 11:34:17 | 映画

昨年の『マチネの終わりに』と同じようなパターンのラブストーリーなのだけど、(公開後はこちらのほうが少し早い)当然こちらのほうがずっといい映画だ。ヴィム・ヴェンダース監督最新作。たった1度、5日間しか一緒にいられなかった2人の恋の物語。彼らが別々の場所で相手のことを想いながら、自分の仕事と向き合う姿が描かれるのだけど、彼らの仕事というのがこの映画のメインとなる。大事なのは甘い恋愛シーンではなく、それぞれが体を張ってどう生きているのかが描かれるシーンだ。これはそれを見せる映画なのだ。

テロ阻止のためソマリアに行きイスラム過激派に監禁され殺されそうになる男と、生命の起源を求めてグリーンランドでの深海探査に挑む女。映画は別々の場所で困難と向き合う彼らの姿を描くことに終始する。なんと、ふたりが再会することはない。こんなパターンのラブストーリーはかってなかったはずだ。ヴェンダースが描きたかったのかラブロマンスなんかじゃないということは明確だろう。世界の涯で戦うふたりの姿を通して、僕たちが生きているこの世界について彼は見せたかったのだ。

世界は複雑で、さまざまな場所で、さまざまな状況のもと、たくさんの人たちが生きている。この映画はそんな世界の成り立ちについての映画なのだ。


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