習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『この世に私の居場所なんてない』

2021-02-16 23:27:59 | 映画
まず、この強烈なタイトルである。そこに心惹かれて見たのだが、予想を覆す別の意味での強烈さで、衝撃的だった。心が弱っているから、まさにこのタイトルの気分だったので、それだけで見ることにしたのだが、しんみりとしたヒューマンドラマなんかではなく、この荒唐無稽な展開に驚く。こんな話になるなんて誰もが予測はしない。 確かに後で見ると、紹介にはコメディと書いてあったが、ここまでブラックな映画をよく作るな、と . . . 本文を読む
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片羽蝶『モノクロ 上の空』

2021-02-16 21:51:31 | 演劇
若い人たちによる旗揚げ公演を見るのは、なんだかドキドキしてしまう。しかも、このコロナ禍での上演である。先週のシイナナに続き2週連続でそういう貴重な機会に立ち会えたことがうれしい。彼らは今回の10周年を迎えるウイングカップに参加し、本格的なデビュー作であるにもかかわらず、というか、「それだからこそ」なのかも知れないが、渾身の力作を見せてくれた。真正面から自分たちが選んだ題材と向き合い、全力投球した。 . . . 本文を読む
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『羊飼いと風船』

2021-02-16 21:44:51 | 映画
初期のキアロスタミ(もちろん、『友だちのうちはどこ?』)のような児童映画テイストかと思った。もっとほのぼのとした映画を期待していたから、なんだかシビアすぎて驚く。チベットの草原で暮らす少年たちの生活を追った牧歌的な映画だと勝手に思い込んでいたのだ。タイトルだってこんなだし。   でも、とてもいい映画だった。ラストで少年たちが父親から赤い風船を買ってもらえたのもよかった。ラストは甘い終 . . . 本文を読む
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『わたしの叔父さん』

2021-02-16 21:34:21 | 映画
こんな映画が見たかった。終盤の展開は少し残念だけど、そこまでは素晴らしい。そして、あの唐突なラストもいい。叔父さんが入院して、でも、ちゃんと戻ってきて、日常も戻ってくる。だけど、それは単純なハッピーエンドではないことは明らかだ。近い将来叔父さんは死んでいく。あるいは、もっと体の不自由が進行する。その時、彼女1人で面倒を見ることは不可能になる。どこまでが可能で、どこからは不可能なのかの線引きは難しい . . . 本文を読む
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