習慣HIROSE

映画・演劇のレビュー

『ツリー・オブ・ライフ』

2011-08-26 20:23:27 | 映画
 『シン・レッド・ライン』『ニューワールド』以来のテレンス・マリックの新作である。というか、40年近いキャリアなのに、これでまだ5作目である。超寡作のこの巨匠が、しかも、今回初めてこんな普通の人を主人公にして、その日常を描く作品を作る。それだけで期待は高まるばかりだ。しかもカンヌでは最優秀作品賞(パルムドール)を受賞した。  そんなこんなの期待の新作だったのだが、ずっこけてしまった。なんじゃ、こ . . . 本文を読む
コメント

『世界侵略 ロサンゼルス決戦』

2011-08-26 20:07:12 | 映画
 日本公開が危ぶまれたこの映画がようやく公開されることとなった。このなんともストレートなタイトルには驚かされる。だが、始まった映画自身にはもっと驚かされる。ここにはまともな話なんかない。宇宙人がやってきて、地球を襲う。それを阻止するために戦う。ただそれだけ。  敵のただ中で、生き残り取り残された人々を救出する部隊の活躍をドキュメンタリータッチで描く戦争大作。映画が始まってしばらくすると、どかん、 . . . 本文を読む
コメント

子供鉅人『バーニングスキン』

2011-08-26 19:45:06 | 演劇
この暴力的な作品の持つインパクトは強大だ。重度のアトピー性皮膚炎を患う女は、あり得ないような暴力を家族に対して奮う。妹も両親も為す術もなく従う。あげくには妹は殺されてしまうし、彼女の変わりにわけのわからない男がやってきて、妹を名乗ることとなる。このオープニングの一連のシーンは強烈な印象を残す。彼らの関係性は何なんだろう、と思う。不安にさせられる。凶暴な彼女の横暴に両親はただ怯え、従順に彼女の言う . . . 本文を読む
コメント

村上龍『心はあなたのもとに』

2011-08-26 19:36:24 | その他
村上龍初の本格恋愛小説である。彼は(たぶん)やると決めたら徹底的にしなくては気が済まない主義なので今回もとことんやってくれる。600ページに及ばんとする大作で、50代の経済的にも満たされた男と、30代で病気を抱えた風俗の女の不倫を描く。男はお金に物を言わせて何人もの女を自由にしてきた。そんな中、偶然出会ったこのひとりの女に入れ込んでしまう。最初はいくらなんでもこの設定はないだろう、と思った。村上 . . . 本文を読む
コメント